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ブログ版ネクストテクストです。

いしいひさいちと百貨店の歴史

2006-06-25 22:41:51 | いつも雑念ばかり
昔読んだいしいひさいちの四コマ漫画にこんなのがあった。執筆中の博士論文を担当教官にチェックしてもらっている生真面目そうな大学院生。工学部建築科あたりの研究室が舞台である。

「君の書いた「古代ギリシャ建築における様式の変遷について」という論文ね」
「はい」
「なかなかよく書けてるよ。うん」
「はい」
「ただ、一点修正したほうがいいと思うのはだね」
「はい」
「古代ギリシャの神殿なんかをだね」
「はい」
「築2500年とか築2800年とか書くのはやめておきなさい」
「はい」
(注:記憶を頼りに書いているので細部は誤りがあると思います)

最近大阪市営地下鉄の車内に吊られていた百貨店の広告を見て、20年以上前に読んだこの漫画を思い出した。

その百貨店とは大丸心斎橋店なのだが、広告にはでかでかと"280th Anniversary"などと書いてあるのだ。そんなデカい数字のAnniversaryを見るのは生まれて初めてであった。280周年ってあんた。ってことは開店したのは1726年ということだ。アメリカ合衆国の建国よりも半世紀も前だ。しかもWebサイトを見たら、大丸自体の創業はさらにさかのぼって1717年(享保2年)なんだそうだ。めちゃくちゃである。

もしかして他の百貨店もものすごい歴史を持ってるのではないかと思っていろんな百貨店も調べて年表にしてみた。驚いたことに大丸どころではない歴史を持つ百貨店がまだあるのだ。以下はそれぞれの店の公式サイトからひっぱてきた情報をもとに作ったものである。松坂屋なぞロマノフ朝成立より前に創業してるんだから信じ難い。

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1611年 松坂屋創業

1613年 ロマノフ朝成立

1642年 清教徒革命

1673年 三越創業
三井高利が江戸本町一丁目に呉服店「越後屋」を開業。8月、江戸本町1丁目(現日本銀行所在地辺り)に呉服店「越後屋」が開店

1717年 大丸創業
下村彦右衛門正啓、京都伏見に呉服店「大文字屋」を開業。(大丸創業)

1776年 アメリカ合衆国建国

1789年 フランス革命

1830年 そごう創業
初代十合伊兵衛(そごう いへえ)が、創立の基となる“大和屋”を大阪坐摩神社近くに開業
同年 フランス七月革命

1831年 高島屋創業
初代飯田新七が京都烏丸松原で古着・木綿商(屋号「たかしまや」)を始める

1834年 ロンドンでHarrods創業
もともとは紅茶の小売店だったそうである。さすがイギリス

1861年 アメリカ南北戦争勃発

1865年 パリでPrintemps(プランタン)創業

1868年 明治維新

1869年 パリでLe Bon Marche創業
同年、松屋創業
初代古屋徳兵衛横浜石川町に鶴屋呉服店を創業
同年 スエズ運河開通

1877年 そごう心斎橋店の前身が開店
大阪心斎橋筋に大和屋を移転、「十合呉服店」と名付ける

1886年 伊勢丹創業
神田旅籠町に伊勢屋丹治呉服店を創業
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ということで、2011年には松坂屋の"400th Anniversary"の広告が見られます。

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