草の名

私が栽培している薬草や、道端の草でセルフメディケーションにも使える類の植物を紹介してゆきます。

レンギョウ

2019年03月17日 | 薬草・雑草

レンギョウが咲き始めました。未だ未だ ちらほらですが。

 もう半月もすれば、4月2日は、彫刻家であり詩人でもあった高村光太郎の命日です。晩年を過ごした中野区のアトリエにはレンギョウが植えられていて、こよなく愛していたそうですし、74才で亡くなったとき、レンギョウ一枝が棺には供えられたといわれています。きっと庭のレンギョウは,お別れに花を精一杯咲かせたことでしょう。この日には、日比谷 松本楼で偲ぶ会“連翹忌“ が催されています。 

 今回は、それに因んでレンギョウをご紹介します。

  レンギョウForsythia suspensa は、モクセイ科の落葉小低木で、雌雄異株(しゆういしゅ)です。葉は鋭い鋸歯縁で、枝が伸びて地面につくと根を出してそこから木になります。根元を見ると株立ちしていることが多く、こんもりとした樹形になるので、庭木、垣根や公園などに植栽されています。

 中国原産であるレンギョウが、日本に渡来した時期については正確には分かりませんが、天平5年に編纂された『出雲風土記』には、既に「連翹」の記載があるので平安初期には渡来していたと推定されています。

 しかし奈良時代に書かれた「和名抄(わみょうしょう)によると連翹を鼬草(イタチグサ)の名前で生薬として売られていたとあるそうですが、樹木であるこの木が、イタチグサとはおかしくないかしら。おそらく別類であろうと思います。927年に編纂された『延喜式』には、下総の国、伊賀の国から連翹を朝廷に献上したように載っていますが、現在私達が目にするレンギョウであるか否かは、諸説あるようです。 

 よく目にするレンギョウは中国原産のシナレンギョウF. viridissima 又は朝鮮半島原産のチョウセンレンギョウF. koreana がほとんどです。花は大変よく似ているので見分けるのは難しく、一般にはひっくるめてレンギョウとしています。【樹木の部屋・春の樹木・4月・シナレンギョウ】ではそれぞれの特徴が詳しく書かれていますので、ご参考迄に。  

この他に、現在は絶滅危惧種の日本の固有種が二種あります。

・(広島県東部北部と岡山県西部の固有種)であるヤマトレンギョウF. japonica Makino

・ショウドシマレンギョウF. togashii Hara    この二種です。

これらは、固体数が少ないうえ、花数も少なく、地味な為かあまり植えられていないようです。

   

 レンギョウは,春告花、迎春花とも呼ばれ鑑賞用として親しまれていますが、果実を乾燥させて生薬 連翹(れんぎょう)として、消炎、利尿、排膿、解毒薬に用いられています。

連翹(れんぎょう)は、解毒、排膿、消炎、利尿の働きが非常に強く、古くから腫れ物の特効薬として用いられ、結核性頸部リンパ節炎(瘰癧 ・るいれき)やにきびなどの治療薬としては特に定評があるそうです。

 とはいえ私は、枝についた果実を見た事がありません。というより、恥ずかしいのですが、気が付かなかっただけかもしれませんが・・・・・

 

レンギョウの果実とは、このようなものです。↓

 果実をあまり見ないのは、レンギョウには自家不和合性があって、別の種類の株が近くにあれば結実するのでしょうが、挿し木が容易なので増えた株が、遺伝子の同じものばかりでは結実しないのだろうと思います。

 以前このように書きましたら、前の職場の上司(東邦大学薬用植物園 技術員・川上剛氏)から、【今まで見てきた個体の8割が雄株。鑑賞用として翌年、花がつきやすいようにと、雄株が主流になって普及したと思われるが、“当園の花”の写真は、雌花だから額田にあるのは雌株。よく見れば果実はついているかもしれない。自家不和合性というより、近くに雄木があれば受粉し結実するはず。】と指摘されました。

 そして、「どのような状態で栽培しているのか」と訊かれたので、“生け垣の間からのぞいている状態”というと、【日の当たる場所に移して栽培すれば、雌株だけでも結実することがあるが、どれだけ虫が寄ってくるかに依るだろう。雄木があれば確実。】と移植を勧められました。

 今迄果実を見なかったのは、青字の部分を “単に雄木が無いから果実は見られなかった” と訂正しなくてはなりません。ならば、生け垣の中のレンギョウは、早速陽の当たる場所に移さなくてはなりません。

そして雄木を探して、雄花の花粉をつければ結実を見ることが出来るかしら・・・・・ 
ご教示、感謝感謝です。

  皆様もレンギョウをご覧の折は、果実を探してみてください。果実が付いていればその木は雌木です。

学   名Forsythia suspensa
科   名モクセイ科 
生薬 名連翹(れんぎょう)
 
利用部位:・Forsythia suspensa又はF. viridissimaの成熟果実⇒秋に果実を採り日干しに。 
       ・花⇒日干しにします。

利 用 法:・消炎、利尿、排膿、解毒に

       ⇒連翹12~20gを水400cc で、1/3量に成るまで煎じ、一日3回に分けて服用します。  

       ・利尿、緩下、高血圧の予防に⇒日干しした花 3gに熱湯を注いで飲用します。

                          (ハーブティーの要領で淹れればよい)

効  能消炎、利尿、排膿、解毒、緩下、高血圧予防に。

成   分トリテルペノイド、 リグナン、 フェニルエタノイド配糖体、 フラボノイドなど。

 


キンセンカ(トウキンセンカ)

2019年03月16日 | 薬草・雑草

 

 花屋の店頭に春の花のキンセンカが並び始めでいます。花期が長いので花壇に植えたり、切り花で昔から親しまれてきた植物です。あまりにも見慣れているので、日本に昔からあったと思われるかもしれませんが、キンセンカの原産地は地中海沿岸、南ヨーロッパなのです。江戸時代に中国を経て花卉用、薬用として入ってきた植物です。 
  一般にはキンセンカと呼ばれますが、 植物名は、トウキンセンカ Calendula officinalis です。耐寒性のある一年草で、花色もオレンジ色、黄色、咲き方も一重咲きや八重咲きなど多くの品種があります。性質は強くて育てやすく、花の少ない冬の彩りには欠かせないものの一つです。

近縁種にはホンキンセンカ Calendula arvensis があります。     →                             

 同じく江戸時代に渡来しましたが八重咲きのトウキンセンカが定着したため、 こちらは、ホンキンセンカ、又はヒメキンセンカと呼ばれています。 

 現在では 「冬知らず」 という名前で市場に出ているのがこれに当たります。この種類は園芸用なので、薬用としては用いません)

こぼれ種で容易に増え、各地で野生化しているとの報告もあります 。

 

     ↑ こちらが、トウキンセンカです。

 和名のトウキンセンカは中国からきたキンセンカという意味です。中国、明の時代の1406年に著された『救荒本草』に既に「金盞兒花」の名で載っているそうです。その内容は飢饉時に救荒植物として利用できる植物400種あまりの形態を図と共に解説し、その料理法を記してありますが、それらの全てを実際に栽培し、観察して描画してあるそうです。

 その後1596年に出版された『本草綱目』には「金盞草(きんさいそう)という名で載っていますが、発刊後間もなく江戸時代の慶長年間(10年頃)には、我が国にもたらされており、其れまでの本草書より内容が優れていたので、度々本を輸入したり、和刻板も出されたりして、幕末までは本草の文献としては基本とされていました。江戸時代には度々の飢饉があり“何を食べるか”という問題に直面していたので切実な事だったでしょう。 

 飢饉の経験を踏まえ、植物の比較や同定をして和名をつけ日本独自の救荒本草書として、『救荒本草啓蒙』、『救荒野譜啓蒙』などがあり、山野に自生する食用本草など身近な草木をわかりやすく紹介しています。

 被害甚大であった一関藩(現在の岩手県)の藩医・建部清庵(たけべせいあん)は、飢えに苦しむ人々の姿を目の当たりにし何とかしようと、飢饉対策に『民間備荒録』、続編『備荒草木図』をまとめました。備荒の“荒”は飢饉の意味で、飢饉への備えと、草木の調理法や中毒した場合の解毒法などを記したものです。当時の人々にとっては、まさしく救世の書であったろうと思います。

小説・藩医宮坂涼庵(和田はつ子著)では、このことが題材となっています。

キンセンカの名前のことから脇道に逸れましたが、花卉とされる植物にも、その様な一面があったということも知っていただければと思います。

  ハーブ名はカレンヂュラ Calendula officinalis 又はマリーゴールドと呼ばれています。英名ではポットマリーゴールドPot marigoldといいますが、potとつくのは“食用に出来る野草”の意味です.

 しかしマリーゴールドの名前からは、大方の方はフレンチマリーゴールド Tagetes patula (別名クジャクギク)やアフリカンマリーゴールド Tagetes erecta 別名マンジュギク)の方を思い浮かべられることでしょうが、これらは鑑賞用であって、薬用としては用いません。

 効用があるとすれば、アブラナ科の植物、球根類、ワイルドストロベリー、バラなどの近くに植えれば葉の臭気で防虫効果があるといわれる“コンパニオンプランツ”としてでしょう。               

紛らわしいので、薬用として使う場合は,カレンヂュラと呼んでいます。

 カレンヂュラの歴史は古く、古代ローマ時代から花や葉を料理や薬用として利用されていました。

 葉はサラダに、花はエディブルフラワー(食用になる花)として天ぷらにして利用されます。乾燥した花弁はサフランの代用として染色や料理の色づけに、ご飯に炊き込んだりします。

  薬用としては、花弁を利用します。抗炎症作用、抗酸化作用があり、アルコールに浸けてチンキ剤にして飲み物に数滴入れて飲用したり、浸剤にしてハーブティーとして飲用したり、収斂作用があるので化粧水としても使えます。浸出液と蜜蝋で軟膏にすれば湿疹の塗布薬やリップクリームにも使えます。殺菌作用もあるため外用すれば傷や火傷には有効です。 

 色鮮やかなオレンジ色の花弁には、天然色素のルテインが豊富に含まれています。ルテインは、眼の中の網膜や水晶体に多く存在し、パソコンやテレビから発せられるブルーライトや紫外線、光により発生する活性酸素を除去するのに欠かせません。抗炎症作用があって、眼精疲労や目の病気予防に使われています。年齢と共にルテインは減少し視力の低下や白内障、華麗黄斑変性症などの眼病にかかりやすくなるのです。ルテインが集まっているところが黄斑ですが、加齢によりルテインの濃度が低下するとエネルギーの高い光によってダメージを受け、発病にいたるそうですから、ルテインの摂取が眼病予防には有効という研究発表もあります。 

 キンセンカの花弁を乾燥して自分で淹れるハーブティーも良いのですが、時間がかかるし継続して飲もうとすると量がとても間に合いません。ルテインを摂るには、手っ取り早く市販のハーブ・カレンヂュラを使う方がいいかもしれませんね。

学  名:Calendula officinalis
科  名:キク科
生 薬 名: キンセンキク(金盞菊)
利用部位:花・舌状花
薬     効:発汗作用、解熱作用、殺菌作用、消炎作用、抗ウイルス作用、血液循環作用、利尿作用、

      生理痛対策。利尿、瀉下、止血、胆汁分泌促進、芳香性苦味健胃薬、通経、外傷、皮膚炎、

      胃の炎症、生理痛に。

    ◎花弁には、カロテノイドの一種ルテインを多く含んでいます。
       ・白内障を予防に。
       ・黄斑変性症を予防や改善に。
       ・視界のゆがみ・ぼやけに。    
使 用 法:●花弁の浸剤(ハーブティー)⇒ティー(茶剤)として。

       収れん作用があるのでそのままローションとして。                                 

      ●チンキ剤⇒美肌効果、赤ちゃんのおむつかぶれや湿疹、肌荒れに。
      ・《美肌オイルの作り方》酸化しにくいマカダミアナッツオイルなどに浸け込んで→ガーゼで濾す。

      ●花弁⇒生のままサラダに、パンやケーキに混ぜると彩がきれいです。炊き込みご飯にも。
       ●花⇒天ぷらに。
成    分:精油、サポニン、苦味質、樹脂、
      花弁には、カロテノイドの一種ルテイン、 

 

※キク科にアレルギーのある方・妊娠中の方は使用しないこと。   
        (妊娠中、料理に使う場合は少量で)

 

 


 


当世の “かてもの" ・・・ノゲシ

2019年03月16日 | 薬草・雑草

「かてもの」って何のこと? 初めて聞く言葉だわと云う声が聞こえそうです。

「かてもの」とは、漢字では 「糅」 と書きます。Wikipediaでは【主食である穀物とともに炊き合わせを行う食物。転じて、飢饉などで食糧不足に陥った際に主食を節約するための代用食となる食物(救荒食物)のこと】とあります。

 故ケネディー大統領が“尊敬する日本の政治家”として挙げられたのが旧米沢藩第9代藩主 上杉鷹山(ようざん)ですが、鷹山の名前を知らない人でも、鷹山の詠んだ 『為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり』 この歌はご存じでしょう。

 食の飽食の時代に生きている私達には想像もつかないような飢饉のあった米沢藩では、山の自然の恵みを受け継いで山菜を摂る食の文化を受け継がれています。嘗ては,知識の無いままに食して中毒で亡くなった人が多かったことから、食べられる植物の普及書として140数種の救荒植物を載せた書が 『かてもの』 でした。そしてこの本を編集したのが鷹山やその側近達だったのです。

 後年、北海道開拓の屯田兵の中の旧米沢藩出身の兵士が、この 『かてもの』 を愛読しており、その知識で飢えを凌いだと記録されているそうです。
近年相次ぐ現今の災害では、充分ではないにしろ食糧支援を受けられますが、食べられる植物の知識を身につけておき、自助努力することも大事なことではないでしょうか。

どんな植物を口にすることが出来るのか,その一覧が以下のサイトに載っていますのでご紹介しておきます。一度目にされることをお勧めします。

《かてもの=救荒食品 - 最上川を中心に環境を考えよう》
山形大学大学院理工学研究科 応用生命システム工学分野 木ノ内研究室のサイトです。

http://ei4web.yz.yamagata-u.ac.jp/mogamigawa/life/katemono.html

余談が長くなりました。ここからが,本題です。

 今月に入り、野や道端にはノゲシが盛んに育っています。今までは雑草の一括りで片付けていたものです。ところが先年、東邦大学の薬用植物園の元上司からハルノノゲシのお浸しを食べさせて貰い、目から鱗!!でした。ノゲシ・カラスノエンドウ・アシタバ・オニノノゲシ等等・・・

 僅かに苦味はありますが、居合わせた数人は、「ほうれん草よりも美味しいくらい」の評でした。尾籠な話ですが、私にとって何よりだったのは、先年の入院の後、服薬し始めて以来、以前のようなお腹の調子ではなくなっていたのが、そのお浸しを食べた翌日には、ごく自然に元の調子になったことでした。コレは何よりの恩恵でした。

 以来朝の散歩では,ノゲシを鵜の目鷹の目で探しています。小さな黄色の花をつけているので、小さな眼を見開かずとも,苦労せず見つけることが出来ますからね。
ただし採るのは腋に伸びた若い葉茎です。花やつぼみがついていても大丈夫食ベルことは出来るともききますが、花穂は苦味があるのと食間がどうも・・・と思うので,私はもぎ取ります。
よく水洗いしてから、やや柔らかめに茹でれば出来上がりです。初めて茹でた時、ボゴッ、ボゴッとお鍋が鳴るのでびっくりしますが、ノゲシの茎が空洞の所為のようです。お鍋がひっくり返るようなことはないと判り一安心。

 すっきり、どっさり、飲んだ翌日から痛み無くスムーズに・・・等というコマーシャルの実に多いことか!!  ということは同じような悩みを持たれている方が,商業ペースになるほど多いのだろうと思えます。

便秘薬に依存しないで、騙されたと思って一度お試し下さい。

アキノノゲシも同じように用いられます。詳しくは「草の名」アキノノゲシ → http://ur0.link/vqkk


ハカマ取り

2019年03月15日 | 薬草・雑草

 ハカマ取りと言っても、 着物姿の殿方のハカマを剥ぐという事ではありませんよ。 

 昨年、居住区の一カ所だけにツクシが沢山生えているのを見つけていました。啓蟄になればツクシも出るのではないかと、期待してその場所に行ってみると案の定今年も・・・・・。このところの暖かさで一斉に出たのでしょうが、誰も見向きしません。毎朝の散歩の時摘み2,3日分採りためておき、卵とじや、佃煮風にして、春の味を堪能しています。

 もっと沢山のツクシを採りたいと、近くの田の畔を歩き回ってみましたが、見つかりません。スギナは至る所に沢山生えていたので、スギナの多い、日向の斜面という条件に該当する場所なら、ツクシはさぞかし大収穫!! と期待して行ったのですが。目当てのツクシは1本もありません。

どうもスギナの多いところにツクシが多く生えるということではなさそうです。

 ツクシは採って、洗って直ぐ調理できるのと思い込んでいた私は、よく洗ってそのまま使ったことがありました。
20数年前、初めてツクシの料理に挑んだときのことでした。何も知らずに作った 煮浸しのお味は、よかったのですが、口の中でがさがさして、とても食べられたものではなかったのです。

 地方出身の友人に訊くと、「はかまを取らなくちゃ、とても食べられないわよ」と云われました。。
その時初めて,“ツクシのハカマは取り除かなくてならない" ことを知ったのです。

             ツクシのハカマとは、上図の茎に段段についている部分をハカマと云います。
<ツクシの煮浸し>作り方は、ハカマを取除いたつくしを洗い、よく水を切って小鍋に入れ胡麻油で炒めます。しんなりしてきたら、お好みの味付けをします。鍋には胞子の緑色の汁が残りますが、心配ご無用です。その胞子の色と、苦味が嫌で、頭を取り除いて茎だけを調理するとも聞きましたが、私はほろ苦さは春の味と思うので、そのまま調理します。

ツクシが手に入ったら、是非一度お試し下さい。検索すれば、作り方はいろいろありますよ。

 庭一面に出てきたアズマネザサには、閉口しています。あまりの蔓延り方に半ば諦め、寒い間は手も入れないでいましたが、先日漸く退治するつもりになり、久々に庭に降りました。 

 憎っくき憎っくきアズマネザサを取り除いていて、シュンランの花の香りに心は和みました。今年は一株から40本あまりの花がついていて、辺りはいかにも和の芳香が漂っていました。例年は花茎を梅酢漬けにし、焼き魚に添えています。今年は塩漬けにして蘭茶にして喫してみるつもりです。
                    

 同じようにシュンランにもハカマはあるのです。茎についている薄い皮のような部分です。シュンランも、この部分を取り除かなくては,食べにくいのです。よく洗って,水気を切ったら,梅酢に漬け、一晩おけば、焼魚の付け合わせに使えます。
丁度ハジカミのように使います。シャキッとした食感は、春ならではの楽しみです。 
 
私は梅酢を使いましたが、勿論白い梅酢でも,お好みの甘さの甘酢でもいいのです。

花は愛でるだけではなく、食べれば口福です。

ツクシやシュンランが手に入れば是非お試しになれば・・・・


カミツレ(カモマイル・カモミール)

2019年03月14日 | 薬草・雑草

 このところの暖かさでカミツレが芽を出し始め、気の早いものは花が、いくつか咲き始めています。ハーブではカモミールと呼ばれているもので、和名をカミツレいいます。

カミツレには2種類ありますが、皆様ご存知でしょうか。
 よく見かけるのはジャーマンカミツレで、一年草又は越年草で、こぼれ種でもよく増えるタイプで、3月頃から咲き始めるのはこのタイプです。  もう一つは宿根草のローマンカミツレです。園芸店に依ってはペレニアルカモミールといわれているかもしれません


単にカモミールというとジャーマンカミツレを指します。
 
●ジャーマンカミツレ 

 
 紀元前2000には、古代バビロニアで、薬用として使われていましたし、現在でも世界各地で薬用を目的に栽培されています。
 日本には、江戸時代にポルトガルやオランダによって紹介されました。草丈は30~50cm、茎は直立し多数分枝し、開花期は3月~6月で、茎上端に散房花序の白い花弁に黄色い円錐形の中心部のある頭上花をつけます。花は咲き進むと中心の黄色い部分(舌状花)が盛り上がってき、蜜の香りがしますが、葉には香りはありません。花が終わると枯死しますが、そのままにしておけば、こぼれ種で増えますが、次第に性質は鈍くなり、香りも弱くなるので、香りが弱くなったら新しい種から更新する方が良いでしょう。カミツレのティーは消化不良によく鎮静作用があるためリラックスできます。就寝前にのむとよいでしょう。
本種には、抗潰瘍作用はなく、多く服用すると胃の筋肉を弱めることがあります。また子宮収縮作用があるので、妊娠中は用量を守り、精油は使わないでください。「メディカルハーブ安全性ハンドブック」では、ドイツ認定基準には、“浸剤は目の近くで使ってはならない”と製品表示を義務づけていると載っていますので、使用にはお気をつけください。
安全、効果的といわれますが、ティーでアナフィラキシィー反応での死亡例もありますので、キク科にアレルギーのある方は飲用しないでください。

 

私がハーブを知るきっかけになったのは、ピーターラビットの絵本でした。 

 

I am sorry to say that Peter was not very well during the evening
 His mother put him to bed., and made some chamomile tea,

 

and she gave a dose of it to Peter!
‘One tablespoon to be taken at bedtime’ 

 

夜間、気分の優れないピーターをお母さんはベッドに入れ、カモミールティーを作って「寝る前に一匙飲むのよ」と飲ませました。

 

 カモミールティーってどんなものだろう・・・と思ったのが、きっかけです。

 

花から水蒸気蒸溜で精油を採り、カモマイル配合の化粧品にも配合されたり、アロマセラピーでも利用されています。

 

カミツレの精油は青リンゴに似た香りが安全、効果的といわれますが、ティーでアナフィラキシィー反応での死亡例もありますので、キク科にアレルギーのある方は飲用しないでください。

 本種には、抗潰瘍作用はないので、多く服用すると胃の筋肉を弱めることがあります。また子宮収縮作用があるので、妊娠中は用量を守り、精油は使わないでください。「メディカルハーブ安全性ハンドブック」では、ドイツ認定基準には、“浸剤は目の近くで使ってはならない”と製品表示を義務づけていると載っていますので、使用にはお気をつけください。

 

●ローマンカミツレ

 こちらのローマンカミツレは多年草で、学名からアンセミスと呼ばれています。 本に依ってはペレニアルカモマイルと記載されているでしょう。薬効は、ジャーマン、ローマン共に同じように用いられます。
 茎は直立せず這うように伸びます。開花期は夏で茎の先端に白い花をつけますが、花付きはよくありません。この2種は形態、成分とも大変よく似ていますが、分類上は別の属で別種です。花や葉はリンゴの香りがし「地上のリンゴ」と呼ばれます。また近くに生えている病んだ植物を治すことから「植物のお医者さん」ともいわれています。

 見分ける方法は、最盛期の花を縦に切ってみるとよくわかります。上の画像、花床部分の断面図をご覧下さい。ジャーマンは花床が中空ですが、ローマンは中空にはなっていません。

園芸種には八重咲きのダブルフラワーカモマイルA. nobilis 'Flora Pleno'や芝生として利用されるノンフラワーカモマイルA. nobilis 'Treneague'、黄色の染料として用いられるダイヤーズカモマイルA.. tinctoriaがあります。

学  名: ジャーマンカミツレ⇒Matricaria chamomilla
          ローマンカモマイル⇒Anthemis nobike
科  名: ジャーマンカミツレ⇒キク科 シカギク属
          ローマンカミツレ⇒キク科  ローマカミツレ属
生 薬 名:カミツレ

利用部位:頭花⇒開花時に頭花を採種し、日干しします。
       (採取時期は、 双方とも、花の中心部の黄色が鮮やかで、舌状花がシャントしているときに採取します。)

利 用 法: どちらも同じように用いられます。
      浸剤⇒食欲不振、消化不良、過敏性台帳症候群に、マウスウォッシュ、吐き気に。
           ローマンのティーは苦味があります。
          使用後の出がらしはガーゼに包んでハップに使えます。
      吸入剤⇒ボウルに茶匙2の花を入れ、熱湯を注ぎ蒸気を吸引します
          鼻カタル、喘息、百日咳に。

          (夜間は、お湯に精油2,3滴入れて寝室に置いておくとよい)
      チンキ⇒不眠、緊張
      軟膏⇒虫さされ、傷、痒みのある湿疹に。
      精油⇒ローション、吸入剤
      注意)妊娠中は。子宮収縮作用があるので精油は使わないこと。

   ご参考までにカモマイルの水蒸気蒸留実験を載せます。精油の色にご注目。