JASS事務所ブログ

JASS事務所のスタッフがつづる事務所ブログ。業務以外に千代田区のこと、身近なこと、綴っていきます。

「初の世界ろう者会議参加は刺激がいっぱい!」

2023-09-13 10:31:07 | 国際関係

世界ろう連盟が主催し、4年に1度開催される「世界ろう者会議」。第19回目の開催となる今年は7月11日から5日間、韓国の済州 (Jeju/チェジュ) 島で開催。参加されたSYさんからご寄稿いただきました。ワクワク感が伝わってきますね! ご寄稿ありがとうございました。

第19回世界ろう者会議(韓国)のHPはこちらhttps://www.2023wfdjeju.com/en/home/
(寄稿:国際手話中級コースⅡ受講生 SYさん)



(写真左/WFD参加時に配られたエコバッグ、タグ、パンフレット、メモ帳)(写真右/販売されていた韓国手話シール)


  会場のConvention Center
私にとって、人生初のWFD会議参加! 当初、主人の韓国出張やチェジュ島に友人が引っ越した事も重なり決めたのですが、実際に参加してみると、今までにない貴重な経験や刺激沢山あり、大変感銘を受けました。

初日のregistrationとオープニングセレモニー、2日目、3日目のお昼まで参加しました。
オープニングセレモニーでは、世界中のろう者や手話通訳者達が、各国の言語(手話)を尊重しながら国際手話でやり取りをしていました。私も様々な国の人達と国際手話で通じ合えた時は、喜びでいっぱいになりました。日本から来たと伝えると、2025年東京開催予定のデフリンピックに行きたいという人達が大勢いて嬉しかったです。以前ワークショップで出会った海外の手話通訳士との再会も感動でした。会場内での待ち時間やブース内、ランチのオーダー時、分科会で隣になった人達と友達になり、今も時々ビデオ通話やチャットをしています。このような機会がなければ出会えなかった人達。
素敵な宝物(者)です!!


ワークショップは、私は主に日本人の講演と手話や教育について興味がありましたので、選んで参加させて頂きました。同じ時間に参加したい講演もありました。個人的にスペイン語が大好きなので、でスペインのろう者のことも知りたくて講演を見に行ったのですが、途中日本人の講演が重なってしまい、抜けなければならない場面もあり少し残念でした。


2日目の初めに、ウクライナ協会のイリーナ会長が、人道上の緊急事態及び危機における人権のご講演をされました。終わった後、日本ろうあ連盟理事長が、WFD理事長の立ち合いのもと、彼女に募金を手渡しました(上写真)。日本人として本当に嬉しかったです。

ご講演の内容は経験、体験談が多々あり、本当に戦争はあってはならない、同時にこのような事態になった場合、ろう者の人権や情報保障など切実な問題として考えさせられました。


日本人の講演はどれも印象に残り新たな発見がありましたが、私が一番胸に響いたのは、明晴学園の榧校長の講演です。 

「Deaf education of the Deaf, by the Deaf, for the Deaf: 15 years of Meisei Education」(ろう者の、ろう者による、ろう者のためのろう教育:明晴学園の15年)
子供達の個性や能力を見つけて伸ばすために、一人一人を尊重しながら教える姿勢やその懸命さに深く心を打たれました。講演直後に、明晴学園の生徒さんたちも壇上に上がって挨拶していましたので、私も思いっきり大きく手を振りました。 海外の方々も大きく拍手(手話)しており、会場が一つになった感じでした。(上写真)
演者各国の手話、国際手話、韓国手話と英語での音声付きでしたが、通訳者の迫力に圧倒され、内容が頭に入らず魅入ってしまうこともしばしば。国際手話の醍醐味を味わうことが出来たり、日本手話や韓国手話の共通表現を探したり、非常に充実した時間でした。
またWFD会議を通して、ろう文化、手話言語、人権、教育、人道的危機の場合の情報保障など、沢山の課題に直面していると改めて痛感しています。今回の参加によって、グローバルな視野を持ち、分かり合い受け止め合えるような「場」や「機会」を得ることが大切だと、身を持って感じました。より一層コミュニケーションが取れるよう、国際手話の習得に努めたいと思います。  
「一期一会」…、素敵な出会いとかけがえのない経験出来た、実りある楽しいひと時に感謝しています。

  懐かしのMichael前講師(左)と再会も(右から2人目がSYさん)


  済州 (Jeju/チェジュ) 島の韓国手話

(右利きの場合)右手で島の形を表現し、左手の手のひらを上向きに添えて波を表現します。(左右に揺らす)
日本の「島」の手話に似ていますね!
島の形、中指は、済州島の中央にそびえる一番(韓国でも一番)高い山、漢拏山(ハルラサン)。人差し指、薬指で周りに山が連なっているイメージ。
手話モデル:Vance Deatherage

 

 


座学+実践が大事ですね

2023-04-28 15:03:03 | 国際関係

日本ASL協会のスタッフから国際手話受講生向けにガイド依頼の打診があり、4月13日と14日の2日間、オーストラリア人ろう者をガイドさせていただきました。

初めは13日だけの予定でしたが、東京の複雑な交通機関に不安を感じておられていたので急遽14日もガイドすることになりました。
13日は浅草&両国周辺と東京駅丸の内駅舎、14日は「義」ラーメンとスカイツリーを案内しました。
ご高齢の方だったため、適度に休憩を取り入れながら、ゆっくり行動しました。黄砂の影響なのか、スカイツリー展望デッキから富士山が見えなくて残念でした。

↓ 東京駅で説明をする宮本一郎講師(右)とオーストラリアろう者(左)

東京駅で説明をする宮本一郎講師(右)とオーストラリアろう者(左)
オーストラリア手話、指文字の読み取りが難しかったですが、一緒にガイドを担当した方にたくさん助けられ、スマホの動画や写真、簡単な英単語の筆談をしながらコミュニケーションを取りました。2日間一緒にいるうちに話したい事が大体分かるようになって嬉しい気持ちになりました。

初めての外国人ろう者のガイドで、とても緊張しましたがいい経験になりました。国際手話を知らない外国人ろう者への対応の仕方、ガイドのやり方、説明のやり方等々、たくさん勉強になりました。座学だけじゃなくて、実践することが大事だなと改めて思いました。また機会がありましたら、お手伝いさせて頂きたいと思います。(Tera)


来日する外国ろう者が皆、国際手話を知っているわけではありません。自分が学んだ外国手話(ASLや国際手話)が通じないときにどうするか、工夫を繰り返すことで段々通じてきますね。ありがとうございました。(事務所)


8年ぶりのハワイとASL

2023-03-01 19:34:14 | ASLクラス

コロナ拡散以降、行けなかった海外への旅行も、日本政府の規制緩和、また、多くの国が団体観光客を受け入れ再開。行きやすくなりました。
受講生のMさんがハワイへ飛び、ASLで交流を実現させてきました!旅行と楽しそうなASL会話の様子が伝わってきます。ぜひお読みください。


私がASLを学ぶ目的は、ハワイにいる友人Aさんのパートナーと直接ASLで話をしたかったからです。Aさんとは30年くらい前に手話で情報交換する旅行グループで一緒でした。その後、Aさんはハワイの日系ろう男性と結婚し、現地に住んでいます。その後Aさんたちが日本に来たり、私たちがハワイに行ったりして交流してきました。私がAさんたちに最後に会ったのは8年前にハワイに行った時ですが、彼には日本の手話では通じずAさんにASLへ翻訳してもらっていました。それでASLを覚えたいと思ったのです。

今回、年末に家族4人と友人1人の合計5人でハワイに行きました。そしてAさんたちにも会うことができました。日常会話程度ですが、彼と直接ASLで話をすることができとても嬉しかったです。

「ワイキキは物価が高いから、そこのスーパーで水やビールを買った方が良い。」
「スタジアムではSWAPMEETINGをやっている。」
「初詣はあそこの神社に行く」
などとASLで教えてくれました。
パロロ本願寺での餅つきや、パンチボール(世界大戦で戦死した軍人のお墓)にも行って説明をしてくれました。
(展示している細かい内容は写真に撮ってグーグル翻訳を使いました。)



ハワイ旅行ですが、物価も高くなり、ランチは$10~20、ディナーだと$30以上かかります。($1=137円) チップの相場が18~20%になっていてびっくり。
ワイキキには丸亀製麺もあり、$6くらいなのでいつ行っても行列でした。無料のピンクトロリーを使ってアラモアナの近くにあるウォルマートやドンキホーテで食材を買い、朝食はコンドミニアムで自炊して節約しました。私は友人とゴルフ、家族はショッピングや食事を楽しみました。最終日はレンタカーを借りてオアフ島半周。ハワイの平等院で御朱印(写真上)をもらって除夜の鐘をつき、北部で人気のフミズシュリンプでランチ、マツモトシェイブアイスで3色かき氷も楽しみました。
今度Aさんたちが日本に来た時は、ASLで歌舞伎などを紹介したいと思っています。
(RM/上級ASL(土))


久しぶりの観光ガイド

2022-11-17 22:53:28 | 国際関係

10月に広島で行われた「2022ハンザクラスアジアパシフィックチャンピオンシップ」と「パラワールドセーリングチャンピオンシップハンザクラス」に、オーストラリアろう者チームが、英語/オースラン手話通訳を同行して出場されました。

レース終了後、広島、関西、愛知、東京と観光されるに伴い、観光ガイド依頼がありましたので、国際手話受講生たちに依頼したところ、愛知では27日、東京では28日、30日に受講生たちにガイドいただき、有意義な時間を過ごしたようです。ご寄稿いただきましたので、掲載いたします。
なお、レースの結果は5位でメダルはなし、とのこと。でも彼らが滞在している間はずっと秋晴れの日が続き、日本滞在を楽しんでくださったようでよかったです。


(東京初日の10月28日高輪ゲートウエイ駅にて)

先日、オーストラリア人ろう者による国際手話ワークショップを終え、軽い気持ちでお手伝いをさせて頂こうと事務局へ申し込みました。ちょうど私は東京シティガイドの実践研修を終えたばかりで、外でのガイドも可能となり何事も初心に帰ってチャレンジしてみたいと思いました。

私にとって海外ろう者をガイドしたのはこれが6回目で、オーストラリアは初めてと思います。さらに、コロナが始まってからは初めてで、だからこそ、刺激を受けるのも大きかったです。

オーストラリアご一行は、9名の団体でそのうち1名が車いすの方で、スロープの手配も全てがガイドの仕事と、教わった通りに行動しました。10月28日と30日の2日間、両日とも約8時間ガイドさせていただきました。28日は泉岳寺にて赤穂四十七義士墓の見学、30日は原宿、渋谷の観光でした。想定される質問、特に物の名前やこの像は何故有名なのかと、突然に聞かれても困らないように、準備をしておきました。国際手話でのガイドは久々で少し緊張しましたが、慣れないオースランの指文字に苦戦しつつも、皆さんに助けられながらスムーズにコミュニケーションを取れるようになった時はとても嬉しかったです。これからも積極的にお手伝いさせて頂きたいと思います。

(Saito)


Troy氏のサインはJASSの宝物

2022-03-30 10:35:15 | 日記・エッセイ・コラム

Congratulations To Troy Kotsur Winner of the Academy Award for Best Supporting Actor!
トロイ・コッツアーさん、アカデミー賞助演男優賞受賞、おめでとうございます!

さて、この記事のタイトル、え?!サイン持っているの?と思われたかもしれません。
実はTroy氏は日本に少なくとも2回来日したことがあり、ご縁があってJASSの事務所に来たことがあるのです!


今回は秘蔵写真を公開します!
1回目は2002年で『F.B.EYE 相棒犬リーと女性捜査官スーの感動!事件簿』(原題:『Sue Thomas:F.B.Eye』)の日本での放送PRのため主役のDeanne Brayさんがソニーピクチャーズエンターテインメントの招聘で来日され、Troy氏は同伴で来日されたようです。(お二人はご夫婦)

当協会での交流会は2002年1月8日に当時の事務所で行わわれました。受講生たちは20名ほどいたようです。Troy氏はカメラを持って入場。え、撮影係???
2つ目の全員集合の写真は、当時のJASS役員、スタッフたちと。ASL講師は後列右から2番目のShari Kido氏でした。

2回目は2004年、Deaf West Theaterによる『Big River』公演のために来日。彼はハックの父親役でした。

この公演では前役員の兒嶋留美子がASL/日本語音声の通訳を担当し、そのご縁でキャスト達が公演の合間を縫って当協会に来てくれたもので、Troy氏はその一人でした。
Troy氏がいらしたときは、ちょうどHalloweenでコスチュームを着た受講生たちが彼にサインをねだっている写真が残っています。
そして恒例の飲み会へ!🍺

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宝物です


デジタル化が奨励される昨今ですが、これだから紙媒体は捨てることができないなぁ。。。と思ったりしました。

『Big River』のパンフレットには、Alexandria Wailesさんのお名前も。映画『Coda コーダ あいのうた』でASL指導を担当された方で、彼女も来日されていたのだとわかりました。

早くコロナが落ち着いて、また来日してほしいなぁ。二回も来日したのだからきっと日本に興味あるのでしょうね!
今はオスカー俳優なので雲の上の人で会うことはかなわないかも

ろう者として初のアカデミー賞助演男優賞本当におめでとうございます!
これに続け!ですね!

たか記