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ブログ版ネクストテクストです。

数学と私

2005-01-24 13:30:19 | いつも雑念ばかり
前回のエントリで予告した通り、数学について書く。私は数学が苦手だ。中学校まではそんなこともなかったのだ。苦手な科目といえば理科くらいで、あとはたいてい何でも好きだった。転機(というか転落か)が訪れたのは高校1年生のときである。

私が入学した高校は、私立校によくある中高一貫教育の学校であった。中学生のうちに公立高校の1年生程度まで学び終る。したがって内部からの進学者と、私のように高校から編入した者とではどうしても勉強の進み具合に差があるので、高校1年生のときは内部進学者のクラス(3クラス)と、われわれ編入組(1クラス)とでクラスが完全に分けられていた。

ところが高校2年生になったら内部進学組、編入組に関係なくクラスが編成される。中学生時代に高校1年生の授業が終っている内部進学組には、高校1年生になると高校2年生レベルのカリキュラムが組まれているので、編入組の高校1年生は、高校1、2年生の2年分を一気に消化しなくてはならないわけだ。

私の場合、この高校1年生のときに数学がまったくついていけなくなった。最初は必死で喰いついていこうとしたのだが、だんだんとそれが追いつかなくなり、秋頃になってそれがエスカレートし、遂には完全に諦めてしまった。内積とかベクトルとか三角関数とか加法定理とか行列とか何がなんだかさっぱりわからない。鬼のようなスピードで授業を進めるS先生やT先生が嫌いになり、数学自体も嫌いになってしまった。

と、ここまで読むとあたかも数学が苦手になった理由が高校教育にあるかのような印象を与えるが、高校1年時に同じクラスだった(つまり同じ授業を受けていた)同級生たちは別に落ちこぼれることもなかったようなので、これはもう運とか縁とかそういう次元のものであろう。あの、たった32年しか生きてない癖にこういうこと言うのもアレですけど、我が身を振り返ってみて「運」と「縁」の二つの要素が人生に占める割合って呆れるくらいに大きいですよね。

なお、ついでに言うとこの時期、物理と化学の2教科に関しても全くお手上げ状態となり、数学と併せたこれら3教科では高校時代を通じて赤点を含むひどい点数を取り続けた。とりわけ物理の成績がひどくて、テストで0点を取った最初でおそらく最後の(←希望的観測)科目である。

そんなわけで高校2年生の頃には絵に描いたような文系志向者となってしまった。以来15年余り。数学嫌いは随分マシになったけれども、苦手意識は延々と今でも続いている。その裏返しであろうか、数学のできる人を無条件で尊敬する。私は後悔をほとんどしないタチなんだけれども、数学に関してだけは別らしい。「あのとき、もう少し喰らいつく努力をしていればなあ・・・」とたまに思うことがある。

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