内容を読み終えた後、扉絵を見返すと・・・
胸がキューって締め付けられるような・・・
前号の最後より時は少し遡り、街道沿いのあばら家で局長狙撃の機会を待っていた
内海らの様子が描かれている。
近藤一行が伊東一派が隠れているあばら家に近づいて来た。
『焦るな阿部 できるだけ引き付けてから撃つんだ 一発目を外したらこちらの居所が
すぐに知れる 二発目を込める暇はないぞ』、と注意する内海さんに、『わかってます
必ず一発で仕留めてみせます』と引き金に指を掛け、タイミングを計っている阿部さん。
『・・・まだだ もっと近づけて―― 』
馬上の近藤局長に狙いを合わせ・・・ 引き金を――
と、その時
『局長―――!!』
ガウィ――――ン
突如、聞こえてきた大きな声に思わずびくっとして、指に力が入ってしまった阿部さん。
その弾丸は、局長の急所には当たらなかった。
前号の最後、順番間違えてた。 発砲音 → 局長が撃たれたのを目にし、
『局長――!!』 と叫んだんじゃなくて、火薬の臭いがする → 街道を歩いて来た
局長らが見えて来た → 危険を伝えるため『局長―――!!』と叫んだら、撃ち手が
その声に驚き、思わず撃ってしまった、って事だった。
でも、主人公が『局長―――!!』と叫んだ声に驚いた狙撃者が僅かに狙いを狂わされ、
急所を外した、となったことが【主人公の持つ強運が局長を守った】って事らしい。
局長の元へ駆け寄る主人公ら。 護衛の隊士らが抜刀してこちら(あばら家)に駆けてくる中、
もう一丁の銃で再度狙撃する為、銃口を局長に向けた内海さんの目に映ったのは――
相馬隊士の手を借りて馬に飛び乗り、局長の背後に跨った主人公の姿が。
『神谷・・・!?』
瞠目し、眉をひそませ、一瞬・・・ 一瞬気をそらされてしまった内海さん。
主人公の素姓を知ってしまったからね・・・
あばら家から再度銃を構えて狙っている人物が内海さんだと気づいた主人公。
内海さんに向かって片手で合掌した後、落ちぬよう局長を背後から抱え、馬の腹を蹴り
伏見奉行所目指し、駆け出した。
主人公のその行為(片手合掌)の意味を内海さんはどう受け取ったのか――
伏見奉行所に着いた局長と主人公。
馬上から飛び下りた主人公が、すぐに外科医を呼ぶように他の隊士に頼んでいると、
馬上から『諸君 ご苦労である 以後も陣の固めを頼む』と力強く激励する近藤局長。
脂汗を浮かべていても、笑顔で『ははは かすり傷だ大事ない この通り』と肩から血を
流している局長を心配する隊士らを動揺させまいと気丈に振舞う局長。
と、そこへ出迎えに来た土方副長。
負傷している局長を目にし、『局長っ!?』と驚く。
『やあ、トシ 面目ない よもや銃で来るとは思いも・・・』 失血ゆえか、意識を失い
馬上からぐらりと落ちそうになる局長を『近藤さん!』と、駆け寄り受け止める副長。
ふむ・・・ 負傷した局長を目にした第一声は『局長っ!?』じゃかくて『近藤さんっ!?』
がよかったなあ。 で、馬から落ちそうになる局長を受け止める時は『勝ちゃんっ』
ああでも、隊士らが大勢いる前では『勝ちゃん』や『勇さん』は不適切か・・・
戸板に乗せて座敷に運び、布団の上に寝かされた局長のそばに腰をおろし、『止血します
だれか清潔な晒と焼酎を』と指示しつつ、副長に街道で伊東一派と闘っているであろう
同志達に援軍を派遣するよう要請する主人公。
止血している主人公の傍らで、場所や敵方の人数や得物等についてわかる範囲で
聞いた副長が援軍の命を出すため、立ち上がり振り向いたその視線の先には
呆然自失の態で立ちつくしている沖田組長が。
褥に横たわる局長を悲痛な表情でただじっと見つめ――
土方副長が『うろたえるな まだ生きている』と、声をかけ、主人公が振り向き、
『申し訳ございません沖田先生 必ず無事にと約束したのに・・・』と深々と頭を下げ、
そして意識を戻した局長が『やあ総司か・・・ そんな顔をするな 神谷君のせいではない
折れの油断だ どちらが早く回復するか 勝負だな・・・』と笑顔で話しかけてると
涙をにじませ
『先生・・・・・っ 』
と発っしたきり声を詰まらせ、畳に手を付き頭をさげる沖田組長。
外科医と主人公が局長の手当てをしている部屋の隅にやや俯き加減に正座し、握りしめた
両の手を膝に置き、じっと忠犬のよう侍る沖田組長。
『先生・・・・・っ』と言ったきり、何故、近藤局長に謝罪の言葉を言わないのかを、
手当てを手伝いながら、沖田組長の心情を独白(という形で読者に解説)する主人公。
ふ~ん、そういうこと・・・ 武士って・・・
手当てを受けている最中、部屋の隅に居る沖田組長に向ける近藤局長の
優しい眼差し・・・ きっと局長も沖田組長の想いを理解しているんですね・・・
10歳違いのかわいい弟のような、息子のような愛弟子のことを・・・
松本法眼に診てもらうため、局長を大阪へ連れて行くことを副長に進言する主人公。
(本作品では)弾は貫通し、出血も収まったってことだが、鎖骨とか砕けてそう・・・
ところで局長、静かに休んでいる風だが、痛み止めとかってもうあったのかね、
この時代は? 表情は見えないけど、激痛でのた打ち回ってもおかしくないんじゃ・・・
あれっ、なんか想像してたら自分の肩が痛いような・・・ ←影響受け過ぎ(笑)
(いろいろあり)副長の命(配慮)により、沖田組長も一緒に大阪へ行くことになった。
あれ、松本法眼がいる大阪に行くってことは、例の 胤を残せうんぬんの続きも
描くってことか? どういう展開に持っていこうとしているのか・・・
帰陣した相馬・野村隊士が、副長に伊東一派との応戦結果を報告。
それを傍らで聞き、あの時の事を思い返す主人公。
(局長の馬に飛び乗った時、あばら家から局長を狙うもう一人の狙撃者と)
一瞬目が合った気がした あれは確かに内海さんだったと思う
伊東先生を失った悲しみが、いつも冷静だったあの人を
ここまで狂わせたのかと
思わず手を合わせたい気持ちに駆られた
――あんたにもわかるさ
沖田を殺されてみれば――
私もいつか思い知る来るのだろうか
でも今は*******
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へ~、そういう意味で片手合掌したん・・・
池田屋事件の後にも、残された者が 手貫緒の修羅 を仇討する事に執念を燃やす
哀しさが描かれた話があったなあ・・・
内海さんはこれが最後の登場なのかな・・・ でも惜しいキャラだから、またどこかで
(物語の展開として)面白い場面に絡んでくれたらいいなあ。
久々に政局の場面が。
おお~、慶喜さん、久しぶりの登場。 久しぶり過ぎて、今、徳川と倒幕派がどんな
状況なのかすっかり忘れて・・・
ほうほう、薩摩藩が徳川に官位の返上と領地の献上を迫っていたが、それが徳川に
同情的な藩の周旋により、諸藩が石高に応じて朝廷に献上するって事にすり替えられ、
慶喜が調子づいて来ていることに、苛立つ薩摩藩。
最後の画は、西郷隆盛。 じっと何か打開策というか、徳川を追い詰める次の一手を
考えているような・・・
次号へ
今号の見どころは局長と沖田組長、そして内海さん。
―――月ですよ
甲子太郎さん・・・