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ブログ版ネクストテクストです。

とある事情でベトナムと香港 (4)

2007-01-04 10:17:48 | 旅のはなし
街の印象、香港に続きまして今度はベトナム篇。

といっても訪れたのは南部のホーチミン市(旧サイゴン市)のみなので、北部のハノイだとか中部のダナンだとかはまた全然雰囲気が違うのかもしれないので悪しからず。

ホーチミン市に着いたときの第一印象は、「中南米の大都市に似てるなあ」であった。とくにペルーのリマとかメキシコのメキシコシティーと共通点が多い気がする。たしかに人の雰囲気は全然違っていて、当然のことながら中南米のあのラテンな明るさは無い。でもあの雑然として混沌としてやたらに活気があって騒然としていて、というあたりがそっくりなのだ。リマの街を覆っていたのはタクシーのクラクションと排気ガスだったが、ここホーチミンを覆っていたのはバイクのクラクションと排気ガスであった。


* バイクで混雑するホーチミン市の朝


* バイクで混雑するホーチミン市の昼


噂には聞いていたが、やはり聞くのと見るのでは大違い。たぶん人口よりもバイクの数のほうが多いと思う。若い女性や、おんぶやだっこされてる子供は、美容や健康に気を配ってマスクや頬っかむりをしている人が多く、このマスクがバイク集団の凄みを一段と増している感がある。

信号がまったく機能していない(交差点の信号は、存在しないか壊れているか使用されていないかのいずれかである)ので道の向こう側に渡ることは一大事業である。現地の人たちがすいすいと渡っている横で、観光客だけは一向に向こう岸に辿り着けない。それでも街の交通がマヒしていないのが面白い。土地には土地の秩序があるのだな。交通事故もほとんど起こらないんだとガイドさんは言っていた(もちろん現地の人の話なので信用できないけれども)。


* バイクで混雑するホーチミン市の夕方


* バイクで混雑するホーチミン市の夜


* バイクで混雑するホーチミン市の翌朝


すべてのバイクがひたすらクラクションを鳴らし続けているので、セミに囲まれて過ごす真夏の公園のようだ。けれどもホーチミン市では、日本の街中で耳にするあのイラつかせる騒音、すなわち店から流れる大音響のバカ音楽とか、宣伝の連呼とか、右翼団体の軍歌とか、選挙カーの候補者連呼とか、がない。だから慣れてくると東京や大阪よりも快適かもしれない。


* こういう市場とかも雰囲気が南米そっくり


* 100年くらい続いたフランスの植民地時代に建てられたカトリック教会。


そうか。写真を見ていていま気づいたのだが、両方ともカトリックの国に植民地支配されていたのだ。だからコロニアル風の建物なんかも共通していてますます街が似ているように感じるのだろう。とはいえ、フランスの植民時代の面影は建物くらいで、いまの若者はもうほとんどフランス語を話さず、英語のほうがむしろ通じるそうだ。

暑さと湿気がすごい。ちょうど大阪の夏真っ盛りのときと同じくらいだ。が、ホーチミン市のほうはいまちょうど乾期で最も過しやすい時期。雨期のほうの暑さと湿気は強烈なんだそう。そりゃこっちは比喩じゃなくって本当の熱帯だものな。

と、ここまで読まれた方は、うるさいし、空気は悪いし、ごちゃごちゃしてるし、暑いし、蒸すし、めちゃめちゃ過しにくそうな街やんけ、と思われるかもしれないが、さにあらず。人はいいし、メシは美味いし、活気があって楽しい街である。香港と違ってここは間違いなく外国である。ぜひもう一度、今度は観光で訪れたいと思った。


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