傍観者の独り言・戯言

団塊世代の手前勝手な放言
ブログ「傍観者の独り言」の続編

下流老人は下流予備軍を生成要因でもあるが、デフレ脱却が最善解?(雑感)

2016-01-16 19:14:03 | 雑感

昨年は、藤田孝典氏の著書『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』の【下流老人】が話題になり、老後不安感が増長しましたが、【下流老人】より下流老人予備軍の現役中高年の将来不安が悩ましい問題ですね。
「一億総中流社会」と言われた日本社会は、今や、政府は「一億総活躍社会」の実現へ挑戦・挑戦と声高に喧伝しているが、高齢少子核家族社会の現下では辛抱・辛抱に聞こえますね。

安倍総理大臣は、「本年、新たな挑戦が始まる。少子高齢化という構造的な課題に真正面から立ち向かう。一億総活躍社会への挑戦だ。戦後最大のGDP=国内総生産600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロという3つの明確な『的』を掲げ、新しい三本の矢を放つ。『一億総活躍・元年』の幕開けだ」として、そして安倍総理大臣は、「いずれも簡単な課題ではない。しかし未来は他人から与えられるものではない。私たちが自らの手で、切り拓いていくべきものだ。そのスタートを切る本年は、挑戦、挑戦、そして挑戦あるのみ。未来へと果敢に『挑戦する1年』とする」と表明。

老母を在宅介護中の団塊世代の当方は訪問ヘルパーさんらと接して、高齢少子化、共稼ぎ核家族の現状を垣間見し、庶民は皆活動していると実感しており、活動しなければ生活できないのが現実と思われ、1億総活躍社会とは、国民に何を強いるのでしょうかね。

訪問ヘルパーさんと世間話をすると、正規職員のヘルパーさんは出産2か月で働きだし、お子さんをどうしてると問うと、幼子を母親に預け長男の幼稚園の送迎は父親にお願いしているとか、母親が入院生活になり家族全般の家事を担うことになり介護職を辞することなったとか、パートのヘルパーさんは大学・高校の子供の学費が大変とか、共稼ぎ息子夫婦が出産を迎え同居し始め孫の世話で忙殺され訪問ヘルパーを辞めざるをえないとか、共稼ぎ両親と同居している祖母の介護の手が無く正規社員からパートに変更したとか、皆庶民は懸命に家計に汗を流しています。

孫の面倒をみるイクジジ・イクババの語句をメディアで散見しますが、余裕ある高齢者の場合には歓迎の側面もあると思うが、適宜の保育所が無く共稼ぎ夫婦が老親に子育て支援をお願いしている事例もあると思われますね。
日本の人口は、出生数は5年ぶり増加したが9年連続人口減について、厚生労働省は「雇用情勢の改善や保育所の整備が進んだことなどが出生数の増加につながった一方で、高齢化が進み亡くなる人の数も増えていて、今後も人口減少が続くとみられる」と分析していると報道があったが、保育所不足、保育費負担をイクジジ・イクババが補っているのが現状でしょうね。

某国会議員がイクメンに注力する為に国会出席を見合わせたいことに全面批判はしないが、イクメンに傾注できず老親に、その任を負わせている現実もあり、身近に預けられる老親もなく出産に二の足を踏む庶民もいることも事実であり、特養不足・介護人材不足で老親の介護を家族が補っているのも現実で、高齢少子核家族社会の副作用が顕在化してきたのでしょう。

また、子育ても現役世代には高騰の大学授業料の負担が厳しいですね。
Benesse マナビジョンの『進学にかかるお金の話  入学から卒業までにかかるお金(2)学費編』によれば、入学・在学にかかる費用は軽自動車を毎年購入するぐらいの金額を要するのが相場ですね。
東洋経済オンラインの「AERA」記事『高騰する学費で破産?大学授業料が払えない 大学授業料が払えない  奨学金なしに大学に行けない世帯が半数以上』によれば、奨学金利用は半数世帯で、奨学金が「子どもが借り、子ども自身が卒業後に返還する」のに対し、教育ローンは「保護者が借り、保護者が返済するローン」であり、大学に通わせるのも一般家庭には親子とも厳しい現実に直面していると推測されます。

更に、現役中高年世代にとって老親の介護が発生すれば、下流老人の予備軍になる恐れがありますね。
ダイヤモンド・オンラインの有井太郎氏のコラム『老後に夢も希望もない! 現役世代に忍び寄る「下流中年」の足音(上)』で、高齢者の下流化について、【下流老人】の著者の藤田孝典氏のコメント、

かつての高齢者は、年金に加えて、子世代のサポートや夫婦での助け合いなどにより老後の生計を立てていました。しかし現代では、家族機能の低下やワーキングプアの増加によって子世代の助けがなくなったり、未婚者が増加したりと、老後の経済的な助けを受けられる要素が少なくなっています。これにより、生活が貧しくなっているんです

を紹介し、

これまで高齢者を支えていた様々な要素が、時代を経るにつれてなくなってきている。その結果、下流老人が生まれているようなのだ。
 こういった下流老人の話を聞いたところで、現役で働く30代後半~50代の中年世代は、どこか他人事に感じるかもしれない。だが、その考えは捨てたほうがよさそうだ。というのも、藤田氏によれば「下流化は中年世代にも起きている」という
。』

と記述しています。

老後に夢も希望もない! 現役世代に忍び寄る「下流中年」の足音(下)』では、藤田孝典氏のコメント、

下流老人の要因となるのは、これまで老後の生活をサポートしていた要素がなくなっていること。その傾向は、今の中年世代が老後を迎えたとき、明らかに顕著となります。退職金は減るでしょうし、企業年金も次々に解散しています。非正規雇用の労働者は4割になり、年金の受給額が減ることも確実。今の高齢者よりずっとサポートのない生活が待っています

を紹介し、

子世代の金銭的な助けはさらに望めなくなり、未婚率の増加で配偶者との支え合いも少なくなる。退職金は少なく、年金受給額も減っていくだろう。』と考察しています。

現社会は、高齢者の下流化動向に、教育ローン、ニートや非正規雇用は常態化になり、現役世代の下流老人化は確実視されており、当方も介護ヘルパーとの世間話で現役世代には厳しい世の中と実感しています。
高齢少子核家族社会の要因もあるが、デフレ脱却が日本社会の病根とされてきたが、デフレ脱却で現役世代が「老後に夢も希望もない」世界を脱却できるとは思えないですね。
大学授業料が軽自動車並み費用を要し、教育ローン、奨学金が常識化の世界は異常としか思えず、「一億総活躍社会」実現に挑戦とは、皆で現行社会に我慢・辛抱で挑戦せよとしか思えませんが、国民半数以上が納得していることが不可思議ですね。
社会保障で世代格差の語句を散見するが、世代格差より貧富格差の固定化が問題と思いますが、世の中、まだ、皆・中流意識があり、現社会を容認しているのでしょうか。
老婆心ながら現役世代が下流老人予備軍にならないことを切に念願しています。



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