東京都市大学(旧武蔵工大)は、水素ハイブリッド(HV)トラックによる全国初の公道での走行実験を室蘭市内で開始した。
京都市大学は、30年以上にわたり水素燃料エンジンを搭載した自動車の研究を行ってきたが、同学総合研究所所属 伊東明美准教授を中心に、日野自動車の協力のもと、既存のハイブリットディーゼルトラックをベースに、水素燃料エンジンを搭載した水素ハイブリットトラックの開発に成功。
水素燃料エンジンは、水以外の排出物を出さない環境に優しい技術として、化石燃料を使用するエンジンに代わり、トラックやバスなどの商用車での実用化が期待できる代替機関として注目されている。同学では、2009年4月に水素燃料エンジン搭載バスを開発、国内初の公道走行を実現しており、このバスによる実証試験等により明らかになった分析結果や課題を活かし、新たに水素エンジンとモーターを動力源とする水素ハイブリッドトラックの開発を行ってきた。
今回、開発した水素ハイブリットトラックは、日野自動車の日野デュトロ ハイブリッド(排気量:4,009cc)をベース車両とし、ハイブリッドシステムを採用することにより低速トルクを向上させるとともに、点火システムの変更により高回転時の出力向上と耐久性の確保を実現した。
同トラックは、ディーゼルエンジンを搭載するトラックと同等の動力性能を有し、宅配便や資源回収車等の幅広い用途に使用可能。
<仕様概要>
■サ イ ズ:全長6290mm、全幅2195mm、全高2920mm
■排 気 量:4,009cc
■最大出力:93kW@2500rpm(126PS)
■最大トルク:320Nm@2200rpm
■圧 縮 比: 12:1
■車両重量:3640kg(積載重量:2000kg、車両総重量:5750kg)
■エンジン:ハイブリッドシステム搭載直列4気筒水素エンジン
■ベース車両:日野自動車製小型ハイブリッドトラック「デュトロ」
<水素燃料エンジンバスからの改良点>
・低速トルク不足をハイブリッドシステムにより解消
・点火システムの変更により高回転時の出力向上と耐久性確保を同時に達成