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草の名

私が栽培している薬草や、道端の草でセルフメディケーションにも使える類の植物を紹介してゆきます。

ツノゴマ-若い果実のピクルス

2018年08月30日 | 薬草・雑草

 私は、ツノゴマ類ではキバナノツノゴマ Ibicella lutea しか見たことがないので、昨日は東京都の薬用植物園へ、開花中の Proboscidea Louisiana を撮影するために行ってきました。多くの花好きの方が撮影に懸命でした。私が果実を下からのぞき込んで撮っていると、何を撮っているのかと訊かれたので、果実のことを話すと、「実がつくなんて知らなかったので、花だけ撮ればいいと思っていたわ」と、戻ってこられた方もありました。

 

 これがキバナツノゴマの近縁種 Proboscidea Louisiana です。キバナツノゴマの花とそっくりさんのようでいて違っています。キバナツノゴマの臭いを、腐敗臭・・・と私が言ったら、来園者の男性は「濡れ雑巾の生乾きの臭さ」と表現されましたが、言い得て妙でした。

この Proboscidea Louisiana の臭さは気になりませんでしたし、粘液のべたつきも少ないようでした。果実の付き方も交互についているのはIbicella lutea ですが、Proboscidea Louisiana の方は、並列して果実が付いています。似てはいても別の種だとよく分かりました。

やはり、百聞は一見に及かずなのですね。

 若い果実をピクルスにすれば二種の違いがもう少し分かるかもしれない・・・と思っても、手頃な大きさの果実がついているのに、まさか職員さんに「これ、ください」とは言えないので、後ろ髪を引かれる思いで、帰宅。職場から持ち帰ったキバナツノゴマで試作にとり掛かりました。

 ■キバナツノゴマの若い果実のピクルス■

粘液を洗い流してから熱湯にくぐらせ、20数えてから引き上げ、すぐ冷水に浸けます。

冷めたらへたを取り除きますが、アクが強いのか、直ぐ茶色く変色し始めました。

 ピクルス液は、横着して市販のを使いました。香りづけにクローブ少々を加え、2時間ほどで漬かり具合はOK。食べ頃でした。

試したことのある人の評では、とてつもなく苦い・・・そうでしたが、口にしたときより、食べ終えてからチョッピリ苦味を感じはじめた程度でした。熱湯にくぐらせたから、苦味が少なくなったのかもしれません。私はアケビの蔓先をお浸しでよく食しますから、苦味には相当強いのかもしれません。

 美味しくて美味しくてと言うほどではありませんでしたが、ピクルスは日本食では “ラッキョウ" や “ハジカミ" のような物、即ちお漬け物です。洋風お漬け物とはいえ、そんなにバリバリ食べるものではないでしょうから、まぁ “ツノゴマのピクルス" も目先が変わって箸が進むと言えるでしょう。 

とはいえ、ツノゴマの若い果実は市販されていないので、お試しになって・・・とはいえないわねぇ。

 

 


キバナツノゴマ

2018年08月26日 | 薬草・雑草

  

 初めてこの植物を見たのは、今から20数年前でした。東邦大学、ハーブ園の一隅に何株も生えていました。花の時期はゴマの花に似た大型の花・・・と思えたのです。実りつつある果実は、柔らかい産毛の緑色をしていましたが、次第に大きく生り果実が硬くなったのを見て驚きました。

            

 しかし驚くのはまだまだ早かったようで、果実が完熟し一皮むけて出てきた黒いトゲトゲの姿を見て仰天したものです。上の画像がその果実の一皮剥けた「悪魔の爪」と呼ばれる物だったのです。

 植物名はキバナツノゴマ。学名は Proboscidea louisianica  (シノニムではIbicella Lutea) 原産地は北米南部からメキシコにかけてです。日本では1962年に三重県で見出されました。夏に黄色い花を咲かせるツノゴマ科の一年性植物で、最近 “食虫植物” と認められました。茎や葉の全体が柔毛で覆われており、粘液を分泌し、絡みついた虫を消化吸収するのだそうです。分泌物の所為か、全草が腐敗臭の臭いがしますが、虫を呼ぶためなのでしょう。食虫植物と云えば、ウツボカズラやハエトリグサを思い浮かべますが、それらとは異なったタイプの食虫植物です。 

  昨年、東邦大の圃場、八千代薬草園からポッド(莢・・・「悪魔の爪」と呼ばれる部分)を一つ貰って当園でも種を蒔いてみました。ポッドは大層硬く、こじ開けるのは大変でしたがどうにか種を取り出せ、中の一つが無事発芽し、どんどん生長しました。

 今年も一株ですが、成育中です。 花が咲いたと思ったら、もう緑色の果実が実っています。果実の小さい中は柔らかいので、食用になり、ピクルスに出来るそうですから一度試してみようと思っていますが、あの臭いはどうも苦手で、未だ実行したことはありません。試した人の話では、食感はオクラに似ているが苦みが強いとのことです。

 花後に実る果実は緑色で、一本の角のある形をしています。英名では、悪魔の爪(devil”s claw)、悪魔の角(devil”s horn)、一角獣植物(unicorn plant)などと呼ばれます。

                 

 株はどんどん拡がり、雑草化します。緑の果実は乾燥すると硬くなり表皮は剥がれて、黒いトゲのあるポッドになります。上の写真の姿になります。昔は雑草化した果実を踏んで怪我をしたそうで別名を「タビビトナカセ」とも呼ばれます。足元に絡まると取り外すのは容易ではありません。人間からすれば、厄介な植物ですが、自分の子孫を残そうとする植物の知恵から、こうした形をとったのでしょう。

キバナツノゴマには、薬効はありませんが、 成熟果実からは繊維がとれ、アメリカインディアンはその繊維を利用して篭などを編むそうですが、硬いポッドのどこに繊維があるのか、想像すら出来ません。成熟果実ではなく、蔓の部分のことではないかと思えます。単に珍しくて、果実の姿に興味を注がれ、食用にもなるという事で栽培されているのでし

果実が大きくならないうちに、食べてみなくては!! チョット勇気が要りますけれど・・・・・。

 

■薬効のある近縁種・ライオンゴロシ■                                                        英名では、悪魔の爪(devil”s claw)と呼ばれるキバナツノゴマですが、薬効はありません。

 近縁種のライオンゴロシ、こちらは、本家本元の悪魔の爪(devil”s claw)です。                        アフリカ南西部原産の Harpagophytum procumbens には薬効があり、「デビルズクロ-」(悪魔の爪)という名前で医療用に用いられています。

 何とかしてライオンゴロシの実物を見たいと思いましたが、栽培している植物園は見つかりませんでした。ところが[学芸員の独り言]というブログで、ご自分で栽培されたライオンゴロシの画像を見つけました。伊豆熱川バナナワニ園の学芸員の方のブログでした。

上の画像は、伊豆熱川バナナワニ園、学芸員 清水 秀男氏提供です。詳しくはこちらをご覧下さい。

ピンクの可愛い花から、こんなにも禍々しいポッドになるとは!!  発芽が大変難しいとのことで、その後は栽培されていない由、真に残念です。

 アフリカのブッシュマンであるホッテントット族やバンツー族はデビルズクローを苦味強壮剤として消化不良などに用いてきたそうです。デビルズクローがヨーロッパの植物療法に紹介されたのは1950年代の初頭で、リウマチや関節炎に対する消炎剤として用いられ、デビルズクローの消炎・鎮痛成分としてはイリドイド配糖体に属するハルパゴシドが同定されているそうです。

  薬用部位は塊茎で、リウマチ・関節炎や運動器官の退行性疾患に適用しており、特に慢性関節リウマチや骨関節症、腱炎、高脂血症を伴う高齢者に好適であり、心臓病の治療にも効用がある とされているようです。

 カットしてある“デビルスクロ-"が市販されているので(100g 1400~1500円位)、それを購入して、膝の痛みにチンキや軟膏を作ってみようと考えています。先ずはウオッカ(40度)に2週間ほどつけ込まなくてはなりません。

効果の程は、乞うご期待。


テッポウユリ ・ タカサゴユリ ・ シンテッポウユリ

2018年08月09日 | 薬草・雑草

 早朝ウォーキングの二人連れが,咲いているユリを見ながら、会話していました。「あの白いのはテッポウユリよね」と一人が言えば、相方は「近頃のテッポウユリには赤い筋のもあるわねぇ。新種なのかしら」云々かんぬん。 

初めて遭った方達でしたが、聞こえたからには “赤い筋が入っているのは、タカサゴユリですよ~。" とお教えしたかったのですが、余計なことは言うまいと思い、そのまま聞こえなかったかのような顔をして暫く、前後に並んで歩いていました。 

すると、「赤い線があろうと無かろうと、ユリはユリよ~」と言う一人の言葉に「そうよねぇ。ユリでいいのよねぇ」と応えて、その話は終わって次の話題へ。同じに見える植物の、あれとこれはどこが違うのだろうと、いつも比較したくなる性癖のある私からすれば、直(すなお)に「そうね、ユリでいいわよ」とは思えず、我ながら困った性分だと苦笑しました。 苦笑しながら、あまり興味のない人にとっては、「ユリという大きな括りでいいのかもしれない。」と妙に納得したのです。 

この話をご近所のYさんに話すと、「トルコのガイドさんに“日本の人は、あの花の名前は?、この花の名前は?"と度々訊かれますが、トルコではバラとチュ-リップ以外はひっくるめて花と云います」と言われた・・・とYさんは話されました。

 しかし私自身としては、ユリはユリでも、いろいろあるのだから、やはり違いは知っておくにこしたことはないと思い、暑さをものともせず、附近のユリを撮りに廻ったのですが、会話に出ていたテッポウユリの開花期は5~6月で、既に終わっており、残念無念。

 テッポウユリは、6月撮影の画像の中にあったはず・・・、今度はパソコンの中を駆け回り、漸く見つけてヤレヤレでした。拘りを持つのは結構しんどいです。ウォ-キングのお二人やトルコの人のような考え方の方が、楽な生き方が出来るかもしれません。

 ■テッポウユリ Lilium longiflorum に話を戻しましょう。

                                     

 テッポウユリは、日本固有のユリとして知られています。ラッパに似た花を横向きに咲かせますが、自生地によりかなり変化が多く葉姿や花の咲き方が微妙に違います。切り花用として出回っているテッポウユリは、“ひのもと”という品種です。            

  明治時代には海外へ輸出され、他の種類と交雑しやすいことから、多くの品種が作られています。「百合の女王」として人気の高い“カサブランカ”は、日本の百合の原種数種をもとに作られた園芸品種です。“イースターリリー”と呼ばれる香りの強い大きなトランペット状の白い花を咲かせる品種は、テッポウユリ・タカサゴユリなどをもとに作られた園芸品種です。

  百合の原種は世界に約100種あるそうですが、その中で日本原産のものは15種類、そのうちヤマユリ、ササユリ、オトメユリ、テッポウユリ、カノコユリ、サクユリ、タモトユリ、ウケユリの8種類が日本の固有種です。近年出回っている人気の高い百合の園芸品種の大部分は、日本の百合を使って作られていますが、百合の品種改良について、日本は海外に大きく後れを取っていて、ほとんどが外国で行われてるそうです。ちょっと口惜しい気がしますねぇ。

テッポウユリの特徴 ⇒ 高さ50~100センチの多年草で、茎は直立、葉は柄がなく、長さ10~15センチ、幅1~1,5センチの表面に光沢がある披針形の葉は互生します。花は、6月~7月、白色で花筒が長く花被片の先端が反り返る花を咲かせます。6本の雄しべは黄色で、花被より短く雌しべの先端の柱頭は丸く3裂しています。花後、果実は5~6cmの長楕円形筒状の蒴果を結びます。

利用⇒食用に。10~11月頃、地下の鱗茎を掘り採り、水洗いg後、熱湯をかけて殻天日で乾燥させた物を、生薬では百合(ひゃくごう)と呼びます。鱗茎は苦味が強いのですが、昔から食用としていました。

薬効 ⇒ 打撲に(沖縄地方の民間療法)生の鱗茎を砕いて潰し、食酢を加えてつき砕いてから木綿の袋に入れて、其れを患部に湿布するように当てます。 

 ■タカサゴユリ Lilium formosanu 

                                             

 台湾原産のユリで、帰化植物です。鑑賞用として大正時代に導入され、現在では各地で野生化しています。テッポウユリに似ていますが、茎は太めで丈も高くなります。テッポウユリより大型になり、葉が細く、花被の外面には赤紫色の線が入っているのが特徴です。自然状態で、種子から2,3年で開花します。初年度は茎や花を出さずに数枚の葉を出すだけで球根を太らせ、球根が充分太ると翌年度以降に茎を伸ばして大型の花をいくつも咲かせます。その場所の日当たり具合により球根の太り方に差があり、球根の状態により茎丈や花の数などに差が生じます。芳香があり、高さは60cm程です。変種は3種類あるそうで、花の大きさ、葉の長さ、葉の中脈の有無などに違いがあるようです。

  ■シンテッポウユリ Lilium formosanum x Lilium longiflorum  

                     

 

  シンテッポウユリは、1951年に日本でつくられた園芸品種です。自然交雑もおきやすいようで、交雑を繰り返し、花被片は外面が紫赤色を帯びない純白色のものが多く、今ではテッポウユリと見分けがつかなくなっています。蒴果や種子もタカサゴユリとよく似ています。種子繁殖力が強く、播種後8~10ヶ月で開花し、増殖します。

花卉を扱う市場の方のコメントにシンテッポウユリの香りについて、「蕾の開きと上向き性に優れ、さらには香りの良さも魅力の一つで、他品種に比べ柑橘系(ミカンの皮)の香りが強めです。最も香りが強まる深夜には、スイセンに似た深い香りに柑橘系の爽やかな香りが混ざります。オリエンタル百合のような独特のクセがない為、仏花としてではなく芳香花として玄関先で楽しむこともできます。」とあります。

 そのうち、シンテッポウユリがユリ界を席巻するかもしれませんね。

注)百合根として食用になるのは、ヤマユリ、オニユリ、コオニユリ、カノコユリです


アキノノゲシ

2018年08月07日 | 薬草・雑草

キカラスウリの情報を草友から貰い、植物探索に出かけました。目指す場所へは、自宅からバスを乗り継いでいきます。

“バス停の近くにある橋を渡って直ぐ右へ折れるという漠然とした情報。今はそれに縋るしかないので、目を皿のようにして左右に眼を配りながら草叢を進むと迎えてくれたのは、休耕地の一隅に並んだ、アキノノゲシの一群。直ぐ傍にはオニノノゲシの一群も。

残念ながらキカラスウリは、見つかりませんでした。

 「アキノノゲシも食べることが出来る」と教わったのを思い出して、早速摘み始めました。未だ柔らかい新芽の部分だけです。先年からハルノノゲシは度々食していましたが、アキノノゲシは硬いだろうと思い込んでいたので見向きもしなかったのです。一度試してみようと、袋一杯のアキノノゲシを持ち帰り、早速お浸しにしてみると、なんとハルノノゲシに負けない “かてものになりました。名前には○○ケシとケシがつきますが、ケシの仲間ではありませんのでご安心ください。ノゲシは、東南アジア原産の植物ですが、稲作と共に日本に渡来した史前帰化植物とされています。

 只一つの難点がありました。摘むのに夢中だったので気がつかなかったのですが、どうも手がべたべたする・・・、掌をよく見れば、茶色のシミのようなのが幾つもできていたのです。草の切り口をよく観れば、白い液がでています。これが手についてべたべたしていたのです。

 センニンソウの葉で火膨れになったときとは違って、痛くも痒くもないけれど、どうも色変わりしたのが気色悪いばかりでした。

 手折ると白い液を出す植物は、たくさんあります。アキノノゲシと同じ仲間のレタスもそうです。トウダイグサ科の仲間も白い液を出します。タンポポ、イチジクやパパイヤもそうです。白い乳状の液はゴム質(ラテックスというそうです)を含んでいるそうですから手につくとべたべたするのでしょう。

 植物にとっては、折られた傷口から細菌やカビの進入を防ぐのでしょうか。それとも他の動物や人間に、根こそぎ食べられたり採られたりしないための自衛手段なのでしょうか。

私には、身動きのとれない植物の、ささやかな抵抗手段だと思えてなりません。どんな抵抗に遭ったとしても、「当世のかてもの」に、アキノノゲシも加えたいと思います。ホウレンソウなどにはない苦みが後を引きますよ。

因みに花の違いと、オニノノゲシも載せておきます。

これは ↓ オニノノゲシ。葉を見ただけで、口の中が痛くなりそうなので、試してみようとは思えませんでした。オニノノゲシはヨーロッパ原産、日本へは1892年(明治25年)東京で見出され、今では全国で普通にいられます。

なにはともあれ、アキノノゲシのお浸し、一度お試しください。