東京保健生活協同組合 看護部・看護学生室ブログ

奨学生活動や研修の様子
看護の現場の情報をお知らせします♪

6/16褥瘡学習会を開催しました

2016年07月05日 | 勉強会

東京保健生活協同組合 大泉生協病院にて開催した学習会の報告です。

褥瘡学習会を開催しました

 

2016年6月16日(木)、大泉生協病院 にて

褥瘡学習会「今日の褥瘡治療」が開催されました。

講師としてお招きしたのは、

東京大学大学院 医学系研究科
老年看護学/創傷看護学分野 教授 真田 弘美先生です。

講演

  1. 栄養の重要性に迫る
    褥瘡のケアにおいて栄養管理がなぜ重要なのか。
    また、肉芽色の解析によって栄養介入の効果測定を行う手法について。
     
  2. 浸出液量をケアに活かす
    浸出液管理法をDESIGNの得点をもとに標準化・数値化し、
    液の量や性状に応じた適切なドレッシング材を選ぶ手法について。
     
  3. ロボテックスマットレスは医療をかえる
    ロボット工学技術を用いたマットレスは、人間と違い疲労しない。
    ロボット技術(ロボテックス)を医療に用いることで得られる利点について。 
院内ラウンド

講演後、看護職員、管理栄養士、リハビリスタッフなどが
真田先生と共に病棟内の巡回を実施。

ラウンド後に行った懇親会では、

「処置や除圧について実践的に学ぶことができました」

との感想が寄せられました。

今回の学習会を通して、褥瘡ケアに先進的な研究が重ねられ、
たえず知識・技術が進化し続けていることを知り、
聴講した職員にとってはたいへん大きな学びになりました。

真田先生、ありがとうございました! 


5月土曜講座「ポジショニング」レポート

2016年06月01日 | 勉強会

こんにちは、東京保健生活協同組合 看護学生室です。

6月に入り、汗ばむ陽気になってきましたね

5月21日(土)、毎月恒例の看護技術講座を東京健生病院にて開催しました!

「ポジショニング」

今回のテーマは「ポジショニング」

ポジショニングを実践で学習!

人間の身体は、長時間同じ体位をとりつづけることに苦痛を感じます。

同じ部位に圧力がかかると、皮膚の細胞が破壊されて褥瘡(床ずれ)が生じたり、

関節が拘縮したり変形したりしてしまうこともあります。

自分の意志で動けない方にとって、褥瘡予防、関節拘縮・変形予防のため、

定期的に体の格好・姿勢を変えて圧力を取り除く「体位変換」は必須!

このような除圧目的の体位変換を含め目的に応じた姿勢・体位を保持することを

総称してポジショニングといいます。

今回、7名の看護学生さんが参加され、交替でポジショニングを実践。

実際に病棟で使用しているクッションを用い、重力の影響を考えながら

ベッド上での安全・安楽な体勢を探りました!

病棟で使用しているクッションも、素材はさまざま。

場面に応じて使い分けているそうです。

一般的なクッションでは厚すぎる場合は、バスタオルをたたんで代用します。

たたみかたによって厚みを変えることで、さまざまな場面で使用できますね。

ここでは脇から上腕の下にかけてはさんでいます。

先輩NSからのアドバイス

今回は、特に「褥瘡予防」という観点から

「褥瘡のできやすい部分(特に踵)がベッドや身体に触れないようにクッションで浮かせる」

といった具体的なアドバイスをもらいました。

なお、重力(人間工学や力学法則)の勉強は、難しいけれども現場では必須の考え方。

ポジショニングと重力の関係は日常の療養生活の中で常に意識するため、

しっかり学んでおくと現場でとても役に立つそうです!

参加学生の感想

実習では安楽な体位を保持するのに苦労しました。今回、「重力を意識することが大切」ということを学び、なるほどと感じました(看護専門学校 2年生)

負担がかかっている部分を考えてクッションを入れる角度を調節するのが難しく、実際に体験し、研究していく必要があると思いました。(看護専門学校 1年生)

まだ実習をしたことがなく、今日初めて患者さんがどうすれば楽な体勢でいられるかということを学びました。楽しくたくさんのことを学べてとてもよい体験ができました。(看護専門学校 1年生)

ご参加ありがとうございました

次回の開催予定など、お気軽にお問合せください。

また、東京保健生協 看護部のwebサイトでも随時お知らせしています!


4月土曜講座「包帯法・聴診」レポート

2016年05月06日 | 勉強会

こんにちは、東京保健生活協同組合 看護学生室です。

入学・進級などでめまぐるしい4月が、あっという間に過ぎましたね

5月の連休、いかがお過ごしでしょうか。

4月16日(土)、毎月恒例の看護技術講座を大泉生協病院にて開催しました

「包帯法・聴診」

今回のテーマは「包帯法・聴診」の二本立て。

包帯の巻き方を実践で学習!

包帯法は授業内でもさらりと触れる程度のところがほとんど。

整形外科病棟の実習にでも行かないかぎり、実践する機会はなかなかありません。

まずは、環行帯(かんこうたい)・螺旋帯(らせんたい)・蛇行帯(だこうたい)

といった基本の巻き方を学生同士でチャレンジ!

さらに、足首の固定のための巻き方を学んだり、

舌圧子(ぜつあつし)を用いた指の固定法などを実践しました。

聴診の実践

また、聴診器を用いて自分の心音や腹部の音を聞きました。

聴診は、問診や触診などとともに、診察の基本となるとても大事な技法のひとつ。

看護学校によっては、音を聴いて部位と異常の種類を当てる…という聴診の試験があるところも。

正常を知り・異常がわかる

「この音が聴こえたら何々が起こっている!」とわかるようになることが理想的。

まずは、肺の音・心臓の音・腸の音など、それぞれの

正常な状態を知っておくことが異常の発見につながります

実習の中でも自ら聴く機会を作ること、また、胸の上下動も正常な状態を観察しておくこと…など

先輩ナースからのアドバイスをもらいました

参加学生の感想

授業では浅く包帯法を行っただけだったため、復習をかねて再度学ぶことができてすごく学びになりました。(看護専門学校 3年生)

まだ教えてもらっていないことだらけでしたが良い体験ができてためになりました。(看護専門学校 1年生)

次回はポジショニングの実践!

5月の看護講座は5月21日(土)。テーマは「ポジショニング」です。

褥瘡予防や関節拘縮予防などをはじめとして、看護上たいせつな技術です。

実習前にぜひ実践で学んでおきませんか?

詳細はこちら


春の医療講座を開催しました!

2016年03月23日 | 勉強会

こんにちは!

東京保健生協(東京健生病院・大泉生協病院)の看護学生室です!

3月も半ばをすぎて、東京都内でも桜がほころび始めましたね

3/20(土)、大泉生協病院にて春の医療講座を開催しました。

高校生11名、看護学生4名、医学生3名計18名が参加!

春の医療講座
「ヘルスプロモーション
~健康ってどうつくる?~

ヘルスプロモーションとSDH

講師:大泉生協病院 齋藤文洋医師

WHOの健康の定義とSDH

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)

WHO(世界保健機関)の定義する健康な状態とは、上のような状態をいいます。

また、健康の前提条件(社会的決定要因 Social Determinants of Health)として、以下の8つを挙げています。

1.平和 2.住居 3.教育 4.食糧 5.収入 6.安定した環境 7.持続可能な資源 8.社会的公正と公平

さて、これらをふまえた上で、ヘルスプロモーション(健康づくりや健康増進と訳されることが多いです)とは

いったいどのような活動を指すのでしょうか?

ヘルスプロモーションとHPH

オタワ憲章(WHOがオタワで開催した国際会議で採択した健康づくりの指針)では、ヘルスプロモーションを以下のように定義しています。

ヘルスプロモーションとは人々をして健康を自らのものとし、より良い物にできるようにする過程である。

さらに、

健康とは毎日の生活の糧であり、生きる目的ではない。

とも言っています。

つまり、健康とは身体的・精神的・社会的によりよく生きるための資源にすぎないのです。

ヘルスプロモーションは、その健康という資源を確保するためのあらゆる取り組みを指すと言えます。

私たち医療者は、個人や地域での取り組みを支援したり、その環境を整えたり、

ときには行政や社会に対してはたらきかけています。

このような役割を担う病院を、ヘルスプロモーティング・ホスピタル(HPH)と言います。

大泉生協病院と東京健生病院はHPHの国際ネットワークに加盟しています!

 

地域で実践されているヘルスプロモーション

講師:学園通り支部 副支部長 H.M氏

私たち東京保健生活協同組合は、生協という法人のカタチをとっています。

地域のひとびと(組合員)がお金を出し合って、病院や診療所をつくってきました。

また、出資にとどまらず地域では組合員が中心となって様々な活動を行っています。

今回、地域での「居場所づくり」として設立・運営している「柿の木ハウス」について、

たまり場としての機能や活動の内容を紹介してもらいました。

みんなでご飯を作って食べる、いっしょに麻雀を楽しむ、小物づくりをする…

など、多彩な活動の様子が語られました。

独り身の高齢者の方にとって、集まってお話をすることがどれだけ生きる気力になっているだろうか、と思わせられます。

これも、ヘルスプロモーションのひとつのカタチですね

グループワーク

講義の後は、グループワーク。

「健康のために自分自身ができることはなんですか?」

というテーマで、それぞれの意見を聞きました。

学校も年齢も違う、色々な立場からの声で、たいへん盛り上がりました!

参加者の感想
  • ”健康は生活の糧であり、生きる目的ではない"という点が印象的でした。また、社会的問題にアプローチすることは医療者の義務である、という言葉を心にとめてこれからを過ごしたいです。(大学医学部 1年生)
  • 世界で戦争などがあるところとくらべると、日本は幸せな環境だし、普通に過ごせていることが健康なのかと感じました。(大学看護学部 新1年生)

講義は難しかったという声が多かったですが、しっかり学んで帰ってもらえたようで嬉しいです。

ご参加ありがとうございました

関連記事

東京保健の看護奨学生が今回ご紹介した「柿の木ハウス」を訪問した際の記事です。ぜひご覧ください♪


東京健生病院・看護介護活動交流集会

2016年03月17日 | 勉強会

こんにちは、東京保健生活協同組合 看護学生室です

3/2(水)、東京健生病院にて
2015年度看護・介護活動交流集会が開催されました!

看護介護活動交流集会

今年度のテーマは、
「看護・介護の原点に戻ってみよう!
~その人らしさをありのままに~

病院内の各職場から集まった演題の総数はなんと78演題

集会では、この内12演題が発表されました。

発表演題一覧
  • 『孤独死防止のための課題~外来看護のできることとは~』(外来センター 看護師)
  • 『自己決定 納得した継続診療』(在宅医療部 看護師)
  • 『当透析室における感染管理と標準予防策の現状』(透析室 看護師)
  • 『食事に対する患者の思いを考える』(1階療養病棟 看護師)
  • 『病院での抑制について考える』(1階療養病棟 介護福祉士)
  • 『スキンテア予防の取り組みについて』(2階療養病棟 看護師)

  • 『入浴拒否をする方に入浴して頂く方法を考える』(2階療養病棟 介護福祉士)
  • 『その人の出来る事をアセスメントし、希望を叶えられるように援助する大切さ~入院当日の排泄希望の場面から~』(3階地域包括ケア病棟 看護師)
  • 『在宅復帰へ向けての血糖測定・インスリン注射が必要な高次脳機能障害患者への関わり』(4階回復期リハビリ病棟 看護師)
  • 『問題行動される認知症患者への接し方』(4階回復期リハビリ病棟 介護福祉士)
  • 『ターミナル期ではじめて入院する患者、家族との関わりを「全人的ケア」の視点で振り返る』(3階地域包括ケア病棟 看護師)
  • 『日帰りCS患者さんへのアンケートを実施して』(内視鏡室 看護師)
患者の立場に立つ看護・介護

どの事例も、「患者の要求から出発する」という健生病院の看護・介護の特徴がしっかり現れていました。

患者さんの人権を尊重すること。

患者さんやその家族の思いに寄り添うこと。

それが、東京保健生協が目指す看護・介護です。

今回、各職場での取り組みを互いに学び、共有できました。

この学びを通して、さらなる看護・介護実践の充実を目指していきます!

演題集あります!

記事中で演題名を紹介した12演題を含む全78演題が、冊子にまとめられています。

現場での実践がよくわかる一冊になっています!

興味のある方は、東京保健生活協同組合 看護部 看護学生室までお問合せください。