伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、東北電力と共同で、電力系統制御エリア内の風力発電出力を予測するシステムを開発し、4月から東北電力向けにSaaSにてサービス提供を開始した。電力系統制御エリアを対象とした風力発電による出力予測システムの本格稼働は国内初となる。
これに伴いCTCでは、国内外の電力会社や風力発電事業者等を対象に、SaaSによる風力発電出力予測サービスを10月1日より本格的に開始した。
風力発電出力予測システムは、気象庁が発表する数値予報データ(GPV)と、エリア内の風力発電所の合計発電出力実績値をもとに、複数の統計モデルを組み合わせた独自のアルゴリズムを用いて、エリア内の風力発電所の合計発電出力を事前に算出するシステム。
翌日までの風力発電出力を事前に予測できるため、電力系統の運用を支援することが可能。また、SaaSサービスであることから、低コストかつ短期間で導入することが可能。
今後CTCでは、予測回数の増加や予測期間の延長など、システムの機能強化を図る。
CTCでは、1997年から東北電力と共同で、風力発電の出力予測に関する研究を進めていた。2007年からは風力発電出力予測システムの実証試験を開始しており、この度、実証試験を通してシステムの安定性と予測精度が確認されたため、今回のサービスの提供開始に至ったもの。
なお、CTCは、これまでにも風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーの管理・制御サービスをはじめ、スマートグリッド関連の実証実験で実績がある。さらに、伊藤忠商事が実施する低炭素交通社会システムの共同実証プロジェクトに参画するなど、環境配慮型社会の実現に向けて積極的に取組んでいる。今回の新サービス開始を機に、CTCでは、スマートグリッド関連事業の一層の強化を図る方針。