1月12日、NHKのクローズアップ現代で取り上げたセルロースナノファイバー(CNF)は夢のある技術ですね。
当方は、2014年4月13日、TBSの「夢の扉プラス」で『原料は植物! 鋼鉄より強い“万能素材”誕生! 車のボディから家電製品まで、草木でつくる時代へ!?』で、京都大学 生存圏研究所/矢野浩之教授が技術開発したセルロースナノファイバー(CNF)を注目していました。
「夢の扉プラス」で『原料は植物! 鋼鉄より強い“万能素材”誕生! 車のボディから家電製品まで、草木でつくる時代へ!?』の番組案内を転載すると、
“「自然の力を借りて、日本を資源大国に!
鋼鉄の約5倍の強度で、熱にも強い。なのに、プラスチックのように軽く、透明にもなる─。
そんな、万能にして魔法のような素材が生まれた。
家電製品から車のボディまで、あらゆる工業製品の部材になる可能性を秘めているが、
驚くのは、その原料。なんと、“植物”からできているのだ!
この“最強の植物素材”を、世界に先駆けて開発したのが、京都大学の矢野浩之教授。
矢野が目をつけたのは、植物を構成する超微細な繊維「セルロース」。
これを植物から取り出して、小さくナノレベルにまで分解し、
まったく新しい素材をつくる技術開発に成功した。
国土面積の7割を森林が占める日本で、半永久的に生産できる、まさに“夢の素材”。
信州・長野で、緑の木々に囲まれて育った矢野。
バイオリンなど楽器に使われる木と、その音質について研究をしていたが、
ある台風の日、激しい風雨にも負けず立ち続ける木々の姿に、ハッとした。
『木は楽器になりたいんじゃない─』自然の木が持つ本来の力を活かす研究に踏み出した。
しかし、ノウハウもなく、たった一人で始めた開発は、暗中模索。
すき間がある木の繊維をどうやって強くするのか・・。難題が次々と行く手を阻む。
しかし、矢野の信念と情熱は、やがて人や企業を巻き込み、プロジェクトが動き始めたー。」“
で、都大学の矢野浩之教授が技術開発した超微細な繊維「セルロース」に取組みの紹介でしたが、植物由来素材に注目していました。
そして、クローズアップ現代の『 ”未来の紙”が世界を変える!? ~日本発・新素材の可能性~』の番組案内(全文テキストあり)を転載すると、
『日本が資源大国となる可能性を秘めた新素材の開発が進められている。
セルロースナノファイバー(CNF)は紙の繊維をナノレベルまで細かくしたもので、鉄の5倍の強さと軽さをあわせ持つ。
紙パルプから作られるため、森林が多く、紙産業の盛んな日本の強みを生かした産業になると期待されている。
京都大学は自動車メーカーと手を組み、CNFで軽量化した車の実現を目指す。今後10兆円を超えるとされる市場でトップを走ろうと、国も産業化を後押ししている。
課題となる製造コストの高さを克服し、世界のライバル国との競争に勝つことができるのか。夢の新素材の開発最前線を取材し、可能性と課題を探る。』
では、夢の扉のその後の進行形の紹介で夢のある技術と思いましたね。
番組では、
“「去年(2015年)9月。
セルロースナノファイバーに関する画期的な研究が世界の注目を浴びました。
スウェーデンで行われた、森林分野のノーベル賞といわれる賞の授賞式です。」”
とセルロースナノファイバー(CNF)が森林分野のノーベル賞を受賞と紹介されていたが、当方は、森林分野の限定でなく真の「ノーベル賞」に値すると思いました。
「夢の扉プラス」の未放送映像で、矢野浩之教授は、
“「植物の自然の環境だけで最強素材の材料になる。
この材料を作ったのは誰だと言うと、【植物だ!】
自分が植物と同じ事が出来たら、もっと偉そうにしている」“
と語っており、後日、ノーベル医学生理学賞を受賞された大村智・北里大特別栄誉教授は、受賞後に、
“「私の仕事は微生物の力を借りているだけのもので、全て【微生物】がやっている」”
と語っており、大村智教授は微生物から薬を、矢野浩之教授は植物から万能素材を生み出すのは共通性を感じます。
「夢の扉プラス」では、セルロースから新素材の開発状況でしたが、「クローズアップ現代」では、セルロースナノファイバー(CNF)とされており諸々の用途開発が現実的でしたね。
原油価格暴落で世界経済は混迷していますが、セルロースナノファイバー(CNF)は資源資本主義の世界に一石を投じることは確実でしょうね。
[追記]
当方は、自然界の秘めてる潜在能力に関心事で、本ブログ『バイオ燃料用藻類:「オーランチオキトリウム」も面白いね(雑感) 』(2015-06-19)、『バイオ燃料用藻類:ユーグレナにも期待しています。(雑感)』(2015-05-19)らを書いてきました。
化石エネルギー資源も限界になるのは明白であり、再生エネルギーに代替は不可避であり、金融・資源資本主義の現世界も変容せざるを得ないと思っており、早期決断することが賢策と思うこの頃ですね。