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草の名

私が栽培している薬草や、道端の草でセルフメディケーションにも使える類の植物を紹介してゆきます。

ナツズイセン開花中

2016年07月25日 | 薬草・雑草

  園の奥まった所にあるユズリハの手前でナツズイセンLycoris squamigeraが咲き始めています。

 春に、スイセンの葉を大きくしたような葉を伸ばしますが、夏になるとは葉は枯れます。葉の枯れた後、花茎を50~60cmほど伸ばし、淡紅紫色の反り返った大きな花を、数個つけますが、緑の中にすっくと立っているのは実に存在感があります。 

                                                                             名前にスイセンとついてはいますが、スイセンの仲間ではなく、秋に咲くヒガンバナやキツネノカミソリの仲間、ヒガンバナ科ヒガンバナ属で、有毒植物です。根ではなく 鱗茎となっています。これは肥大した葉が重なりあって球状になり、その表面を薄皮で覆われている状態をいいます。(スイセンやチューリップの球根のような状態)

 開花時に葉がないので、別名ハダカユリとも呼ばれます。英名ではマジック リリー Magic Lilyというそうですが、葉が枯れて何もない所から花茎が伸びて大きな花を咲かせる様が、まるで手品か魔法の様だというのでしょうか。 

 本州、四国、九州で各地の山野に野生化していますが、普通は鑑賞用として栽培される多年草です。古い時代に中国から渡来したナツズイセンの原種に、同じ仲間が自然交配してできた雑種といわれています。                                        市販されている中国原産のリコリス・スプレンゲリーやリコリス・インカルナタなどは、ナツズイセンによく似ていますから、これらが自然交配したと云われればそうだろうなと思えます。  

 1960年代に、ヨーロッパ南部原産のスノードロップの一種から、成分のアルカロイドのガランタミンが発見されたことで、日本のヒガンバナ科の一群が研究対象になりました。研究の結果、ナツズイセンやショウキラン(ショウキズイセンの別名)の鱗茎にも含まれていることが判り、薬用植物に加えられました。

ナツズイセンは、鱗茎を用い、生薬名は鹿葱(ろくそう)といいます。             現在、ガランタミン製剤は、小児麻痺後遺症の治療薬やアルツハイマー型認知症の症状の進行を抑制する薬として知られています。 

有毒植物も使い方によっては薬になります。毒も薬も紙一重なのですね。


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