本『私の整理術』

 『私の整理術』 岩波アクテイブ新書

収納と整理は、生活環境に合わせて変化させる必要が
あり、常に悩みの種。 自分がこの世から整理されてし
まうか、管理を放棄してしまうまで続く問題ですねえ。

家事をするだけの主婦であってもこうですから、資料を
たくさん使って仕事をしている方々は、さぞかし大変な
ことでありましょう。

図書館で手にとったこの本。借りる気持ちになったのは、
トップバッター、大平 健氏の文章がとても面白かったから
です。

この本は、一人の人による一つの方法ではなく、11人の
識者がそれぞれの整理の形を語ってくれています。

<目次>
『ニコマコス流整理学』前史ああああ大平 健
「脳」整理法あああああああああああ茂木健一郎
私の整理術七か条ああああああああ渥美雅子
虫(の標本)と本の海の中でああああ奥本大三郎
旅の資料や写真の整理法あああああ色川大吉
時間を整理する―三本の矢と三種の神器 小石雄一
暮らしとモノの関係追求から始まる私の整理術 阿部絢子
一掃による片付け術 あああああああ塚本昌彦
頭と肉体で営むジャーナリズムの資料整理 斎藤貴男
ときめきの空間づくり―コレクションの整理術 北原照久
パズルがヒント ああああああああああ有澤 誠

それぞれの考えが面白いし、取り入れたいと思うこともあ
ります。

大平健氏:本の整理について
本が辿る途は二つ。本棚か、ゴミ箱。 この分岐は本を
いかに読むかにある。ならば、本を読みながら線を引く
ことを止め、どうして線を引きたくなったのか自分の意見
を書き込む。自分の書いたものだけを書き写して、本は
捨てる。こうすると思考力が引き出され、すっきり~
…こうはいきませんが、この姿勢は素敵であります。

脳科学者、茂木健一郎氏:脳はコントロールできない
脳にある1千億の神経細胞。そのほとんどの活動に、私
たちの意識はアクセスできない。 脳については「整理」
より「手入れ」が適切なのではないか、と。なるほどね。

渥美雅子氏:整理整頓、清潔第一 でも、心のユトリもね
こまめ、決断、きれい好きの「3K]で片付け上手に。
実践的でとても分かりやすいです。

奥本大三郎氏:
もう、考えただけでめまいがしそうな状況です。
が、先生の「子供たちに昆虫や植物を自由に手に取ること
が出来る自然環境と自由に利用できる資料館を提供したい」
という情熱は、「日本アンリ・ファーブル会」の設立に至る。
夥しい標本類も、整理収納しつつあるようであります。 
素晴らしい!

塚本昌彦:持続できる整理法は…
「机の上や周りには何も置かないようにしよう」と、決心する。
正確には、「長時間席を離れるときには机の上には何も残さ
ない」。これはわかりやすいルールであり、明確な目標なので、
決心さえすれば実践できます。…と。
そのためには、
①捨てる――できず困ったら、「火事になったと思って」
②買わない――但し、ものを買わないことは人生の楽しみを
捨てかねない。買うときに変わりに捨てるものを考えて。
③貯めすぎない。
一時的置き場を作らない。毎日せっせと整理する」という仕方
は持続しない。「一掃」こそ決心しさえすれば続きます。
整理術として1番うまい方法だ、思いました。決心ね。
そうだ、明日からしよう…明日明日ね、と 

北原照久氏:楽しみながらのコレクション
コレクションを始めたきっかけからその楽しみ方までを、真直ぐ
に語っておられます。展示しきれないものは、400坪の倉庫に
収納されているとか。 実に上品にお金を整理するかたです!

有澤誠氏:
「究極の整理術は、自分の頭の中で情報をどう整理するか。
手強いパズルを解いていると思い、整理の過程を楽しんで」と。

そうか…
私の周りはパズルだらけだぞ~。

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