昨年末に行われた全日本選手権で国民を魅了し、今年のトリノ五輪で国民を興奮させてくれたフィギュアスケート。
世はまさに、フィギュアスケートブーム!!
・・・・・と思っていたのも束の間、国民の関心はすでに『ワールド・ベースボール・クラシック』の方に移ってしまいました。(~o~)
だけどわたくしは負けません。
1人でも多くの人間を道連れに、フィギュアブームと心中する覚悟があります!(ありません)
というわけで(どういうわけ?!)、本日はフィギュアスケートファンならば絶対に知っておかなければならない
女子フィギュア選手をご紹介。
その人の名は・・・・・・・・・トーニャ・ハーディング。※女装したサルではなく、トーニャです。
トーニャ・ハーディング。1970年生まれのアメリカのフィギュアスケート選手。
1991年の世界選手権では「銀メダル」、1992年のアルベールビル五輪では「4位」にもなったことがある
実力派スケーターです。
そんな彼女の最大の武器はなんと、トリプルアクセル!
そうです。当時、女子フィギュア選手では伊藤みどりしか飛ぶことができなかったトリプルアクセルを、
ハーディングは飛べたのでございます。
★トーニャ・ハーディングのトリプルアクセル (動画)★
1994年の全米選手権で成功させたこのトリプルアクセルによって、ハーディングは天才少女ミシェル・クワンを抑えて
見事優勝。クワンとともに同年のリレハンメル五輪の出場を決めました。
(※これまでオリンピックは夏冬同じ年に開催していたものの、これを2年ごとの隔年開催にするために
冬季大会の開催を2年ずらし、前回のオリンピックからわずか2年後の1994年の開催となりました)※顔が・・・・クワンの顔がぁぁっ。
リレハンメル五輪でトリプルアクセルを決めれば金メダルだって夢じゃないよ!
・・・・とハーディングは、全米中の期待を一身に集めるヒロインにのし上がりました。
というのも、
ハーディングのライバルであるナンシー・ケリガン選手が暴漢に襲われて足を負傷した上に、
オリンピック選考会を兼ねた全米選手権を欠場。これによってオリンピックに出られなくなるというハプニングが起こったからです。※ナンシー・ケリガン選手。女装したステファン・ランビエールではありません。
ハーディングにとっては、脂の乗り切った時期のオリンピック。
しかもライバルのケリガンはオリンピックに出られない。
まさに、この世の春!!
・・・・・・・・・・・・と思ったら大間違い!!
なんとケリガンが暴漢に襲われた事件の犯人は、ハーディングだったのです。
正確に言えば、ハーディングの元旦那が実行犯です。ハーディング本人がどこまでこの事件に
関わっていたかはわかりません。しかし大スキャンダルであるのは間違いなし!
これにより、ケリガンは特例でオリンピックに出場することが許されました。足の怪我も根性で治癒!
ひとり泣いたのは、クワン。せっかく掴んだオリンピックの夢を、土壇場で失ってしまったのですから・・・・。「夢が…、逃げていくぅぅぅ」
しかし12年後の2006年。クワンは
「全米選手権には出なかったけど、アタシを特例でオリンピックに出さんかいっ」と、かつてのケリガンのように
オリンピックの出場権を横取り。12年前に味わった屈辱を、今度は後輩のエミリー・ヒューズに味わわせてやることに
成功したのでございます☆
なのに・・・・・・・そうして掴んだオリンピック出場権も、怪我の悪化で土壇場になって放棄。
本当に、なんて運のない人なのでしょうかミシェル・クワンという人は・・・・・・。「オリンピックなんて、大っ嫌いじゃあぁぁぁ!」
さて。
互いに激しい憎悪を抱きながらオリンピックに出ることになった、ハーディングとケリガン。
当然、世界中のメディアがふたりのことを報道しまくりました。
悪の権化 トーニャ・ハーディング VS 悲劇のヒロイン ナンシー・ケリガン
ほとんどのマスコミがそういう構図のもとで、ふたりの確執を煽り立てたのでございます。
ハーディングとケリガンはまさに、チェーンソー片手にいつ殺し合いを始めてもおかしくはない一触即発の状態。
荒川静香と村主章枝の確執など、このふたりの前では園児の喧嘩レベルでございますよ!※「殺ス・・・!」互いに殺意を秘めての公式練習。
そんな張りつめた雰囲気の中で始まったフィギュアスケート女子シングル。
試合前にオリンピック関係者から審査員に対して、「くれぐれも選手の審査に私情を挟まないように!」と
異例の勧告がなされました。それ程までに、ハーディングは世界中から憎まれており、ケリガンは世界中から同情されていたのです。
ふたりの対決の行方は・・・・・・?世界中が固唾を呑んで試合を見守っておりました。
そしていよいよ、トーニャ・ハーディングの出番。
世界中の憎悪を背に受けて、スケートリンクに現われるハーディング。しかしその顔は、満面の笑顔。
「どんなに嫌われようと、どれほど憎まれようと、そこに観客がいる限りアタシは最高の演技をしてみせる!!」
まるでそう言っているかのように超然と輝くその瞳。
音楽とともに、演技を始めるハーディング。
しかし・・・・彼女の「売り」であるジャンプがまったく決まらない。スピードもみるみる落ちている。
そしてついに・・・・・・・・・・・・止まった!
演技の途中だと言うのに、リンクの中央に佇み、いきなり泣き始めるハーディング。
「エーンエーン」
そしてなぜか、審査員席へ。
「紐が~!紐が切れたのよぉ~!」
スケート靴の靴紐が切れたと必死に訴えるハーディング。
あまりに突然な出来事に唖然となる審査員。そして審査員以上に驚いたのが、観客である。
「あんた、いい加減にしなさいよっ!!」
自分の演技の不出来を靴のせいにするなんて、最低よっ。
世界中の誰もがそう思ったことでしょう。
審査員の「温情」によってもう一度演技することを許されたハーディングですが、だからといって素晴らしい演技が
出来るわけもなく精彩を欠いたまま演技は終了。
結果、ハーディングは「オリンピックで8位」という成績を最後にフィギュアスケート界から永久追放されたのでございます。
そしてライバルのケリガンは、堂々の銀メダル。
悪の権化と悲劇のヒロインの対決は、悲劇のヒロインの圧勝によって華麗に幕が閉じられました。
めでたしめでたし
・・・・・・・・・・・と思ったら大間違い!!
母国のディズニーランドで行われた、凱旋パレードでのこと。
悲劇を乗り越えて銀メダルを獲ったニューヒロインを讃える大勢の観客に向かってケリガンは、
「くだらないバカどもがっ!」
と、仰られたのでございます。
正確なセリフは忘れましたが、確かこのようなニュアンスで発した言葉をマイクに拾われてしまったのです。
『なぜハーディングはケリガンの足をもっと強く殴らなかったのか!』
悲劇のヒロインであったはずのケリガンこそが悪の権化であったという意外なオチに、
マスコミは騒然となったのでございます・・・・・・・。
・・・・・この事件をキッカケに、わたくしはフィギュアスケートに本格的にハマったように思います。
そしてアメリカの白人女子選手への不信感も、この事件によって植えつけらたような気もします。
さて。
その後、トーニャ・ハーディングは一体どこで何をしているのでしょうか。
フィギュアスケートを辞めたハーディングはその後、格闘技に目覚めてプロの格闘家になったそうです。
現在も女ボクサーとして、アメリカの田舎町で暴れまわっていることでしょう。
スルツカヤ風に言えば、「That's life」ということか。
リンクからリングに活躍の場を移して頑張るハーディングを、わたくし心から応援したいと思います。
※時の流れは残酷に
確かハーディングは何年か前に日本のTV「あの人今!」で来日したはず。
現在の米女子のフィギュア界って実際のところどうなんでしょうね?興味津々でっすぅ。
トーニャ・ハーディング…懐かしいですね!同世代なのでその頃の自分まで思い出してしまいましたよ~
このサイト、いつも楽しく読んでいます。 世界選手権の反省会が待ちきれません!
わたくしもなんたがあの当時のことが懐かしく思い出されます。(*^。^*)
アメリカは選手層の厚い国ですから、今後もまた個性の強い選手が出てきてくれる
のではないでしょうか。
エンタメ国家恐るべし!でございます。
>ふぃぎゅあファン様
そうでした!わたくし、うっかりしておりました・・・。面目もございません。(^_^;)
こっそり訂正させていただきましたので。
どうぞ今後ともお引き立ての程よろしくお願い申し上げまストレートラインステップ☆
自分は
「 陳 腐 だ わ ! 」
だったというふうに記憶してました。
アンチアメリカエンタテインメントな我が家では、
ハリウッドやディズニーを貶めるような話題の際には、
必ずケリガンのこの台詞が出てきますww
ちょっと検索してみたところ、どうやらケリガンはかなりの毒舌家らしいですね。
他にも色々問題発言かましまくっているらしいです・・・。なんだか、怖ひ。
私もあのスケート靴の紐が・・・っていう時は、何じゃ こいつっっ!!って憤慨しましたよ。
ケリガンの毒舌は知りませんでした。
けっこうドロドロしているんですね・・。
あのスパイラル、美しかったのに。。。
だけどあの事件がなかったらわたくしがスケートに嵌ることもなかったと
考えると、ハーディングのことをなんか憎めません☆
ケリガンは結婚して、最近出産もしたみたいですね。
とりあえずプライベートは幸せそうでしたよ(*^^)v
友人のブログ↓で紹介されて居たので飛んで参りました。
http://blog.goo.ne.jp/goolovelove/e/bae36a3143cbe6808a39572e6f7c4e25
読んでいて思わず笑ってしまいました。文章がお上手ですね。
ハーディング・・・スンゴイひとでしたねえ・・。
ケリガン・・・でもとにかく美人でしたねえ・・。
くらいしか知りません。闇討ち事件は少しは聞いていましたが、こんな内幕+オチだったとは・・詳しい説明どうもありがとうございます。初めて知った事が多かったです。
とにかく当時は(今でもそうですが)トリプル・アクセルを跳べる選手、ということで「その他の身辺事情は取り敢えず大目にみていよう的な」部分があった気がします。他には伊藤みどりさんしか居なかったのですから。
だって3Aは今に至っても他に浅田真央ちゃんと中野友加里ちゃんしか成功していませんしね。
真央ちゃんがジュニアのとき北欧で曲が始まって一度ジャンプして直ぐ靴の紐がおかしくなってやり直した時の可愛らしさとは「まさに月とスッポン」ですね。
途中で完全に止まるとは・・・しかも顔が凄い。確か先般日本にもこんな選手がいたような・・(苦笑)。
あ、そして最後の写真は「性転換」したワケじゃ無いんですよね??ビックリしました(☆_★)!
非常に面白かったです。またお邪魔させて下さい。
電車の中で何かが降りてきたかのごとく唐突に「トーニャ ハーディング」で検索して、お邪魔しました…(笑)
しっかし、ハーディングってどんな人だったか憶えてなかったんですよね。
もっと悪女ぽい美人を想像していたのに蓋を開けてみたらサル山からこんにちはといった感じの画像、素晴らしいの一言に尽きます。
ケリガンの毒舌振りもまた素晴らしい。
最近のフィギュア界にもこのくらい気のきいたエンターテイナーがいればいいんですがね~(違)