「ミスター・ノーバディ」を観てきました
以下、ネタバレが含まれていますのでご注意を
【あらすじ】
不死の世界が実現された2092年・・・118歳のニモは最後の「死ぬ人間」だった。
世界中がニモの最後に注目する中、ニモは昔の自分を思い出し語り始める・・・
それは、幾通りもの選択が導いた、幾通りもの人生だった・・・
ジャコ・ヴァン・ドルマル 監督作品
これは久し振りに参りました
過去・現在・未来を自由自在に行き来するストーリーで、はっきり言って細かな流れはすぐに忘却の彼方へ・・・
それ位濃密な2時間17分でした・・・ちょっとDVDで見直してみたいです
映画で映像美で驚いた・・・と言うのは、「
エンジェル ウォーズ」や「
インセプション」が思い出されますが、
今作も凄かったです
鏡に映ったニモをそのまま追っていったり、外で抱き合ってゴロンとしたらベッドだったり
特殊メイクでの118歳のニモや、色々な姿の大人ニモと姿を変え、断片的に映るシーンと繋がるシーン
あっ!ここがさっきのあそこか~と、ジグソーパズルを1ピースごとにはめていく快感が味わえました
それらを違和感なく映し出した映像美には、参ったと言う他ありません
今作のテーマに「選択」があると思います。
人は生きていく上で常に「選択」しながら生きています・・・何事にも常にです・・・
現在自分の置かれている環境や状況は、生まれてから1つ1つ選択してきたことの積み重ねだということです・・・
それが今作を見てよーーーく分かりました・・・今作では「あの時こうしていれば」というのを戻って実行しています。
こう書くと映画「バタフライ・エフェクト」が思い出されるかもしれませんが、確かに同じ様な描写もありました
人生を振り返ると、大きな節目って誰にでもありますよね・・・
その節目で別の選択をしていたら・・・全く違う人生となっていたんでしょうね・・・想像もつきませんが・・・
そして節目と思っていない、些細な会話の選択によっても異なる出会い・異なる人生があったんでしょうね・・・
今作では鉄道のレールが幾通りも映し出されていました・・・正にこういう感じ・・・
1本のレールを進む人生、だけど些細でも選択するごとにガチャリと進路が変わる・・・
感慨深いものがありました
ニモは両親の離婚に伴い、父に付いていくか、母に付いていくかの選択に迫られます・・・
これは大きな選択ですよね・・・父母どちらかが決めるのではなく、子供に決めさせる・・・
良し悪しは決められませんが、どちらに進んでもあっちを選んでいたらどうなってたかな・・・
って絶対考えますよね・・・勿論どっちのストーリーも展開していきます
また3人の女性との出会いと「選択」が特徴的に描かれています・・・
小さい頃に出会った3人の女の子、それぞれ赤・青・黄色の服を着ているのですが、
大人になってからも服や周囲の色は同じものが使われています
ここでも勿論「選択」が・・・
1人の女の子に問われた質問に答えた結果、その子とは疎遠に・・・大人になってからも公開・・・
戻って素直に答えるニモ・・・女の子と親密になっていきます・・・
ありますよね・・・こういう選択肢
そして難しいものです
大人になってからの3人との生活もそれぞれ特徴的でした・・・
相思相愛、二モの片思い、ニモに気持ちは無く相手の片思い、3者3様です・・・
こういう描き方も面白かったですね
切なかったですけど
自分にも思い当たる身近な選択から、火星に行ったり2092年の世界というSFだったりと振り幅が大きいですが、
違和感なく見ることができました
それだけのリアリティーと説得力がありました
いやー・・・ほんと良く出来てます・・・参りました
しかし、当たり前のことですが過去はやり直すことができません・・・
あそこは間違っていた、あの時はもう1つの選択をすれば良かったと気付いてもやり直すことはできません・・・
ある程度の展開を予測することはできますが、実際にやってみて考えることはできないんです・・・
だから目の前の人生を精一杯生きるしかない・・・なんだか見終わってそう感じました
このリアルの世界でもあり、想像の世界でもあるパラレルワールドを是非ご堪能下さい
最後に、予告編を貼り付けておきます!良かったらどうぞ