双日の100%子会社コーリンクとスマートエナジーは、共同で私設の国内向け二酸化炭素の排出権取引所を設立することで合意した。両社は10年4月1日付けで排出権取引を担う運営会社「株式会社排出権取引市場」を設立する。日本で各種排出権を取り扱う排出権取引所ができるのは今回が初めてのケース。
国内の排出権制度としては、東京都排出量取引制度、国内クレジット制度、グリーン電力証書などがあるが、共通の取引所が存在しないため、それぞれの制度の相互利用、比較、交換などが難しいのが現状。国内クレジットは今後10年間で累積の削減見込量を約800万トン、東京都クレジットは第1期間(10年~14年度)で約500万トンと予想されており、排出権市場は、専用のインターネットサイトを通じて、国内排出権を中心とした排出権売買において公正且つ透明性のある取引所を提供し、排出権取引の活性化を目指す。
排出権取引市場の提供するサービスは、排出権取引所の運営と環境情報の提供。排出権取引所の運営においては、東京都クレジット、グリーン電力証書、国内クレジット、J-VER等の国内排出権と京都メカニズム由来の海外排出権の売買の場をインターネット上で提供し、売り手と買い手のマッチング、および、売買代金の決済がスムースに行う仕組みを提供する。また、環境情報の提供については、一般環境情報、市況情報の他、公正な市場形成に必要となる国内の排出権を中心とした売買取引情報(取引量、価格等)も提供する。
両社は、排出権市場の設立後、10年5月1日より、サービスを開始する考え。