JX日鉱日石エネルギーは、震災の影響により現在も生産を停止している仙台製油所について、下記のとおり復興計画を策定した。
<復興計画のコンセプト>
仙台製油所は、東北地方唯一の製油所として、以下のコンセプトのもと、宮城県はもとよ り、東北地方の皆様の生活および経済社会の復興に貢献する。
(1)一刻も早い生産再開
(2)災害対応力の向上
(3)新エネルギーの導入
<計画概要>
(1)生産再開時期=2012年夏までに生産再開することを目標とし検討を進めてきたが、これを前倒しし、2012年3月末の生産再開に向けて取り組む。
(2)タンクローリー出荷設備の東地区への移設=津波の影響により、製油所の西地区に位置していたタンクローリー出荷設備が甚大な被害を受けた。これを踏まえ、東地区にタンクローリー出荷設備を移設する。同地区は、西地区より地盤面が高く、また、海岸との間に大型のタンク群を有することから、津波の影響が大幅に軽減されるものと想定。
(3)東西地区連絡橋の新設=製油所周辺の道路事情を考慮し、西地区からのタンクローリー入出構を可能とするため、大型車両が通行可能な東西地区連絡橋を新設する。これにより、災害時の消防車両等の東西地区間の効率的な移動にも寄与。
(4)電気設備等の津波対策=建物1階部分にあった制御システムや電気設備が津波で水没したことにより、被害が発生し、製油所の復旧の大きな妨げとなった。これを踏まえ、重要な制御システムや電気設備については、上層階への移設および建屋の水密性向上などの対策を講じる。
(5)事務所への太陽光発電設備、燃料電池および蓄電池の導入=本館事務所建屋に、太陽光発電設備、燃料電池および蓄電池を設置し、平常時の省エネと環境負荷低減を図るとともに、万一の停電時においても、防災拠点としての事務所機能の維持を図る。また、製油所内に1MWクラスの太陽光発電設備(メガソーラー)を建設することも検討。
<復興費用>
上記復興計画に際しての投資総額は、500億円規模を見込む。