斬り捨て御免塾!!

☆エンタメ毒舌レビュー集☆

アマデウス

2005年11月10日 | 映画

監督: ミロス・フォアマン
出演: F.マーリー・エイブラハム/トム・ハルス/エリザベス・ベリッジ

天才作曲家モーツァルトの才能に嫉妬した末に殺してしまった
宮廷作曲家サリエリの物語。

絢爛豪華な映像と芳醇な音楽が溢れる、視覚的にも聴覚的にも
たいへん贅沢なステキ映画です。
わたくしが一番大好きな映画でもあります。
(二番目に好きなのは『グリーン・デスティニー』です。ドウデモイイ?)

モーツァルトといえばクラシック音楽愛好家でなくてもファンは多く、
特に日本人には大変人気がある作曲家ですね。

ただ、コアなクラシックファンである自分には、モーツァルトの音楽は
軽すぎて物足りませんが…。陰鬱な激情に満ちたロシア音楽や、
華麗で優雅で軽薄なロマン派の音楽が好きよ♪ ドウデモイイ?

さて。
この映画は、モーツァルトの人物像を、非常にリアルに描いていることでも
話題になりました。つまり、下品で変態で酒乱な男。しかしモーツアルトが
変人であったという事実は、クラシックマニアの間では周知で羞恥なこととして
知られています。(モーツアルトにはスカトロ趣味があったということです)

一方、
もう一人の主人公である宮廷作曲家アントニオ・サリエリについては
その音楽も人物像も、クラシックマニアの間でもほとんど知られておりません。
つまり歴史に名を残すことが出来なかった、負け組作曲家というわけです。

そんな負け犬サリエリが、勝ち犬作曲家モーツアルトに激しい嫉妬の炎を燃やし
殺害を計画。げに恐ろしきは男の嫉妬、というわけですね。

しかし、よくよく映画を見てみると、サリエリがモーツァルトを殺してやりたい
と思っている本当の理由は
音楽的才能への嫉妬ではなく、そのバカっぷりが許せないという
非常に低次元な理由であることがよくわかるのです。

サリエリが所属する当時(1700年代)の貴族社会においては、
なによりも高潔で敬虔な人間性が必要不可欠であったのはよくわかります。
そんな中に、礼儀も常識も欠いた無邪気なバカであるモーツァルトが
「音楽的天分」のみを武器に乗り込んできて、貴族や皇帝の尊敬を得、
サリエリの作曲した音楽までもコケにする・・・・・。

人一倍禁欲的で礼節を重んじるサリエリにとっては耐えられない屈辱だった
のでしょう。挙句に、片想いしていた女まで寝取られて、サリエリの怒りは
ついに爆発するわけです。

「偉大な才能と人間性は必ずも比例しない」

劇中でサリエリがそう嘆いた言葉が非常に印象的でした。
現代ではむしろ、突出した才能の持ち主は変態ばかりである
という事実が公に認知されております。それは芸能界を見ればよくわかります。


サリエリの悲劇の原因は「凡庸な才能」ではなく、その「生真面目な性格」に
あったということを、この映画はゴージャスな映像の中で教えてくれるのです。
クソ真面目な堅物
よりもあけすけな馬鹿が愛される
のは、昔も今も変わらないのかもしれませんね☆



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映画『アマデウス』のパロディー/ ホットペッパーのCM「まだ伴奏」篇

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ターミネーター3

2005年11月10日 | 映画

監督: ジョナサン・モストウ
出演: アーノルド・シュワルツェネッガー/ニック・スタール/クレア・デインズ/


「続編(Part2)は成功しない」のジンクスを破った
数少ない作品が『エイリアン』と『ターミネーター』だった。
しかし、「続編の続編は成功しない」のジンクスは
いまだ破られていない。

思うに『ターミネーター3』の最大の敗因は
キャストにあると思う。

野暮ったいヒロイン。
華のない敵キャラ。
成長しすぎて親父顔になった主人公。
そして老いさらばえたシュワルツネッガー……。

第一作からのファンにしてみれば、なにか悪い夢を
見ているような気にさせられてしまう。
しかし、ふと気がついた。

「これってもしかしたら、『ターミネーター外伝』??」

不屈の闘士サラ・コナーが白血病などという乙女ちっくな
病で死んでいたのも、
人類救済に目覚めた少年戦士ジョン・コナーがただのヤク中の
チンピラになっていたのも、
不死身のはずのターミネーターがシワシワの老人顔になっていたのも、
前作・前々作の苦労を嘲笑うかのように核ミサイルが成層圏を飛び交うのも、
すべてパラレルワールド内の出来事だったと思えば納得がいく。

つまりこの映画は、前作・前々作とは無関係な「外伝」なのだ。
シュワルツネッガーがカリフォルニア知事選挙に出馬するための選挙資金を
稼ぐためだけに企画されたトンデモ映画だったのである。

当然、「続編の続編は成功しない」というジンクスも当てはまらない。
「外伝」には成功も失敗もない。
ただ単純に腹をかかえて笑いながら楽しめばいいだけの話しなのである。



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