goo blog サービス終了のお知らせ 

草の名

私が栽培している薬草や、道端の草でセルフメディケーションにも使える類の植物を紹介してゆきます。

アキノタムラソウ

2016年07月28日 | 薬草・雑草

 裏門から入って直ぐの左手に、スモークツリー(別名:ケムリノキ・ハグマノキ)があります。これは自宅で鉢栽培していたものを、地植えにしたものです。                 その時の鉢に同居していたアキノタムラソウが、元気に生長し、花をつけています。  

もう少し先の右側には、同じように鉢植えだったハマボウHibiscus hamabo も地植えしましたが、そこにもアキノタムラソウが同居していたと見え、花をつけています。      どちらも道沿いにあるので、お気づきでしょうか?

 

スモークツリーCotinus coggygriaってどんなの?・・・と、初めて聞かれる方も多いと思います。                                                                 和名ではケムリノキとかハグマノキと呼ばれ、近頃では、庭で植栽されシンボルツリーになっているのを目にするようになりました。気をつけてみれば街中でも見つかることでしょう。                                                                                                               園に植栽して2年目なので、今年辺りはそろそろ・・・と心待ちしています。


下の写真は、自宅で開花した時の花です。当にケムリノキの名前がピッタリだと思えませんか?園でも今年は花芽がつくのではないかと楽しみにしています。

 その木の根元で薄紫色の小さな花をつけているのが、アキノタムラソウSalvia japonicaです。

                                                    

 学名のサルビア・ジャポニカからお分かりのとうり、日本が原産のサルビアの仲間です。                              開花の時期や、形態の違いで、この仲間には、ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウ、アキノタムラソウなどの種類があります。                                その中では、アキノタムラソウが一番よく知られています。


本州、四国、九州の山野に普通に生える多年草で、 草丈は30~60cmほどになります。                       茎はシソ科特有の四角形で、葉はまばらに対生し、長い柄がある葉は、3~7の小葉に分かれています。                                                

花は、20cm程ある長い穂に6月頃から咲き始め夏の終わりごろまでと花期は長く、下から順に1cmほどの薄紫色の唇花形の花をつけます。

                                                                                 一つの節に花葉5,6個、輪生につき、花びらの表面に、柔毛が生えているのが特徴です。

 


花の先に突き出ているのは雌しべ。

下向きに黒く出ているのは雄しべ。

 

霜が降りる頃になると、葉色が紫色となるので、多紫草(たむらそう)と呼ばれるようになったという説があります。

田村草と書かれているのは、キク科のタムラソウです。

  星薬科大学の故 伊澤 一男名誉教授の著書『薬草カラー大事典』では、中国では乾燥させた全草は、肝機能の改善に民間薬として用いられているとあります。

中国では、心筋梗塞や狭心症の特効薬として用いられる丹参(たんじん)という生薬がありますが、これはシソ科のタンジンという植物の根を用いられています。              血液をさらさらにし、血管の流れをよくするという作用があり、中医学や漢方で、古くから用いられています。

                                          タンジンはアキノタムラソウによく似ていますので、今後研究され、薬理作用や薬効がはっきりするかもしれません。                                        そう思えば、何でもかでも雑草だと、一括りにするのは、勿体ないかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ナツズイセン開花中

2016年07月25日 | 薬草・雑草

  園の奥まった所にあるユズリハの手前でナツズイセンLycoris squamigeraが咲き始めています。

 春に、スイセンの葉を大きくしたような葉を伸ばしますが、夏になるとは葉は枯れます。葉の枯れた後、花茎を50~60cmほど伸ばし、淡紅紫色の反り返った大きな花を、数個つけますが、緑の中にすっくと立っているのは実に存在感があります。 

                                                                             名前にスイセンとついてはいますが、スイセンの仲間ではなく、秋に咲くヒガンバナやキツネノカミソリの仲間、ヒガンバナ科ヒガンバナ属で、有毒植物です。根ではなく 鱗茎となっています。これは肥大した葉が重なりあって球状になり、その表面を薄皮で覆われている状態をいいます。(スイセンやチューリップの球根のような状態)

 開花時に葉がないので、別名ハダカユリとも呼ばれます。英名ではマジック リリー Magic Lilyというそうですが、葉が枯れて何もない所から花茎が伸びて大きな花を咲かせる様が、まるで手品か魔法の様だというのでしょうか。 

 本州、四国、九州で各地の山野に野生化していますが、普通は鑑賞用として栽培される多年草です。古い時代に中国から渡来したナツズイセンの原種に、同じ仲間が自然交配してできた雑種といわれています。                                        市販されている中国原産のリコリス・スプレンゲリーやリコリス・インカルナタなどは、ナツズイセンによく似ていますから、これらが自然交配したと云われればそうだろうなと思えます。  

 1960年代に、ヨーロッパ南部原産のスノードロップの一種から、成分のアルカロイドのガランタミンが発見されたことで、日本のヒガンバナ科の一群が研究対象になりました。研究の結果、ナツズイセンやショウキラン(ショウキズイセンの別名)の鱗茎にも含まれていることが判り、薬用植物に加えられました。

ナツズイセンは、鱗茎を用い、生薬名は鹿葱(ろくそう)といいます。             現在、ガランタミン製剤は、小児麻痺後遺症の治療薬やアルツハイマー型認知症の症状の進行を抑制する薬として知られています。 

有毒植物も使い方によっては薬になります。毒も薬も紙一重なのですね。


ブタナ

2016年07月11日 | 薬草・雑草

 今夏は、何故かブタナが目立ちます。あまり聞き慣れない名前でしょうが、きっとどこかで一度は目にされていると思います。

「よく見かけるけれど、アレは何というの?」と度々訊かれます。「ブタナです」と云うと、「タンポポじゃぁないの?」とよく言われます。 

 タンポポかと思われるも無理ありません。ヨーロッパ原産のブタナHypochaeris radicata は、1933年(昭和8年)に札幌市で確認された当初は「タンポポモドキ」と呼ばれましたから。しかし翌年の1934年、六甲山で見つかった同種の植物には、「ブタナ」と名付けられて以来ブタナの方が主流となりました。(今では各地で帰化が確認されて定着しています)                              フランスでの俗名“豚のサラダ”(Salade de porc)を翻訳した名前になったのが由来と云われています。翻訳名をそのまま名付けたというのは、いかにも土地柄なのかと思えます。六甲と云えば神戸ですからねぇ。 ひょっとしたら、六甲で命名したとき、フランスの方がその場に居合わせたのかしら?

ブタナの葉は地際から生える葉だけのロゼットの状態です。ぎざぎざで波打った葉には縁や両面に剛毛が生えています。そこから枝分かれした花茎を伸ばし、花茎の先端に舌状花だけの頭花をつけています。 上図は園内のと私の居住する団地で撮ったものです。花も葉も、生えている土地の栄養状態によるのでしょう、僅かながら違いがあるようです。 云うまでもありませんが、花も葉も貧弱なのは団地の方です。                                                                                           タンポポは一つの花茎にひとつの頭花をつけますが、ブタナの花茎は枝分かれし、その先端に花をつけるので複数の頭花をつけてます。 

 Salade de porcの直訳「豚のサラダ」は、あのごわごわした葉を、豚が好んで食べるのだろうかと思えます。それとも、豚しか食べないから・・・という意味なのかしらとも思うのです。                                                                                                                                                                                                                     Wikipediaには、ブタナの利用の項に、『全部分が食用に可能であり、葉と茎が最も利用される。成長しすぎた葉は硬くなるが、若葉はクセが少なく、サラダ、茹で野菜、揚げものなどで食される。タンポポよりも苦味が少ないことが多い。根はタンポポと同様に、コーヒーの代替品として炒ってハーブティーとして飲まれる。ギリシャのクレタ島などでは葉をボイルして普通に食されているようである。』  とありますが、本当に人が食べることが出来るのか・・・と思えてなりません。 

 そういえば、同じように毛の生えているアザミにも、若葉を食べられるのがあるのだから、一度試してみてもいいかなとは思いつつ、「食べられる野生植物」にも載っていないのでは止したほうがいいかなとも思案中です。 食べることが出来るのは若葉であるなら、試すのは来春まで待たなくてはなりません。

 それにしても、タンポポモドキの名前の方が、余程分かり易いのにと思うのは私だけでしょうか。


ヤブガラシ

2016年07月06日 | 薬草・雑草

 ヤブガラシが目につくようになりました。花は緑色で、咲き始めは蜜の出る部分がオレンジ色で、その後ピンク色に変わります。

              ヤヤブガラシはブドウ科の蔓性多年草です。

 

       生態の良く似たものに、アマチャヅルがありますが、こちらはウリ科です。

                                                                                                                   

 ヤブガラシは、生長は早く、一晩に数センチも伸び、伸びるにつれて葉も開いてきます。葉は5枚に分かれた複葉で、それぞれに短い葉柄を持ち、その葉柄の反対側から巻きひげが伸びてとっかかるものを探すのか空中をゆらゆらしています。こうして葉と巻きひげは一対となって交互に伸びて、近くの植物に絡みついて覆い被さってしまいます。おまけに地中に縦横に伸びた根茎から、至る所に芽をだして繁殖します。地中で四方八方に伸び、放っておけば薮をも枯らしてしまうというのが名前の由来です。この植物で周りを覆われると、いかにもみすぼらしく見えるので「ビンボウカズラ」とも呼ばれています。

 私はヤブガラシ退治には、時として地下茎をたぐって取り除きますが、とても根っこまでは抜き取れないので、大抵は地上部を引き抜きます。慎重にやっても、どうしても途中で切れてしまい、そこから又拡がります。根治することは不可能に思えるのですが、何かよい方法は無いものかと調べていると、面白いサイトを目にしました。

 園芸会社のブログですが、”農薬を使わずに、簡単にヤブガラシが駆除出来る” というのです。

【それは、今年6月8日に国立市「やぼろじ」で行われた、矢野智徳さんの「大地の再生講座」での一コマ。下草の風通しを良くする方法を矢野さんが指導していた時。そこにヤブガラシがありました。「この草は、とても素直な草。役目を終えたと思えれば、必ず姿を消してくれます・・・」といって、矢野さんはくるくるとヤブガラシを丸く束ねて、地面に置きました。これでヤブガラシは無くなる、というのです。】

“へぇ-、そんなことで退治出来るの?信じられないが、やってみよう”とヤブガラシを取り外してみたのですが、絡みついているのを外すのは大変です。引っ張れば途中で切れてしまい、とても書かれているようにはできません。南天に絡みついている1カ所をやってみただけでギブアップしました。 ヤブガラシ退治したい方はこちらを参考にあいて、お試し下さい。 

こんなヤブガラシでも、昔から薬用に利用されてきました。烏瀲苺(うれんぼ)という生薬名ももっているのです。 

薬用として生の葉を使うときは必要に応じて採ります。

・利尿、鎮痛、神経痛、解毒には、煎じて服用。

・腫れ物、虫刺されには、生の葉を潰して汁をつける。

・乳房の腫れや毒虫に刺されたときは、生の根茎を擂り潰して患部に塗布する。

・打ち身、骨折には、生の根茎を擂り潰したものに酢と小麦粉を加えて練り合わせて患部に塗布。

食用としても利用されます。

・若い芽を茹でて水に晒して、アク抜きをしてから調理します。お浸し、和え物、油炒めなどに。

こなんなに有用であるなら、食わず嫌いせずに一度試してみなくては・・・・・モッタイナイ!! 

 余談ですが、ヤブガラシには、実をつけるタイプと実をつけないタイプがあるそうです。この辺りで見かける花には実はついていないので、関東のヤブガラシは実をつけないタイプのようです。研究によって(大阪市立大学の岡田 博教授)、ヤブガラシには染色体数が2倍体と3倍体があり、2倍体には南西日本型、北西九州型、そして広く日本の関東以南に分布する型の3型があることが判明したそうです。染色体数が多くなると結実しないということは、種なしスイカやヒガンバナでよく知られています。関東のヤブガラシは殆どが3倍体なので、実は付かない(種は出来ず、)実生のヤブガラシを見たことが無いのは、そういうことだったのかと知りました。

 

                                                                        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


こんな所に,ツリガネカズラが・・・

2016年05月07日 | 薬草・雑草

 裏門を出て直ぐのところで、ツリガネカズラを見つけ、思わず我が目を疑いました。

北アメリカ原産の蔓性落葉低木ですから、とても自然に生えたのではないのです。どうして此処にツリガネカズラが?と信じられなかったのです。

「稻毛一号橋」を渡ってすぐのところ、陸橋のつなぎ目の場所です。ひっそりと咲いているので、今まで全く気付かなかったのです。

生えている直ぐ下は交通量の多い道路です。恐らく、この道路が造られたとき、額田側の崖の土留めに植えられたのだろうと思います。

 

道路の反対側では、アメリカノウゼンカズラが防音壁一面を覆っています。

これも日本には自生していない植物ですから、防音目的で植栽されたのでしょう。 

防音壁に植物を絡ませるのが、果たして防音効果があるのかと思えますが、実際に高速道路の防音壁には、甲子園のツタが使われていると聞いたことがあります。なんでも「アクティブ ノイズ コントロール」という考え方で、外観と防音目的で利用されているそうです。

 しかし、このツリガネカズラが生えているのは、見る限りではその一本だけなのです。何故、何のために?と不思議でなりません。 

早速枝先を切り取り、挿し木してみました。鉢植えにしてこの珍しい植物を、皆さんに見て貰おうと思ったのです。

ツリガネカズラの花は、カレー粉のような匂いがするので、別名を「カレーバイン」といいます。稲毛一号橋を通られる折り、花があれば是非嗅いでみてください。決して悪い匂いではありませんよ。