傍観者の独り言・戯言

団塊世代の手前勝手な放言
ブログ「傍観者の独り言」の続編

ノーベル物理賞受賞と浜松ホトニクス(雑感)

2015-10-08 15:42:04 | 雑感

本年のノーベル物理学賞は素粒子ニュートリノの質量あることを観測装置【スーパーカミオカンデ】で観測実証したことで東京大宇宙線研究所の梶田隆章所長が受賞されたことは喜ばしいことです。
受賞内容については、コメントする知識はなく、【スーパーカミオカンデ】で採用された光電子増倍管の浜松ホトニクス(株)に関心がありました。

【スーパーカミオカンデ】に採用された光電子増倍管を開発製造している浜松ホトニクス(株)については、当方が現役時代に技術者より光センサー関連は、浜松ホトニクス(株)が先行していると聞かされており、浜松ホトニクス(株)は、世の中で受像機に「イ」を映した「テレビジョン技術の祖」と言われた高柳健次郎博士の門下生らが創業した企業と知り、会社名は覚えておりました。、
TV東京の[カンブリア宮殿]の『世界が唸る!光の技術を極める浜松ホトニクス』(2013/12/12)を視聴し、浜松ホトニクス(株)の先鋭的な企業に驚愕しました。
番組紹介を転載すると、

“「ヒッグス粒子の発見を成し遂げたハイテクセンサーや、ニュートリノ観測の決め手となった光電子増倍管を作る「ノーベル賞学者御用達企業」浜松ホトニクス。
実は、光の粒子・フォトンの可能性にいち早く気づき、世界で何処も真似を出来ない高い技術力を武器に、売りこれまで解明されていない「光の技術」を独自研究し、世界初の製品を次々と生み出してきた。
その孤高の独自技術を生み出せる秘密こそ、浜松ホトニクスの企業理念「人類未知未踏」にあった。
全社員が一丸となって“未知未踏”に挑む異色の企業戦略の全貌に迫る
。」“

で、光電子増倍管の手作り製造場面があり、光子を100万倍まで増幅できる説明があり、木の葉の光合成の光の粒(フォトン、光子)を吸収する場面があり、PET向け光電子増倍管のシェア100%と説明などがあり、ヒッグス粒子を観測したセルン(欧州原子核研究機構)の実験装置CMSの半導体センサーSSDの場面で、開発義技術者のディーター・レンケ博士の言葉として、
“「いろんな会社のセンサーを試したけど、浜松ホトニクスは、我々のニーズに合わせてどんどん改良してくれた。他の会社じゃ あり得ないよ。浜松ホトニクスは、まさにプロフェッショナルだよ。」”
と言わしめ、2002年ノーベル物理学賞受賞の小柴昌俊東大名誉教授は、ニュートリノ観測装置【カミオカンデ】に取り付けられた20インチ電子倍増管1000個を浜松ホトニクスが納品の内容でした。

そして、番組では、放送当時の小柴昌俊氏は、予算厳しく、

“「一番の立役者になったのは、でっかい玉(光電子倍増管)、世界最大の玉。
とりあえず1000個を、浜松ホトニクスに作れ、作らせて、支払いの時に、「結局ね。金はこれだけでしかない」と、小さい玉1000個分の価格で、でっかい玉1000個分を支払った。「これで我慢しろ」と言って。
1000個の玉ができて、浜松に大学院の学生が受け取りに行ったら、奥から走りだしてきて「もってけ泥棒!」とわめいていた。そういうこともあった
。」“

と言っていました。
浜松ホトニクスは大赤字、それでもやるのは、「未知未踏に挑めば儲けは後からやってくる」とし、【カミオカンデ】の後継機【スーパーカミオカンデ】に浜松ホトニクスは10億の商売をし、今回の梶田隆章所長のノーベル物理学賞受賞の貢献に繋がりました。

当方は、番組で驚愕したのは、核融合の挑戦です。
海水などから水素を取り出し強力なレーザー光線を照射することでレーザー核融合をおこしエネルギーにする取組みで、浜松ホトニクスは、毎年10億円の研究費投下を30年続けていることです。
1民間企業が核融合による発電に挑戦しているのは驚愕でした。
高柳健次郎のDNAが引き継がれている先鋭的な取組みをしている浜松ホトニクスには、期待しますね。

当方が、今度の梶田隆章所長のノーベル物理学賞受賞で思ったことは、世の中、未知の分野を考える人間、それを実証しようと実験システムをデザインする人間、それを形に損得抜きで取り組む人間(組織)がいることです。
皆、ノーベル賞モノですね。
企業おいては、国策と言われても収支の見通しがつかなければゴーサインは出ないのが世の常であるが、浜松ホトニクス(株)は経営判断したのは先見性があったのでしょうね。



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。