新しい風を 起こそう!   ~日本をよい国に~

一人ひとりの願いを大きな風に変えて・・・
今 動き出そう!



 

五十鈴川

2009-08-25 08:40:12 | 日記
小さな子どもを連れた家族連れが、お参りに来られました。
ちょうど橋を渡るときに、子どもがお父さんに「ねぇ、お父さん、この川は何という名前の川?」と尋ねました。
お父さんは、答えました。「この橋は、宇治橋っていうから、宇治川だな」
それを聞いた子供は、「お父さん、何でも知っているんだね。すごい!」と喜びました。
お母さんも嬉しそうに、「お父さん、すごいね」と微笑んでいました。

 ***

伊勢神宮。
清らかなる川にかかる橋を渡り、内宮に至る。
以前、伊勢を訪れたときに、そんなお話をうかがった。
続きがある。

 ***

その家族の様子を近くで見ていた私は、「違いますよ。この川は五十鈴川です」と教えてあげようと思いました。
でも、その時ふと思ったのです。
“この川は宇治川ではなく、五十鈴川である。でも、そのことを今伝えることが、本当にいいことなんだろうか”と。
この家族にとって、川の正式な名前よりも、このような会話の中で、お父さんを尊敬する気持ちができるほうが大切なのではないかと思ったのです。
私は、結局その家族には何も言いませんでした。

 ***

家族に関心もなく、話しかけることなく過ぎていく人。
「これは五十鈴川ですよ」と正しい知識を伝えようとする人。
“あのお父さん、間違ったことを子供に教えている”と横目で見ながら通り過ぎる人。

いろんな人がいるだろう。
その中で、家族のつながりの大切さを思い、あえて黙ることを選択する人は少ないのではないか。

無関心でいたり、ついつい出しゃばったりすることの多い自分自身を省みる・・・
そんな伊勢での学びだった。
コメント (2)
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