そして あれこれ言いたい

あちこち散漫なブログ

朔風の岸

2008-03-26 22:00:22 | 磐音
どの巻の磐音も忙しいが
朔風の岸での彼はとても忙しい

大晦日の両国橋での出来事から始まって
商家の凄惨な殺人事件に巻き込まれ
妹の伊代と源太郎の婚礼の話があり
祝いの品をおこんさんと見たてに出かけ
関前藩の物産取引に奔走し
佐々木道場の具足開きの試合に出場し
今津屋の店先での嫌がらせ騒動をあっという間に解決し
柳次郎と武左衛門とともに旗本の知行地修善寺に旅し
やくざの絡んだ騒動を終結させ
江戸に戻ると中川淳庵の拘引事件で彼を助けだし
こんどは絵師の北尾重政に関わる殺傷事件に関わって

と列挙するだけでも大変だ

考えてみると此の巻には磐音の転機の兆しが見えている

佐々木玲圓と速水左近との
このまま市井に埋もれさせてよいものか
いや、世間が磐音の剣を必要とするときが巡ってくる
との会話がある

佐々木道場を継ぎ否応なく将軍家に関わっていく彼の今後を暗示している

佐々木道場に頻繁に通うようになるのはこの頃からではないか


またそれとは別に
修善寺での騒動はまさに花山大吉と焼津の半次のお話のようだ
吉奈の唐次郎と蓑掛の幸助を相争うように仕向けるはずが
かえって双方を敵に回してしまうというおもしろ楽しい時代劇ストーリー

柳次郎の啖呵に惚れ惚れとしてしまう磐音の姿につい微笑んでしまう
手ぬぐいを泥棒被りにし顔に泥を塗りつけた磐音と柳次郎をを想像するのも楽しい


そして藩邸では
なんともお馬鹿さんの福坂利高
磐音をやり込めてやりたかったんでしょうね
ひどい言葉を投げたね

磐音の赤面なんてなかなか見られない
私には印象的だ



等々でお気に入りの巻である