戦場ヶ原からこんにちは

日光自然博物館がお送りする奥日光の自然情報+αです。

新・山の上からこんにちは vol.19

2013年08月09日 | 新・山の上からこんにちは

こんにちは、日光自然博物館です。
奥日光の自然情報を中心に、日光での話題や最新情報、さらに日光自然博物館のイベント情報をカテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしています。
■本日の奥日光の状況 23℃(博物館9:00現在)

今回は切込湖・刈込湖へ行ってきました!
最近の奥日光にしては珍しく、天候にも恵まれた1日でした。

以前にも切込湖・刈込湖コースをご紹介していますが、夏真っ盛りということで、改めまして、このコースを選びました。

それはなぜかというと…こちらがあるから

Dsc_0220

ただの岩?
写真ではお伝えできないのがとても残念ですが、実はここからとっても冷たい風が流れているんです!
風穴(ふうけつ/かぜあな)と呼ばれる、洞窟・洞穴です。

流れる風は、まるで自然のクーラー!
寒いと感じるほどの風が流れる風穴が、このコースにはいくつもあります。

そんな中見られる、今の時期の花々。

Dsc_0261Dsc_0492
クルマバナ(左)や、イワオトギリ(右)

Dsc_0850Dsc_0917
タケシマラン(左)や、ミヤママタタビ(右)には、実がなっていました。
鳥や動物たちも、これを目当てにやってくるかもしれませんね。

このように観察をしながら湖に向けて歩いていると、不思議なものを発見!

Dsc_0100_2

毛虫に米粒のようなものが、たくさんついています。

あまりに不思議だったので、帰ってから調べてみると…
この米粒のようなものは、ハチの繭(まゆ)でした。

なぜこんな姿になってしまったかというと、
コマユバチというハチは、チョウなどの幼虫の体内に卵を産みつけます。

卵からかえったハチは幼虫を食べて育ち、外に出て繭をつくり、サナギになるということでした。
この幼虫はハチに寄生されていたのです。

寄生されてしまったこの幼虫、いずれ死んでしまうそうですが、私が見た時は懸命に生きていました。

自然の世界には、怖さと同時に強さも感じます。
コマユバチも賢く生き、寄生された幼虫も強く生きていました。

こんな発見をしながら歩いた、湖までの道のり。歩いた先にはすばらしい景色が待っていました。

Dsc_0780_2

しかし、歩く途中、半そで半ズボンなどの軽装の方と多く行き交うことがありました。

このコースはハイキングにしては少しハードなので、身を守るための十分な準備と十分な時間を取って、歩いていただきたいと思います。(こ)

Dsc_0456_3

■イベント情報
8月の週末は、自然解説員と一緒に、奥日光の自然を歩いてみませんか?!
定員は各回20名です。
①戦場ヶ原ガイドウォーク(8月の毎週土・日曜日、但し31日は除く、各日2回)
参加費:300円
②戦場ヶ原ナイトハイキング(8月の毎週土曜日、但し31日は除く)
参加費:800円
③中禅寺湖ナイトハイキング(8月の毎週日曜日)
参加費:800円

■企画展情報
①『奥日光の動物展』
平成25年8月8日(木)~9月29日(日)
奥日光に住む動物の写真や、はく製を展示しています。

②夏休み特別展 ~涼しい奥日光においで~
『夏休み 体験!発見!わくわく祭り おもしろ昆虫展』
平成25年7月27日(土)~8月18日(日)
世界のカブトムシ・クワガタムシの生体展示や、昆虫のペーパークラフトなどを毎日実施!
ご来館お待ちしております!