戦場ヶ原からこんにちは

日光自然博物館がお送りする奥日光の自然情報+αです。

新・山の上からこんにちはvol.191

2016年12月23日 | 新・山の上からこんにちは

こんにちは、日光自然博物館です。

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館の

イベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

■ 今朝の奥日光は6℃ (博物館周辺 8:00時点)

一年の締めくくりはやはりここだろうということで、戦場ヶ原を歩いてきました。

赤沼から入って、小田代橋の先の分岐で光徳方面へのルートをとると、戦場ヶ原を時計回りにほぼ一周することができます。
戦場ヶ原の真ん中あたりに位置する丘(糠塚)のおかげで、どの道からも戦場ヶ原全体を一望することは難しいのですが、このルートだと戦場ヶ原を全方向から見ることが出来る、贅沢コースになります。

 

 ←小田代橋~光徳間の、戦場ヶ原北側からはこんな感じ。(画像クリックで拡大)

 

ここ数日の暖かい気候のせいか、暖冬のせいか、全体的に積雪量は多くありませんでした・・・。
しかし! 木道の下や脇にはふかふかの雪が残っていました!
そんな雪の上にはこんなものがたくさん残っているのでわくわくしてしまいます。

 

 

長径5cm程度で、手のひら(足のひら?)や指の跡のつき方はイヌに似ています。
左右にぶれる歩き方から想像すると、これはタヌキなのかな、と思いました。
(同じイヌ科にはキツネ(足跡がほぼ一直線上に並ぶ)もいます)

 

他にも、点々と続く足跡と、途中くぼんだところもありました。
(画像クリックで拡大)
ここで座ったり、落ちていた何かを拾ったり、尻尾で雪面をたたいたり・・・そんな行動を想像してみると、足跡の持ち主がぐっと身近になるような気がしました。

 

また進んでいくにつれ、他の季節と比べて、木道の上に「動物たちの落し物」=フンが多く見つかりました。

フンをあなどることなかれ!
大きさや形から、誰のなのか予想することもできますし、中身も実は面白いんです。
そんなわけで、手近な枝でさっそく崩してみました。
※お食事前後の方はごめんなさい

 

 

長さ約20cmが折れ曲がった形の、小指ほどの細長いフン。おそらくイタチかテンもの。

中からは、黒っぽい毛にがんじがらめにされた5mmほどの小さな背骨が出てきました。
骨の大きさと捕食者をあわせて考えてみると、食べられていたのはネズミの仲間だと思います。

 

実はこの日、木道沿いのミヤコザサの根元がガサガサ揺れる場面がいくつもありました。

姿を見ることはかなわなかったのですが、おそらくネズミの仲間が食糧調達のために地上に顔を出したのでしょう。
そんな一匹が、運悪く捕食者に見つかってしまい、先程のフンの中から出てきたのでは・・・

食糧の少ない冬。自然の中で生き抜く厳しさを、改めて思い知らされた心地がしました。 (山)

 

!!!! 冬期期間(来年4月まで)、赤沼の駐車場は閉鎖しています !!!!
今回、三本松の駐車場に車を停めて、三本松~赤沼、光徳入口~三本松の道は国道沿いを歩きましたが、
歩道-車道間のポールが取り外されていますので、車との接触には十分注意してください。

 

■ 自然体験イベント情報

★「ちびっこスノーシュー2017」 平成29年1月22日(日) 〈1月12日(木)締切〉
雪遊びを中心とした親子向けのスノーシュー入門。スノーシューのレンタル付きでお気軽にご参加いただけるライトなイベントです。 

★「親子で雪の運動会2017」 平成29年1月29日(日) 〈1月19日(木)締切〉
雪上ならではの競技を行いながらチームで優勝を目指します。パウダースノーの中、大人も子供も大はしゃぎのイベントです。  ホットドリンクのサービスもあります。 

★「スノーシューで雪の森へ!2017
①平成29年2月4日(土) ②平成29年2月18日(土) ③平成29年2月25日(土) 〈各回10日前締切〉
今年も雪深い奥日光の森へ冬ならではの「楽しい」をたくさん見つけに行きます。 

★「雪上ナイトハイキング」 平成29年2月4日(土) 〈1月25日(水)締切〉
雪の森の楽しさは昼間だけにあらず!夜ならではの楽しさを見つけちゃう日光自然博物館「初」のこころみです。

 

■ 企画展情報

◆「干支展 奥日光の野鳥たち」 平成28年11月26日(土)~平成29年2月12日(日) (休館日を除く)
平成29年はトリ年!この企画展で、野鳥の世界にどっぷりはまっちゃうこと、まちがいなし!?