建築家のブログ 西尾善博 【 多治見 土岐 瑞浪 恵那 可児 版】

瑞浪の設計事務所。近代建築を研究。シンプルで、温かく、しっかりした設計を心がけています。

暖かい喫茶店

2012-02-15 21:12:48 | 計画・模型
せっかくなので、暖かい喫茶店を考えました。

「暖かい喫茶店」

春の野原に、一枚のモルタル仕上の白い壁が立っています。

壁の影で、お姉さんがポットからコーヒーをカップについでいます。

春の日差しの中、野原に腰掛けた私のところに、コーヒーが届きました。

「雨が降るといけないので、屋根が必要ですね。
  水平に伸びた屋根を、鉄の柱で支えましょうか。」

(いつか、絵にして見ます。)


暖かいということ

2012-02-15 21:02:10 | 建築作品
暖かいといって思い出すものは、
日の当たる縁側とつくしの生える頃の日の当たる土手。(facebookにも投稿した。)
建築を作るときに、「暖かい」というのは重要なキーワードですが、
結局自分の行き着くところは前記の通りかな。



もちろん、タンポポやレンゲの咲く田んぼだとか、
昼の日が差し込むリビングだとかも暖かいのだが、
それは土手や縁側の言い換えですね。


子どもたち、夢を持たないで

2012-02-14 08:24:50 | 政治・教育他コラム
最近の教育で、子どもたちに将来の夢を持たせて、そこから逆算して今何をやらなければならないかを指導するやり法があります。そして、夢が具体的であればあるほどよくて、夢を紙に書いたり写真を作ったりするのです。
私はこのやり方に疑問があります。



というのは、子どもたちが今やっていることに感動しなくなっているような気がしています。今やっていることは全て将来の夢へのステップであり、手段なので、ひとつひとつの成功や失敗が全てクールに捉えられ、さらには効率を追求されてしまうのです。
たとえばプロ野球選手になりたいのなら、その前に野球の強い高校で活躍する。その前に中学の野球で成績を出す。そのためには小学校の試合でいい成績を上げる。そのために今日の試合に勝つということになるのですが、そうすると、今日の試合に勝ったことや負けたことが本当にうれしいのか、また悔しいのかを感じる前に、意味があったのかと考えてしまうのです。だから、若いスポーツ選手のコメントもつまらないものになってしまいますし、表情を見てもさめた感覚を感じてしまいます。
子どもというのは、小さなことにでも素直に感動することが大切です。子どもの頃にしか感動できないことがあるのですから、今日の出来事はその場で感動して、一日一日を過ごしていって欲しいのです。
カブトムシを取って感動したとか、友だちと遊んで楽しかったとか、将来に関係なく純粋に感動して欲しいのです。
大人になって仕事をするようなると、仕事上の目標を定めて一つひとつのことを効率よく行って夢を実現することは大切なことです。でも、子どもの成長については、効率を無視して純粋に感動して欲しいし、情緒を育てて欲しいと思います。

健康的な家

2012-02-14 08:20:09 | 計画・模型
新しいプランができました。健康的な家です。というのは、「家は太陽の光を受け取るもの」というコンセプトで、2階のバルコニーを充実させ、内部の空間は解放的に構成しています。先日のプランを拡張したもので、模型では複雑な建物に見えますが、考え方はシンプルです。延べ床面積が60坪以上になりそうなので、3000万円から4000万円コースですねえ。







内装もシンプルですが、濃い色目の材料を採用するつもりです。
近代建築に学んだデザインです。


お寺の屋根瓦

2012-02-11 08:41:14 | 建築に関するコラム
地震からみですが、
日本の大きなお寺の屋根。たいていは瓦で葺いてあります。住宅用と比べ大きな瓦で葺き方も違います。重厚な構造になっていて大変どっしりとしています。そして大規模なものは勾配が非常に急になっています。


(唐招提寺 参考)

ただし、屋根が重いということは地震には不利な条件です。しかしこういう大きなお寺は屋根を急勾配にすることで、大きな地震があったときには瓦がパラパラと先に落ち、屋根が軽くして建物の倒壊を防ぎ、中にある仏様を守るという説があります。
「なるほど。」と思うわけですが、しかし建築家としては瓦が落ちた時点で「建物の一部が壊れた」と考えるわけ、お寺ならではの美談かなと思っています。