高齢者が処方された薬を服用しない「残薬」問題をTV、新聞で取り上げており、老母の「残薬」を医者に返却した事があり、どこでも発生している問題と思いました。
TVでは、薬剤師が訪問による残薬軽減・服用支援を紹介しておりましたが本来の目的(服薬支援)を別にして、高齢者には人と会話できる副次的な効用があると思います。
8日のNHKの「おはよう日本」で『残薬を減らせ 進む“服薬支援”』を視聴し、薬剤師が服薬支援に高齢者宅への訪問は、孤立しがちな高齢者にとっては人と会話でき副次的効果があると思っていたら、同日の朝日新聞に記事『飲めずに「残薬」、山積み 高齢者宅、年475億円分か』を接し、「残薬」はどこでもある問題と思いました。
当方は、94歳の認知症の老母を在宅介護中で、数年前、老母は徘徊し人と衝突転倒事故以来、老母を見守るようになり、月1度の通院に付き添いし受領する大量の薬を服用しているか疑問を持ち、老母の部屋を調べたら大量の「残薬」を見つけ、紙袋2袋の残薬を医院に返却し処方される薬を精査し種類を減らし服用管理したことがあります。
過去の「残薬」は、「血液効果防止、コレステロール低下、中性脂肪低下」「血圧低下、狭心症改善」「血流促進、コレステロール低下、中性脂肪低下」「精神の緊張・不安を和らげる」「憂鬱な気分を改善」「大腸活発」「睡眠薬」などの錠剤・カプセルの薬でした。
その後、老母は、拒食なり経管栄養による延命医療中で、一時期は水泡ができ塗り薬で処方してが、現在は、経管栄養剤と処方される薬は4日サイクルで服用する「下剤」(液剤)のみで血圧も安定しており「残薬」問題はありません。
関係者は住み慣れた在宅介護になり「母親は落ち着いた」と在宅の効能を言いますが、世話をしている当方には、在宅での効能は毎日訪問されるヘルパーさんとの会話の効用が大と思っています。
在宅介護と良い言われますが、老母は終日ベットに寝たきりで、当方との会話は世話する為の必要最低限の片言であり、毎日訪問されるヘルパーさんは認知症の老母の支離滅裂の話でも聞く姿勢で、繰り返される同じ話をも相槌することが老母が和やかになる効用が一番と思っています。
旧ブログ『認知症の老母の在宅介護をして…「受容・傾聴・忍耐」が肝要』(2014-06-19)で、老母が在宅介護に馴染めてきたのは、認知症の老母の自分勝手の思い込みによる言動も「受容」し、支離滅裂な話でも「傾聴」し、「そうかい、そうかい」と頷くことが和み穏やかになったと書きましたが、高齢者には傾聴し受容する相手がいることが一番の薬になると思っており、ヘルパーさんには感謝・感謝です。
過去に処方されていた「血液効果防止、コレステロール低下、中性脂肪低下」「血圧低下、狭心症改善」「血流促進、コレステロール低下、中性脂肪低下」「精神の緊張・不安を和らげる」「憂鬱な気分を改善」「大腸活発」「睡眠薬」などの薬は、健康上の問題解決より医者に「傾聴・受容」を求めて医者通いをしていたのではないかと思います。
やはり、人間、孤立が最大の課題であり、核家族社会にはヘルパー不足解消することが高齢者の問題の一助になると確信しています。