ツチノコで頭がいっぱい

幼児期に目撃したツチノコにより、その存在を確信。35年間ツチノコ捕獲に情熱を注ぎ、今までに4度の目撃体験あり!。

【謎のツチノコ騒動/後編】

2008-06-16 13:09:45 | Weblog
【謎のツチノコ騒動/後編】

我々の出動と言っても物々しいものではない。未確認生物研究会の手嶋会長と私、それにTV番組製作会社ディレクターのH氏とカメラマンの計四人であった。この騒動の持ち上がる数ヶ月前、某テレビ番組でツチノコが扱われ、私はゲストとしてツチノコについて語った。それが縁でディレクターのH氏と懇意になった為、ご同道願ったのである。
既に岡山県吉井町のツチノコ騒動は報道されており、「ツチノコの死骸を掘り返した」という話は承知していた。だが、まさか現地に招かれるとは夢にも思っていなかった。しかも掘り返したツチノコらしき生物を検分することが、私と手嶋会長に課せられた務めとなってしまった。
我々ごとき在野の小規模団体が死骸検分の栄誉を仰せ付けられた裏には、岡山市在住でツチノコ研究家の滝沢博氏のご尽力があったからである。

岡山駅で滝沢氏と落ち合った我々は、滝沢氏の愛車に便乗して吉井町へ向かった。吉井町役場に着いて驚いたのは報道関係者の数であった。たかがツチノコの死骸にこれほどたくさんの取材陣が群がるとは、将に青天の霹靂であり異常事態であった。
私は吉井町へ赴く道々、掘り返されたツチノコの死骸についてアレコレ夢を膨らませていた。特に脊椎と鱗の大きさは最大の関心事であり、報道写真で見た限りでは腹板も確認できそうであった。

ツチノコと思しき生物の死骸は、大きな透明ケースの中に泥と一緒に保管されていて、しかもそのケースの中は腐敗を防ぐためホルマリンで満たされていた。
このホルマリン漬けの泥の中にツチノコの死骸が埋まっているのだが、その中から骨や皮を取り出す作業を、なぜか私が行うことになってしまった。
ホルマリンの発する強烈な臭いから鼻と目を守るためマスクとゴーグル、更には手術で使うようなゴム手袋を手渡された私は、当惑した面持ちで透明ケースと対峙した。会場は役場の会議室で三十畳ほどの広さが在り、その中央に置かれた作業台の上に透明ケースが置かれ、周囲は報道陣に取り囲まれている。
突然のご指名で緊張したが、ゴーグル、マスク、手袋を装着し、私は慎重にケースの中の泥に手を入れた。一瞬、ドロドロとした感触が手袋越しに伝わり、同時にホルマリンの臭いが鼻を突いた。そしてものの数秒後には、私の指先に骨の断片と思える固形物が触れた。想像以上に細かな骨の一部分だ。それをテーブルに広げられた大きな白紙の上に置いた。どうやら脊椎の一部のようである。
こんな作業を繰り返していると、かなり大きな骨が指先に触れた。掴み出してみると、それは二つの眼窩が開いていたので頭骨と分かった。それにしても小さい。小さすぎる!
私は頭骨を白紙の上に乗せると、顔を近づけまじまじと見つめた。鼻先から3cmほどで首と繋がり、幅は2cmほどであった。これではそこらのマムシや普通に見かけるヤマカガシ位のサイズである。そこで私は、他にも頭骨があるのではないかと考え、入念に透明容器の中を手で探った。しかし、それらしきものは遂に見つからなかったのである。
結局、私の探り出したものは、全長80cmほどの蛇の骨格であった。バラバラになった脊椎をその場でアバウトに並べてみたが、ヘビ特有の細い肋骨は四散していていたため端に寄せた。
上掲画像の左は通常のヘビの骨格である。右の画像が掘り返して並べた状態のイメージだ。殆ど普通のヘビと変わらない骨格だったのである。

★★ここから続きです★★

このイメージ画像からも分かるように、吉井町で掘り返されたツチノコらしき生物の死骸は、ほとんど通常の蛇と変わらない骨格を有していたのである。当然、腐乱してボロボロになった肉片や鱗の付いた皮も僅かながら出てきたのだが、取り分け鱗が大きいとか、腹板に幅があるというものではなく、そこらの蛇と変わらない状態であった。私は何かの冗談ではないかと思ったほどだ。

最初に草刈機で太く短いヘビに手傷を負わせた中島さん、そして死骸を見つけて葬った近所の主婦の方も、日頃からヘビなんぞ見慣れているのである。そんなお二人が口を揃え「異形のヘビ」だと発言し、そのイメージをイラストで公表さえしている。この事実を前提に死骸を検分した私が、容器から取り出した骨を見て「何かの冗談だろう?」と思ったのは当然ではないだろうか。

山本素石氏や斐太猪之介先生によって、ツチノコの死骸云々の情報はそれまでにも数多く報告されていた。だが、死後に形が変異したという例は聞いたことは無い。ただし、太く短いツチノコが、ヘビのように細長くなったという目撃情報は数件ほど報告されている。
ツチノコが何かのはずみで細長くなることは、このブログで何度も触れている。これは根拠の無いデマや与太話ではあり得ないのだ。簡単に言うなら、細長くなれるタイプとそうでないタイプの二種があるということで、その種類の詳細に関してはまだまだ研究の余地が大という段階であるが、吉井町のツチノコらしき死骸のホネに関しては、ヘビのように細長くなるツチノコの一種とは考えにくい。どう見てもただのヘビなのだ。

私が泥の中から取り出した骨は、その後、岡山県内の大学に運ばれ「ヤマカガシの亜種」という鑑定結果を賜り、更には、あの「あすなろ物語」をもじったユニークな「ツチナロ」というネーミングまで頂戴して世間受けした。それはたいへん結構なことだが、この時点でまたしても疑問が沸いてしまった。というのも、私と手嶋会長は吉井町を後にする際、骨格の鑑定は「群馬県藪塚のスネークセンター」に依頼すべきだと進言して帰路についた。ところが、問題の死骸は岡山県内の某大学へ持ち込まれて鑑定を受けたのである。しかもこの大学は、爬虫類とは縁も所縁も無い福祉医療の大学なのだ。どういう経緯でこの大学が選ばれたのか分からぬが、やはり専門分野の研究施設で鑑定を受けるべきである。あれほど大騒ぎをしてこのオチでは情けないにもほどがあるというものだ。

私は吉井町で起きた不可解なツチノコ騒動の裏には、隠蔽された何かがあるような気がしてならない。
考え過ぎなのかも知れないが、そう考える以外に納得がゆかないのである。
そこでツチノコの死骸騒動の日付を追ってみよう。
総ては2000年5月21日に端を発する。

5月21日……中島さんが「ドラエモン」のような顔の太く短いヘビと草刈り中に遭遇した。驚いた中島さんの草刈機
       によって斬られた怪蛇はピョンピョン跳んで逃げた。
 
  23日……近所の主婦が用水路内で、体の一部(首の辺り)を斬られて死んでいる「鱗のいっぱいある太いヘビ」
       の死骸を発見。神社脇に埋める。
         
 6月5日……噂を聞いた町役場の関係者が死骸を発掘すると、町内の医療機関に持ち込んでレントゲン撮影後に
       ホルマリンに漬ける。
 
   6日……中島さん等目撃者によってイラストが作成される。
 
   8日……吉井町役場からマスメディアへ宛て情報を発信。
 
  10日……岡山県倉敷市の某医療福祉大学の教授によって死骸が鑑定され、「ヤマカガシの亜種」と発表され、
       「ツチナロ」と命名される。 

上記の日付でお分かりいただけるように、死骸が発見され埋められたのは5月23日である。町役場によって掘り返されたのは6月5日であるから、ツチノコの死骸は15日間も埋まっていた事が分かる。
そこで私が疑問に思ったのは、この15日の間、果たしてツチノコの死骸は同一の場所に埋まったままだったのか、更に穿って考えるなら、埋まっていたのは別のヘビの死骸だったのではないか、という疑問である。要するに私は「死骸がすり替えられたのではないか」と推理したのだ。
つまり、ツチノコのミステリーの多くは、ツチノコの持つ神秘性から生み出された「祟り」に纏わるものが多い。当然、岡山県内にも古くからツチノコに関する伝承があり、その多くが神秘の生き物としてツチノコを崇めている。これは岡山に限ったことではなく全国的なことである。そのことから推して、ツチノコの死骸を埋めた主婦が祟りを恐れ、別の場所に埋め直すことは充分に考えられる、ということだ。

更に私の推理を具体的に述べると……神社脇に死骸を葬った主婦はその一件を他人に漏らしてしまった。その噂はたちまちのうちに広がり、噂を聞き込んだ何某が「死骸を掘り返されたら祟られる、だから別の場所に埋め直せ」と主婦を説得。祟りを恐れた主婦はツチノコの死骸を埋め直し、何某がヤマカガシを殺して元の墓穴に埋めて口を噤み、何も知らぬ役場の関係者はヤマカガシの死骸をツチノコだと信じ込む……。
そして役場関係者の掘り返した死骸は、既に土中で腐敗が進み原型を留めぬ姿に変貌していたため、関係者は腐敗したヤマカガシの死骸をツチノコだと思い込む。
ところが、マスコミを集め掘り返したツチノコの骨を繋ぎ合わせてみると、これが普通のヘビとしか思えない形状をしている。そのため爬虫類専門の研究施設では否定的結論を唱えられると判断し、敢えて岡山県内の医療福祉大学へ鑑定を依頼した……という推理を立ててみたのだが、的外れであろうか。

この岡山県吉井町のツチノコ騒動は、私も現地へ行って死骸の検分に立ち会っただけに興味が尽きないのである。そして興味は推理を生み、推理はバカげた結論まで生み出した。
しかしながら私は、「吉井町の何処かにツチノコの遺骸が埋葬されている!」と、真剣に考えているのである。あの細く細かい骨を実際に間近で見れば、誰もが私と同じ疑問を抱くはずだ。
とは言え、既に騒動から8年が経過している今となっては、総て闇の中である。




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※超おすすめ!「ツチノコ共和国」のホームページです。 http://www.d1.dion.ne.jp/~k_nozaki/ 内容の濃さは、見て驚き目から鱗です。

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