建築家のブログ 西尾善博 【 多治見 土岐 瑞浪 恵那 可児 版】

瑞浪の設計事務所。近代建築を研究。シンプルで、温かく、しっかりした設計を心がけています。

家づくり、ちょっと一休みして

2015-10-13 21:48:26 | 建築作品

ここまで間取りをつくってきましたが、このあたりでちょっとひと休みして検討しなければならないことについて考えてみます。主に次の4つの分野について考える必要があります。

1、法律

2、構造

3、予算

4、オプション

 1.法律については、実はこの規模の敷地でこの程度の面積の平屋の建物で構造が法律的に問題になることはほとんどありません。法律は集団規定といって、この地域に建ててもよい用途かどうか、面積や道路との関係は問題ないかといったことをチェックしますが、近隣に住宅があるような場所ならほとんど問題はないでしょう。また単体規定といって建物自体の構造や採光などの条件は満たされているかチェックしますが、一般的な高さ、広さであれば問題はありません。敷地については、周辺との高低差が2m以上の段差があるとガケ条例の対象となる場合がありますが、そういう場合は始めから高低差を活かした計画をするよう心がけましょう。

 2.構造については実は木造を前提に進めてきました。地震に耐えるため、あるいは強風、積雪に耐えるために柱や筋違、壁の配置が重要ですが、この方法では初めに建物を4つの部分に分けて考えるようにしていますので、それほど大きな空間をつくることもないので構造的に問題になることはないと思います。もし大きな窓をつけたいとか壁をもっと減らそうとするならば鉄骨造等の工法を検討すればよいでしょう。

 3.予算については、坪当たりの単価を50万円弱で想定しています。システムキッチンや洗面化粧台をどういうものにするか、壁紙や外壁の仕様、建具の仕様などで金額は異なりますが、50万円で想定して予算を立ててから工務店などに相談し、余裕があればグレードアップ、厳しければ仕様や構造の見直しをすることになります。いずれにせよ坪あたり50万円程度で収まるのが望ましいと思います。

 4.オプションについては、オール電化や断熱性能のアップなど建物の構造に関わるものから、キッチンのグレードアップ、便器のグレードアップ、間接照明などなどの設備機器、木製建具や階段の手すりなど建築部材などさまざまなものがあります。予算と相談しながら繰り返し間取りを変更していく中で織り込んでいくことになります。

 以上については、実は設計士の仕事です。もちろん設計士の一番重要な仕事はお客様の希望を形にすることですが、お客様の見えないところで専門家としてこれらの検討を行っています。ときどき「建築家は予算を無視してかっこうばっかり考えている。」といわれますが、予算を無視して設計の仕事は成り立たないことはよくわかっています。


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1 コメント

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Unknown (自分)
2015-10-23 00:31:49
自分でコメントするのも変だが、補足という意味で。
建築の設計は本当はどこから設計すればよいのかは決まっていない。イメージから入る人もあれば必要な条件をまとめてから設計する人もある。大規模なものだと採算が合うかといった計算から入る場合がある。
このブログでは順を追って説明しているように書いているが、実際はもっと自由に考えている。
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