花が実へ 化身なしゆく桜桃に 声をかけをり 落ちず熟れよと
ついこの前まで花盛りだったサクランボでした。休み明けに見るともう小さな果実となっていました。思わず「落ちないで頑張ってね」と声をかけていました。
サクランボばかりではありません。
冬に花の盛りだったビワ、二週間前には開花中だったテンチャも、花後間もなく果実がつきます。
果実にはそれぞれの味がありますが、一番甘いのはテンチャ。
花が咲いて実がつくのは、何の不思議はないのですが、何故か感動します。
花が実へ 化身なしゆく桜桃に 声をかけをり 落ちず熟れよと
ついこの前まで花盛りだったサクランボでした。休み明けに見るともう小さな果実となっていました。思わず「落ちないで頑張ってね」と声をかけていました。
サクランボばかりではありません。
冬に花の盛りだったビワ、二週間前には開花中だったテンチャも、花後間もなく果実がつきます。
果実にはそれぞれの味がありますが、一番甘いのはテンチャ。
花が咲いて実がつくのは、何の不思議はないのですが、何故か感動します。
このところの暖かさで、 “どっこい生きてるよ~”とばかりにクマガイソウの植え付け場所にノビルが伸び始めました。クマガイソウは職員の方が、知人から貰い受けたと持ち込まれたものです。大抵は竹林に生えているのですが、竹のある場所は構内でも外れにあるため、それに変わる場所として探し、園の端にある生け垣の下に決めました。
貴重な植物だからちゃんと栽培しなくては・・・と思い、植え場所には気をつけて木蔭を探して植えたのですが、辺りには無かったはずのノビルAllium macrostemonが、よりによって其の場所にも生えてきたのです。
これは一大事とばかりに、覆っている土を取り除いてノビルを取り除こうとすると、クマガイソウの根茎や動き始めているだろう新芽を傷つけそうで、思い切った作業は出来ません。 半日、ノビルと格闘していて、ふと“そう云えばノビルの花をみたことがないなぁ”と気がつきました。
園内至る所にノビルは生えています。 春になると味噌和えにして食べる為、掘り採っています。
柔らかいうちは、食用にしますが、5月頃になると葉は硬くなるので見向きもせず、草刈り機での草刈りに任せていたのです。
丁度その頃は、浅深色の茎を1本伸ばして花をつける時期なので、意識して花を観ようと思わない限り、見ることは出来なかったのです。他所の道端や野では、花をつけたのもあったでしょうに・・・・・
まさに“心ここに在らざれば視れども見えず”だったのです。
(花の写真がないので、北隆館刊「牧野和漢薬壮大図鑑の挿絵を拝借しました。)
科名から、花の姿は想像できますが、調べてみるとノビルは、花茎の先に花穂をつけ、咲いた花は、2mmほどの花柄をだし、6枚の花被は白っぽい淡紫色を帯びているそうですが、花は一部しか開かず、ほとんどがムカゴになるそうです。秋になるとムカゴが自然に落ちて発芽して拡がるのだそうです。 “よぉ~し、今年はノビルの花を見てみるぞ!!”
ノビルは地下に球形か広卵形の白い鱗茎があって、これが多数分割して繁茂 する厄介な植物です。
地中でこんなに小さいときから、分割する兆しは既に出来ているのです。ムカゴや分割の作戦を使われるのですから、雑草として駆除しようとしても、至底取り除くことは適いません。
薬用として用いるのは、鱗茎で、生薬名は山蒜(さんさん)といいます。 利用法は、春から初夏にかけて地下の鱗茎を掘り採って外皮とヒゲ根を取り除き、水洗いしてから随時用います。成分は不明ですが、強壮、鎮痙、鎮咳、生理不順などに用いられます。又毒虫に挿されたときや腫れ物にも用いられます。食用としては、生食か軽く茹でて“ぬた”にしたり、また焼酎に漬けて薬用酒としても用いられています。 蒜とはにんにくのことですが、ニンニクは古代から栽培されていましたので、野には生えていません。ノビルの鱗茎を噛むと、ヒリヒリと口の中を刺激するので、野に生えたニンニクに似たものということが、名の由来なのでしょう。
ノビルは、古代から美味しい食材とされていたと思えます。 『古事記』人代篇・その五に、 「その折に、大君(応神天皇)は歌を歌うた。 いざ子ども のびるつみに ひるつみに わがゆく道の ・・・」 という記述があります。これは“さぁ子供達よ、ノビルを摘みに行こう。私が歩く道には・・・”という意味で、食材であるノビルの草摘みが愉しみだった“のだろうと思えます。
又『万葉集』巻十六-3829には、 「醤(ひし)酢(はす)に蒜(ひる)搗(つ)き合てて鯛願ふ 吾にな見えそ水(み)葱(なぎ)の羮(あつもの)」 という歌が載っています。 これは、“醤酢(醤と酢を合わせた調味料のこと)を使ってノビルを和え物にし、なお鯛が欲しいと思っている私に、水葱(水草のこと)の吸い物のような不味いものをみせてくれるな”という意味でしょう。
このように『古事記』や『万葉集』等に記述されているところから、古代では植物がどのように扱われていたのかを推察するのです。
そのことから、現在はあまり用いられないノビルですが、“美味しい食材となり得る”・・・と私は思うのです。 “鰹のたたき”の薬味にノビルを使ってみましたが、生姜、ネギやニンニクの薬味とはちがった美味しさがありましたよ。 ノビルはもう暫くが食べ頃です。お酒のお供には,最高ですよ~ 是非一度お試しあれ!!
明後日からもう3月。日だまりの中、オオイヌノフグリ、ハコベ、ヒメオドリコソウややホトケノザなどがポツポツと花をつけ始めています。
これらの他に、オオイヌノフグリによく似た形態のフラサバソウも園内にはあちこちで蔓延っていますが、このフラサバソウはあまりみかけない珍しい草です。 フラサバソウって聞いたことがないけれど、どんなの?と思われることでしょう。
フラサバソウ Veronica hederaefolia はヨーロッパ原産、オオイヌノフグリ Veronica persica と同じ仲間で、同じように茎は倒れて拡がりますが、全体に柔毛があり、花は青色の4~5mm程の、ほとんど目立たない草です。よく見ると花の形はイヌノフグリやオイヌノフグリと同じなので、クワガタソウ属と分かります。
これらはゴマノハグサ科でしたが、2009年に『被子植物分類表』が公表され、このAPG分類体系では、従来の分類と根本的に異なった分類法のため、現在ではオオバコ科とされています。
従来は、“目に見える外部形態に基づいた類似形態的分類体系”でしたが、新しい分類では、“目に見えない遺伝子情報に基づいた系統発生的分類体系”なので、植物に関わる者としては頭の中は大混乱しています。上記のクワガタソウ(写真)を知っていれば、似た形のイヌノフグ,オオイヌノフグリは同じ仲間だと見当づけられましたが、遺伝子云々では,どうも分かり難いのです。 しかし今後植物園でも新しい分類法の表記に移っていくのだうと思うと、覚えるしかないのか・・・と嘆息しています。
20年ほど前、小石川植物園で、オオイヌノフグリに似ているのに花色の白い、明らかに別種と思えるものを初めて目にしました。調べると本に載っているフラサバソウに形態はそっくりだったので、フラサバソウの白花だと思い込んで、大発見したような気になっていました。ところが、その後勤めた東邦大学の薬用植物園では、形態の似ている青花のものが至ることに生えていました。それこそが本に載っていたフラサバソウだったのです。そのうえ、“白花のフラサバソウ”と思い込んでいたものもあったのです。
それではあの白花は、一体何なのかしら・・・と気になりだしたのですが、当時の本では,見つけることができず、不明のままでした。ところが2010年発行の『日本帰化植物写真図鑑 第二巻』に記載されいて、「コゴメイヌノフグリ」という名前を持っていると漸く分かり、めでたしめでたし。
日本では、1960年から小石川植物園で栽培され、10年程で園内に拡がり、これが逸出して東京都内に野生化したそうですが、まだあまり広がっていいないのか、街中では見かけません。
園には、このように珍しいフラサバソウやコゴメイヌノフグリが、何故か生えているのです。 「これは薬用ではないから、雑草よネ」と一口に片付けないで、ちょっと立ち止まって眺めてみて下さい
植物って、いざ探そうと思っても、なかなか出遭えないものですから。
20年ほど前、小石川植物園で、オオイヌノフグリに
塵の集積場に使い古した手動ドリルが捨ててあるのを見つけ、これはまだ使える!!と拾っておいた手動のドリル。
以前、厨房から出されたと思える2升も入りそうな大きな“飯台”を見つけていたので、そのドリルを見て、これを使えば、“あの飯台を植木鉢として使える!、底の穴を開けるのに丁度よい”と閃いたわけです。
私にとっては願ってもない穿孔機です。
早速試作に取りかかりましたが、初めのうちは思うように進まなかったのが、二つ目からは難なく穴を開けられ、思い通りに植木鉢として使えるようになり大満足でした。
深さが30cmほどなので余り根の張らないキンセンカを植えることにしました。
如何でしょうか。今風なおしゃれなテラコッタ鉢でなくても、用は足せそうですよね。
“モッタイナイ””の精神でもう一つ作って、挿し木の養生鉢としても使っています。
植えたのはキンセンカ、トウキンセンカ)Calendula officinalisです。キク科キンセンカ属の一年草です。
キンセンカって仏花じゃぁないの?と言われそうですが、キンセンカもれっきとしたメディカルハーブなのです。 仏前や墓前の花として使われているので、いかにも日本の植物と思われがちですが、原産地は地中海沿岸、ヨーロッパです。日本には、江戸時代に中国から渡来したそうで、中国名の「金盞花」の《盞》には盃の意味があり、花の色と形を「金の盃」に見立てて、そのままに日本語読みしたと思われます。
ハーブ名はカレンヂュラ、英名をポットマリーゴールドというので、名前にマリーゴールドとついているためかコンパニオンプランツとしてのフレンチマリーゴールドなどと間違えられやすいのですが、同じキク科でも当キンセンカはキンセンカ属で、マリーゴールドはコウオウソウ属なので、属が異なるので別種なのです。
キンセンカの詳細はこちらをご覧ください。
新年を迎えて早一週間が経ちました。
草取りをしていて、目を凝らせば、昨年植えた一本のクラリーセージからこぼれ種で小さな芽が6本、隣のルッコラの仲間のセルバチコにも5本ばかり発芽しています。
蹲り我が見つついる寒土に こぼれ種の芽の愛おしきかな・・・寒に入ったばかりなのに春を心待ちしています。
昨年末、新しい一輪車を購入して貰いました。
今度は一輪車ではなくて、四輪車です。一輪の手押し車は、バランスを取るのに苦労したのですが、 今度は押すのではなく、引いて動かします。方向転換も楽々と動かせます。
おまけにダンプ機能が付いていて、荷台を上げて土を下ろせるので、余計な力は要らないし、何より安定しています。
刈り取った草を摘んで,朽ちるのを待って、その上に腐葉土や土を積み、築山風に造ろうと思っていたので、四輪車を使って、早速取りかかりました。何であれ新品は気持ちが良いですねぇ。構内を巡って石や土留めになるような倒木や朽ち木を拾い集め、配置してみたら、一応それらしい原型を造ることが出来ました。
未だ未だ築山というにはほど遠く、土を20袋ほど載せなくては植え付けは出来ません。 小高くして下向きに花をつけるクリスマスローズを植えれば、花を見やすいかなと思案中です。
裏庭に大きな切り株があったので、それも円に置きました。今までは腰を下ろす場所もなかったので、これは椅子に・・・と思いついたのです。腰を下ろしてゆっくり園内を見ていただける、ちょっとした椅子になったと 自画自賛しています。 構内には、大きな切り株がいくつもあります。それらを使えば園内にベンチにもなるのではないかしらと思っています。 今年は一休みしながら、植物たちを眺めて貰えるようにしたいと思っています。
クリスマスローズと呼ばれるているのは、12月クリスマスの頃から2月頃に咲く花色が白のクリスマスローズHelleborus nigaerと、3月頃から咲き始める花色が多く草丈の高いレンテンローズ(別名を春咲きクリスマスローズ)Helleborus orientalisやコダチクリスマスローズHelleborus foetidus, Helleborus viridisがありますが、一般にはひっくるめてクリスマスローズと呼ばれています。
Helleborusは、ギリシャ語で“殺す”という語のHeleninと“食べ物”を示すBoraとの合成語だそうですが、花のイメージとは全く違いますね。
有毒ではあっても,成分の強心配糖体やサポニン配糖体は薬用として用いられています。しかしその量は難しく素人は扱うことは出来ません。
観賞用として栽培しているものの中にも、私達は知らずして有毒植物を手にしていますが、有毒であることは頭に入れておいてください。 (取り扱った手で皮膚に触ると皮膚炎を起こすこともあり口にすると死に至ることもありますので、取り扱いにはくれぐれも注意してください。)