Story
ロンドン郊外の中学校で歴史を教える初老のバーバラ(ジュディ・デンチ)は、若く美しい新任の美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)に興味を抱く。家族も親しい友人もおらず、飼っている猫だけが心のよりどころだったバーバラは、シーバとの友情に固執するようになる。しかし、ある日、シーバの秘密を知り……。(シネマトゥディより)
2006年/イギリス/リチャード・エアー監督作品
評価 ★★★★☆
ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットは、この映画で2006年米アカデミー賞の主演女優賞と助演女優賞にノミネートされました。
この映画はちょっとしたホラー映画よりもよっぽど怖かったです。女性の赤裸々な感情をとてもリアルに描いているので、共感しすぎて辛くなるというか、かなり心に響いてくるものがあります。上映時間も90分と最近の映画では短い方なので、観ている方はかなり助かるのですが、その反面、内容がとても濃いので、観終わってどっと疲れる方もいるかもしれないですね。でも、無駄なシーンが一切なく、見応えのある映画を観たという感じで、存分に楽しませてもらいました。
ケイト・ブランシェット演じるシーバは、ブルジョワな家庭で育ち、結婚して子供にも恵まれて、また美術教師というやりがいのある仕事もしている女性。そして、外見がとても美しいことから学校では一目置かれる存在で、同僚の教師や生徒から親しまれ、憧れられている存在です。
普通だったら一見幸せそうに見える彼女ですが、家庭で良き妻、良き母を演じてきたストレスからか、また本来の奔放な性格も手伝って、彼女の教え子でもある男子生徒とスキャンダラスな事件を起こしてしまいます。
年齢も親子ほど違う、しかもまだ未成年の男の子と不倫なんて、普通なら考えられないことですが、彼女がそれだけ孤独な気持ちに苛まれていて、快楽を味わうことでストレスから逃れようとする彼女の心情が、この映画では見事に描かれています。また、ケイト・ブランシェットの持つ品の良さと、彼女の妖精のような雰囲気が、男子生徒との恋愛関係も不思議と嫌らしく感じなかったですね。
一方、ジュディ・デンチ演じるバーバラは、シーバとは全く対照的な女性であり、独身の初老の教師で、ハッキリ物を言う辛辣な性格から、学校の同僚教師や生徒から疎んじられている存在です。飼っている猫だけが心のよりどころで、親しい友人もおらず、日記を書くことが彼女の唯一の慰めになっています。そんなある日、シーバと偶然仲良くなり、彼女の秘密を知ってしまうことで、バーバラの日常が変化していくのですが・・・。
バーバラという女性は、その孤独ぶりが凄まじくて、観ていて本当に辛くなりました。だから親しい友人が出来ると、相手との距離が上手く保てずに、ついボーダーラインを超えてしまうんでしょうね。バーバラがシーバと仲良くなれた日に、嬉しくて日記帳に金星のシールを貼るシーンがあるのですが、彼女の孤独さが余計に伝わってきて、なんだか痛々しかったです。
ケイト・ブランシェットもジュディ・デンチもさすがオスカー女優といった感じで、どちらも負けていない素晴らしい演技でした。特にジュディ・デンチはもともと意地悪そうな顔つきのせいか、見事なハマリ役でしたね。
また、この映画は脚本がとても良いせいか、女性から見て、シーバとバーバラ、どちらの女性にも共感できる作りになっているのではないかと思います。
ひとつ残念だったのは、シーバの浮気相手でもある男の子がそんなに美形というわけでもなくて、いまいち魅力に欠けたことかな。。^^; その反対に、シーバの夫役を演じたビル・ナイは、家族を大切にしている夫役をとても好演していて良かったですね。
評価 ★★★☆☆
映画『クローサー』のパトリック・マーバーが脚本を担当した話題作。
開巻、一人でベンチに座るジュディ・デンチ。そして、最後は若い女性と二人で座るジュディ・デンチ。新しい獲物をみつけた彼女、という感じで、一種のスリラーともいえる映画でした。ジュディの陰湿、イジワル演技が圧巻です。彼女はもともとイジワル顔だから、あまりにハマり過ぎの演技なので観ていてあまりいい気持ちはしませんね。
一方、ケイト・ブランシェットの方は、これまでで一番と言っても良いくらい奇麗に映ってました。彼女演じるシーバは比較的裕福な家庭に育ったようですが、家族の中で良い娘を演じることの反動でパンク指向に走ったと思われます。母親との確執があったことを思わせる描写もありました。そのような彼女の過去がこんな事件を起こした遠因なのかと思いました。
映画『あるスキャンダルの覚え書き』公式サイト
(「あるスキャンダルの覚え書き」2007年6月 甲府市 グランパーク東宝8にて鑑賞)
ロンドン郊外の中学校で歴史を教える初老のバーバラ(ジュディ・デンチ)は、若く美しい新任の美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)に興味を抱く。家族も親しい友人もおらず、飼っている猫だけが心のよりどころだったバーバラは、シーバとの友情に固執するようになる。しかし、ある日、シーバの秘密を知り……。(シネマトゥディより)
2006年/イギリス/リチャード・エアー監督作品
評価 ★★★★☆
ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットは、この映画で2006年米アカデミー賞の主演女優賞と助演女優賞にノミネートされました。
この映画はちょっとしたホラー映画よりもよっぽど怖かったです。女性の赤裸々な感情をとてもリアルに描いているので、共感しすぎて辛くなるというか、かなり心に響いてくるものがあります。上映時間も90分と最近の映画では短い方なので、観ている方はかなり助かるのですが、その反面、内容がとても濃いので、観終わってどっと疲れる方もいるかもしれないですね。でも、無駄なシーンが一切なく、見応えのある映画を観たという感じで、存分に楽しませてもらいました。
ケイト・ブランシェット演じるシーバは、ブルジョワな家庭で育ち、結婚して子供にも恵まれて、また美術教師というやりがいのある仕事もしている女性。そして、外見がとても美しいことから学校では一目置かれる存在で、同僚の教師や生徒から親しまれ、憧れられている存在です。
普通だったら一見幸せそうに見える彼女ですが、家庭で良き妻、良き母を演じてきたストレスからか、また本来の奔放な性格も手伝って、彼女の教え子でもある男子生徒とスキャンダラスな事件を起こしてしまいます。
年齢も親子ほど違う、しかもまだ未成年の男の子と不倫なんて、普通なら考えられないことですが、彼女がそれだけ孤独な気持ちに苛まれていて、快楽を味わうことでストレスから逃れようとする彼女の心情が、この映画では見事に描かれています。また、ケイト・ブランシェットの持つ品の良さと、彼女の妖精のような雰囲気が、男子生徒との恋愛関係も不思議と嫌らしく感じなかったですね。
一方、ジュディ・デンチ演じるバーバラは、シーバとは全く対照的な女性であり、独身の初老の教師で、ハッキリ物を言う辛辣な性格から、学校の同僚教師や生徒から疎んじられている存在です。飼っている猫だけが心のよりどころで、親しい友人もおらず、日記を書くことが彼女の唯一の慰めになっています。そんなある日、シーバと偶然仲良くなり、彼女の秘密を知ってしまうことで、バーバラの日常が変化していくのですが・・・。
バーバラという女性は、その孤独ぶりが凄まじくて、観ていて本当に辛くなりました。だから親しい友人が出来ると、相手との距離が上手く保てずに、ついボーダーラインを超えてしまうんでしょうね。バーバラがシーバと仲良くなれた日に、嬉しくて日記帳に金星のシールを貼るシーンがあるのですが、彼女の孤独さが余計に伝わってきて、なんだか痛々しかったです。
ケイト・ブランシェットもジュディ・デンチもさすがオスカー女優といった感じで、どちらも負けていない素晴らしい演技でした。特にジュディ・デンチはもともと意地悪そうな顔つきのせいか、見事なハマリ役でしたね。
また、この映画は脚本がとても良いせいか、女性から見て、シーバとバーバラ、どちらの女性にも共感できる作りになっているのではないかと思います。
ひとつ残念だったのは、シーバの浮気相手でもある男の子がそんなに美形というわけでもなくて、いまいち魅力に欠けたことかな。。^^; その反対に、シーバの夫役を演じたビル・ナイは、家族を大切にしている夫役をとても好演していて良かったですね。
評価 ★★★☆☆
映画『クローサー』のパトリック・マーバーが脚本を担当した話題作。
開巻、一人でベンチに座るジュディ・デンチ。そして、最後は若い女性と二人で座るジュディ・デンチ。新しい獲物をみつけた彼女、という感じで、一種のスリラーともいえる映画でした。ジュディの陰湿、イジワル演技が圧巻です。彼女はもともとイジワル顔だから、あまりにハマり過ぎの演技なので観ていてあまりいい気持ちはしませんね。
一方、ケイト・ブランシェットの方は、これまでで一番と言っても良いくらい奇麗に映ってました。彼女演じるシーバは比較的裕福な家庭に育ったようですが、家族の中で良い娘を演じることの反動でパンク指向に走ったと思われます。母親との確執があったことを思わせる描写もありました。そのような彼女の過去がこんな事件を起こした遠因なのかと思いました。
映画『あるスキャンダルの覚え書き』公式サイト
(「あるスキャンダルの覚え書き」2007年6月 甲府市 グランパーク東宝8にて鑑賞)
本当にある意味ホラーよりも怖いんですよね。
身につまされるシーンがたくさんあって。
誰にも触れられたことなく60年を過ごすってどういう感じなのでしょうか。
性格もゆがんでしまいそうな気がします。
ケイトはとっても美しくて、男でも女でも惹かれてしまうのも納得でした。
これ確かにへたなホラーより怖かったです。
でもでもドラマティックな作品で堪能しましたわ。
デンチ&ブランシェットの配役ならではの作品でしたね。
存在感ありのオスカー女優の競演を楽しめました。
ビル・ナイ良かったです!彼はホント味のある俳優さんです。
わんこさんが書かれている最初のベンチと最後のベンチ....物語ってましたわね。素晴らしいシーンだと思います。
お、今回はnyankoさんの方が点数が高いですね!
そうなんですよね、女性にはとても共感が得られるというか、女性には女性の恐ろしさがよく分かってるんですよね(笑)
だからこそ、この怖さが身に沁みるんですよね~。
男性には怖すぎてしまうのかしら?w
本当に、ある意味ホラーより怖い映画でしたね。。
また、男性より女性の方が共感できる分、女性には評価が高くなってしまう映画かもしれないです。。^^;
バーバラはもう少し自分を抑えて、人と関わる人生を送ってこれたなら、あのような性格にならなかったんでしょうね。。
この映画のケイトは、これまでにないくらい奇麗に見えました!
本当に、男性にも女性にも好かれてしまうのが納得できるくらいでしたね♪
内容はけっこうズシっと重かったんですが、本当にドラマティックな作品で、私も堪能しました~。
デンチ&ブランシェットの配役でなかったら、ここまで惹き込むような作品に仕上がってなかったでしょうね。
どちらも存在感ありで、さすがオスカー女優の競演といった感じでした♪(^^)
ビル・ナイは映画によって全然雰囲気が変わりますね!
本当に味のある良い俳優さんだと思います。
最初と最後のベンチのシーンも、この映画をビシッとしめているような感じで、とても上手い演出でした。
やっぱり、男性より女性の方が共感してしまうせいか、私の方が評価が高くなってしまいました。^^;
女性の方が他人事とは思えない分、ズシッと心に響くんでしょうね。。
男性はあそこまでいくと、逆に引いちゃうのかしらね。。
今回はこの怖い作品でお邪魔します(笑)
人間の暗部が怖くて、しかも身につまされる部分もあり、自分をも怖くなってしまう感覚を覚えました(笑)
二人の一流女優の演技も見応え十分でしたね。
ケイトが危うく美しく、デンチが心底怖くて、その好対照に唸りました。
TBさせて頂きました。
二人のようにはぜったいなりたくないけれど・・・汗
不快な作品で、嫌だなあと思いながらも二人の女優の演技にひきこまれました。
内容にしては品がありました。
下手なスリラーより怖かった・・・
また遊びにきてくださって嬉しいです!
遅くなりましたが、コメントありがとうございました。
二人の女優の演技が凄くて、私も身につまされる思いで鑑賞してました~。。
どちらの女性にも共感できるだけに、観終わった後はなんだか不快な気持ちになってしまいましたね。。^^;
でも、それだけ人間の暗部を見事に描いていて、面白い見応えのある作品でした!
ケイトとデンチ、好対照なキャラクターがまた良かったですね。
>アイマックさんへ
こんばんは♪
遅くなりましたが、いつもコメントありがとう~。
そうそう!うちの主人はあまり感じていなかったんですが、私の方は共感しすぎて、なんだか観ているのが辛くなりましたね。。
女性にとっては不快な気持ちになる作品かもしれません。。
でも、それだけ二人の女優の演技が良かったんだと思います!
本当に内容にしては品があったので、描き方やキャスティングが良かったのかな。
下手なスリラーより、よっぽど怖かったです~。。