空色レールウェイ

空は続く、どこまでも

「ネコを探して」

2011年02月10日 | 映画


「ネコを探して」を観てきました
以下、ネタバレが含まれていますのでご注意を

【あらすじ】
ある日、飼い猫のクロが姿が消す・・・クロを探し、時空を越えた旅が始まる・・・
フランス在住のドキュメンタリー作家 ミリアム・トネロットが、ネコと人間の関係にスポットを当てたドキュメンタリー

ミリアム・トネロット 監督作品

自分は小学生の頃に野良犬に吠えられてから、大の犬嫌いに・・・
目の前に鎖に繋がっていない白く大きな犬に吠えられて、持っていたコオロギの入った虫かごを差し出し、
「これあげるから~」と大泣きしていた所を同級生のお母さんに発見され、追い払ってもらいました・・・
しかし、数日後その白い犬は空き地で檻に入れられていました・・・どうやら保健所に連れて行かれるらしいと・・・
吠えられたことの恐怖や怒りより、檻の中で伏し目がちの姿に寂しさの方が募っていました・・・
「おまえが吠えるからやぞ・・・」と心の中でつぶやきながら、おやつのカールをあげたのを覚えています・・・

そして、小学校で飼っていたチャボやウサギを近所の野良猫に全滅させられて猫嫌いに・・・
しかし、ある白い猫と仲良くなるこができました。
ある日、2限目と3限目の間の休み時間に友達とその猫と遊んでいました。
3限目と4限目の間の休み時間にまた遊ぼうとその白い猫を探したのですが、どこにも姿がありません・・・
自分は学校の門を出て道路に・・・そこには車に轢かれた白い猫の姿がありました・・・
さっきまで一緒に遊んでいたのに・・・みんなと一緒にお墓を作ったのは今でも忘れません・・・

その後、大人になってから熱心な猫好きさん達に魅力を教わり、今ではすっかり猫好きになりました
犬は今でも変わらず苦手です
そんな猫好き・嫌いに関わらず、この映画は観ておくべきだと思いました

猫は「自由」で「気高い」というイメージは世界共通のものなんですね
しかしそれは19世紀後半からで、それ以前は偽善的でケチで悪魔の化身とみなされていたそうです
確かに猫を気味悪がる方もいますね・・・人それぞれだから良いのですが

猫と密接に関わっている国として、日本が多く紹介されていました。
まずは熊本県の水俣、そう1956年に「水俣病」が発生したところです・・・
水俣病の症状が最初に現れたのは、その港に住む猫たちだったそうです。
水銀を含む魚を食べ、症状が現れ、涎をたらし真っ直ぐ歩けず、狂ったように自ら海に飛び込むのだそうです・・・
そんな猫の「狂死」が相次いだそうです・・・当時の猫の様子もスクリーンに映し出されましたが、
本当に辛そうで辛そうで堪らなかったです・・・

そして、その病は次第に人にも現れます・・・
その工業排水を垂れ流していた会社は、街の猫を捕まえその排水を与えて実験していたそうです・・・
「猫400号実験」と言われるそうですが、当然その猫に水俣病が発症・・・しかしその事実を隠します・・・
「水俣病」の犠牲になった猫は数万匹だそうです・・・
そして、今でも「水俣病」を発症する方もいるそうです・・・本当に恐ろしく、許せませんね・・・

誰にも従わず、プライドを持って生きる猫
そんな猫が会社の経営を救ったということで、和歌山県の駅長猫・「たま」が紹介されていました
大人気となった「たま」のお陰で、廃線の危機を脱したそうです
自由きままな猫が、何かに縛られた人々を送り出す・・・何だか面白いですね

日本の猫カフェや、猫の着せ替えなども紹介されていました
その中で日本の「カワイイ」という言葉が取り上げられていました・・・
猫の魅力が、今はキャラクターとしての「カワイイ」に・・・自分の好きな服を着せて「カワイイ」と・・・
ほんと何にでも「カワイイ」を連発する女の人いますよね・・・何だろうこの文化・・・
あと夕方の猫カフェに、仕事帰りの男たちが集っていたのは驚きました・・・確かに癒されますけどね・・・
社会で縛られまくっている男性たちが、自由きままに生きる猫を求めるのは自然は形かもしれません

驚くことに、飼って2年くらいで捨てられる猫がたくさんいるそうです・・・
そして保健所に連れてこられた犬や猫は少しの期間ののち、殺処分されるのです・・・
そんなシーンも映し出されていました・・・生後数ヶ月でしょうか・・・小さなくりくりの子猫たち・・・
ほんとねぇ・・・腐った社会ですよ・・・腹が立ちますよ・・・売らなくていいですよ・・・

他には、イギリスでネズミ対策として働く猫・エリカ、首輪にカメラ「キャットカム」を付けた猫・ミスター・リー、
ミネソタ州にある借りた猫と一晩を過ごせるホテル、人見知りせず撫でられて声を出す猫を面接で選ぶそうです
世界各地の猫さんが紹介されていました

今作で一番印象に残った猫、それはロードアイランド州にある病院にいる、おくりねこ・オスカーです
認知症患者の終末医療棟にいるその猫は、患者の死を4時間前に察知し、寄り添うのだそうです・・・
同時に2人が亡くなるときは、家族の来ていない患者の部屋を選ぶのだそうです・・・

なんだか本当に温かいなぁと思いました・・・
そういうところが、猫の持つさりげない優しさではないでしょうか・・・
こっちが落ち込んだ時なんかに、それを察知したかのように近寄ってくる・・・
やっぱり猫は素敵です

猫の持つそういった神秘的な能力はやっぱり信じてしまいますね
猫が何も無いところをじーーーっと見つめていたり、急にキョロキョロしたり・・・
まぁここにきてぶっちゃけますが、実は猫を飼ったことがありません・・・野良猫さんと戯れるのみです・・・
いつか飼えたらなぁと思います

ただ、猫の何らかのアレルギーなんですよね・・・
猫がいたり、いた部屋なんかで目が痒くなり、鼻水が出だす・・・
さまぁ~ずのバカルディ時代の珠玉コント・「家庭教師」のように、姿がなくてもクシャミを繰り返して、
「君んち、猫いるでしょう?」って当てられると思います コントでは「鳥アレルギー」ですが
ただ、三谷幸喜さんも猫アレルギーでしたが、猫を飼う内に慣れたみたいなので、大丈夫ですよね

猫は昔から何にも変わっていないのに、猫を取り巻く環境や人間が変わっていっている・・・
そういう意味で猫は被害者なのかもしれないですね・・・だけど猫はそんなことを意に介さず今日も生きています。
そんな猫のように、自由に誇り高く生きていけるといいなぁと思います

最後に、予告編を貼り付けておきます!良かったらどうぞ

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