家族が脳腫瘍になったら読むブログ!

約8年前夫が突然悪性脳腫瘍に倒れ、それからずっと脳腫瘍患者の妻をやっています。家族のためのブログです。

壊れた脳生存する知

2013-04-11 00:04:23 | 日記
脳に損傷を負って生還した患者さん、それを支える世話人のみなさん。

どうかこの本を読んで下さい。

「壊れた脳生存する知」
山田規畝子著

http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4044094136/ref=mw_dp_buyxgety_y


原因が脳腫瘍でも脳血管疾患でも、交通事故でも…

脳に損傷を負えば、高次脳機能障害になる可能性があるのです。

誰にでも起こり得ることなのです。

それなのに知らない人が多すぎる!

だから、みんなで広めませんか?

高次脳機能障害の認知度をあげる努力をしませんか?

とりあえず私は、自分の周りの人に、この本を読んでもらえるように、私たち家族に手を貸してくれる人にこの本を贈り読んでもらうことを始めています。


こんなことしかできないけれど、この理不尽な環境を変えて行くために、なにかしたいのです。

居場所を作れないものだろうか…

2013-04-10 23:45:44 | 日記
高次脳機能障害はこれからどんどん増える障害。

医学の進歩に伴って昔なら助からなかった人がどんどん助かるようになってきている。

脳外科の世界でも…

脳に疾患を負って、治療の結果かんがい状態になったとしても…
目に見えずわかりにくい厄介な障害と付き合っていくことになる。

本人は自分の変化に気付くことができず、世話人は病気のせいで性格が変わったと誤解し、
また本人も世話人もそれが障害と理解していない以上、主治医に相談することもできず、相談されない主治医は患者の状態を理解することもできず…


高次脳機能障害が社会からはみ出してしまう原因はこの辺にあるんじゃないかしら…

誰かが整理して、道を作らなければいけません。


それができるのは、そうです。
私たち。

経験した人間ですよね。

不安を抱えてがんばる人の相談所を作らなきゃ。

心構えや接し方をみんなで学びあわなくちゃ!!


できるなら、行政にも、それが難しいなら、生命保険の会社にも提案したい。


社会福祉からこぼれてしまう私たちを、すくい上げるシステムを作ってほしいと…

まずはどこから手をつければいいんだろう。


ここに集う人たちは数は少ないけど当事者です。

高次脳機能障害を世に知らせるのに手を貸して下さい。


まずはみなさんも理解してください。

1冊の本を紹介します。

他にもあるのかもしれないけど、多分すごくわかりやすいと思うから。

ぜひ読んで下さい。

次の記事で紹介しますね。

居場所がない〓

2013-04-08 22:30:23 | 日記
脳腫瘍家族の方で、本人の病気が残念ながら進んでしまい、働くことができなくなったら、病院または施設に入ってもらうしかない…
そう思って居る人がいたら…

ちゃんと調べなくてはいけません。

実は私もそう思っていました。
だって大黒柱が倒れたら、私が働かなきゃいけないから…
家にひとりで居ることが危険なら、どこか見守ってくれる人が居るところに入ってもらわなきゃいけませんから。


ちゃんと調べれば入れる所があるだろうと…


今回、夫の状態が
「見守りが必要」
になった時…
実際に調べてみました。


入れる可能性があるのは、
療養型の病院
グループホーム
介護老人福祉施設
くらいですかね…

どの病院も施設も、介護保険の対象者でないと、入ることが難しいっていうか、まあ多分できません。
では要介護認定はされるのでしょうか…

うちの夫は現在56才。

第2号被保険者になります。(40才~64才)

65才以上なら、症状だけで要介護認定が受けられますが、64才未満だと16の特定疾病が原因でないと、要介護認定は受けられません。

その16疾病の中に「脳腫瘍」はありません。


つまり同じ高次脳機能障害でも、脳血管疾患が原因の人は要介護認定がうけられますが、脳腫瘍が原因の人は認定されない。
ということなのです。

そして、上にあげた入れそうな病院、施設には、
64才未満の脳腫瘍が原因の高次脳機能障害でいろんな事が不自由な人は、入れない。
ということになります。

理不尽ですよね…


身体障害がある人はまた違うと思うので、それぞれ調べてくださいね。


まあ…
居られる所は普通の病院か、リハビリ病院くらいってことになるのかな…

健康保険が使える病院に無理やり置いてもらうか、誰かずっと家に居られる人(両親や親戚とかね)に預けるとかしかないのです。


これってひどくないですかね…


あっ民間の老人ホームとか老人マンションとかなら入れるかもしれませんよ。
目ん玉飛び出るくらい高いけどね!!

治療と生活

2013-04-08 21:33:21 | 日記
こんばんは。ちぇぶです。

今日は今回の夫の再発からの一連の出来事の中でとても気になった事を書きますね。


脳腫瘍のような厄介な病気になった時、病気は病院に行って治療してもらうしかありません。

医師は、状態を見て、治療方針を立ててくれます。

その中には、手術あり、化学療法あり、放射線あり…
そのどれにも、まあ驚くほど高額な費用がかかります。

患者にとって治療とお金は切り離すことができないこと。


うちの場合、一家の大黒柱が病に倒れました。
数ヶ月は有給休暇がもらえますが、夫が復職できないとしたら、収入が大幅に減ることになります。
(収入についてもどこかで書きますね。)

そして高額な治療費がかかると言われた時、私の頭の中には何とかして収入を得なければならないという気持ちが浮かびました。

でないと、治療することも、家族が生活することもできなくなってしまうから…

まず浮かんだのは、介護保険と障害認定のことです。


大学病院でずっとお世話になっていた主治医の診察の時、そのことをききました。


すると返ってきた言葉は、
「それは僕の仕事じゃないから。ソーシャルワーカーに相談してください。そんなことより今決めるべきは治療のことなんだよ。」

驚くべき分業体制〓

でもさ、先生。
うちには金のなる木は無いんだよ…
先立つものが無きゃ治療だってできないんだよ。

まあ最初は保健のきくテモダールからっていう意味だったと思うんだけど…
それにしてもね

医師は病気の治療のことは考えても、患者が生きて家族と共に生活しているということは理解できないのかね
頭いいはずなのにね…


そうそうこの病院で同じ日にもらった、急な痙攣発作の対処法という紙に書いてあったなぁ。

「痙攣発作が起こったら何分続くか時間を計ってください。痙攣が治まったあと、すぐに元の状態に戻るようならあわてずに様子をみてください。」

「意識を失うような痙攣が起きたら、近所の病院に行くか、次回の当院の予約日に早めにお越しください。」

ってね~

痙攣発作で死ぬことはないっていう見解でしょうが…

痙攣発作起こしても救急車呼んで入院する必要はないってことかい


でもね、こっちは普通に生活してる人間なんだよ。
痙攣起こして倒れた夫を次の予約日までなにもせず、ほっとけるかっていうの

日本の脳腫瘍治療最先端の大学病院、患者の生活には興味なしなんだね。


どんなに新しい治療ができても…
そんな病院こっちから願い下げじゃ~

あぁ、思い出しても興奮するわ


今度お世話になることになった近所の総合病院の主治医は、痙攣起こして救急車で運ばれた夫を
「何年も起きてなかった発作が急に起きたのは心配だろうし、どうやら麻痺もでているみたいだから、入院してリハビリしながら調べてみようね。」
と言ってくれた。

「困った時にはいつでもおいで。」
と言ってくれた。

そして、
「介護保険も障害者手帳も、使える物はなんでも使おう。大変だからね。
診断書が必要ならなんでも書くから大丈夫

そうも言ってくれた。

やっぱり、生きて生活している人間として患者をみてくれる医師でなければ、見てもらってる意味がない。
そう感じた出来事だった。

高次脳機能障害について

2013-04-07 22:19:52 | 日記
こんばんは。
たまに役にたちそうなことも書かなくちゃ

8年前、夫がグリオーマの手術を受けてから始まったこの障害。

この厄介な障害について、主治医もあまり詳しく紹介してくれてなかったんだ。

うちは
「左半側空間無視 」だけが主治医から紹介された。

術後の夫は、自分の殻にとじこもり、家族との会話も子供たちへの関心もなくなり、いつも自分は守られるべきものという振る舞いをするようになった。

時間の感覚は鈍くなり、笑うこともなく、言葉をかければ
「うるさい!」
と、声を荒げるようになった。

病気のせいで性格が変わったと思った。
もう私たちを好きじゃないんだと思った。
家族は「子供たちと私」
+「夫」
という形になった。

夫は同じ家に暮らす同居人のようになっていった。

でも本当は違ったのかもしれない。


高次脳機能障害の中には
たくさんの症状がある。

「記憶障害」
新しいことが覚えられない。
「注意障害」
2つの事に気を配れない。
「遂行機能障害」
計画が立てられない。
優先順位が決められない。
段取りが悪くテキパキ要領よくできない。

「自発性の低下」
やる気がない。

「感情コントロール低下」
ささいなことで怒り出す。
「対人技能拙劣」
相手の気持ちを察することができない。

「地誌的障害」
道に迷う。
場所や方向など位置関係がわからない。


ほかにも失認、失語、失行など本当にいろいろ。

そしてそれらのほとんどが、変わってしまった夫の行動や態度に当てはまると思えることでした。


最初からこのことがわかっていれば、私たち家族は、もっとちがう道を歩けたのかもしれない。

障害だとわかっていれば、一緒に戦えたのかもしれない。


大切なことは、これらの障害は良くなる可能性があるということ。


半側空間無視の夫は階段を下りるとき、
視覚に頼ると、階段と手すりと自分の距離感がわからず、足をどこについていいかわからず、手すりにつかまった手をどのタイミングですべらせればいいか混乱し、チグハグになり、非常に危険な降り方になる。

「気をつけて良く見て
と言いたくなるところだ。

8年間私はそう注意してきた。

それは間違いで、

「良く見なくても大丈夫、視覚に頼りすぎないで、足と体の感覚を信じて自然に降りてみて。体はちゃんと覚えてるから大丈夫だよ。」

こっちが正確だった。

その声かけで夫は
易々と危なげなく階段を降りることができたのだ。


体はちゃんと覚えてる。

やってきたことは、必ずどこかが覚えてる。

それをうまく機能させることができれば、うまくいくことがたくさんあるんだ。

夫は、自分の母親に
「家族が大切なんだ。」
といつも言っていたそうだ。

私も子供もこの8年間、大切にされた覚えはない。

彼の中で大切にするということがどういう事なのかがわからなくなっていたのかもしれない。

それでも彼の中に、
「家族が大切なんだ。」
という意識だけはずっとあったのだと思うと、大切にするやり方をぜひうまく覚え直してほしいと思う。