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南房総館山・なぎさの自然詩

南房総館山の自然や海での出来事を紹介しています。

ハマボッスとインク瓶

2022-05-03 20:42:31 | 植物

海岸ではハマボッスの花が咲き、初夏の雰囲気です。


いつものゴールデンウィークなら半袖で過ごせるくらいなのですが、今日は晴れて暖かな日差しの差す海岸ですが、冷たい風が吹いていて3月を思わせるような陽気でした。


大潮の満潮時の波打ち際だったところを歩いていると、インク瓶が打ち上げられていました。何かに当たったのか瓶の口の部分が少し欠けていて、表面も波に洗われてザラザラとすりガラスのような感じになっています。
このインク瓶は古瓶とかレトロ瓶と呼ばれていて、アンティークショップなどで売られているそうです。


こちらは今日拾った貝殻。
ピンク色のウズイチモンジがお気に入りの貝殻です。


ミヤコグサの花畑。
黄色い花は夏を待ちきれない様に見えました。






トベラの香る海岸

2022-04-28 12:06:20 | 植物

海岸へ続く小道を歩いていると、花の香りが満ちています。それはトベラの1.5cmくらいの白い花の匂いでした。
例えるならジャスミンの香りに似ているかもしれません。



小道を抜けるとそこには海。


砂丘ではハマヒルガオが次々と花を咲かせていました。
拾った貝殻はクルマガイ、カモンダカラ、ナシジダカラ、ヤグラシロネズミです。








ヤセウツボとウミガメの骨

2022-04-23 16:21:47 | 植物

館山湾内の海岸では黄色いハマニガナの花があちこちに咲いていました。
波打ち際近くを歩くとヤツシロガイが目に付いたので拾い上げ、ハマニガナの隣に並べてみたら結構カワイイ感じになりました。



ハマニガナにやって来ていた小さなハチの仲間。足にはたくさんの花粉を付けていました。午前中でこんなに花粉を集めるなんて、朝早くから働いていたんだろうなと想像しました。


ハマニガナなどの海浜植物が自生している砂丘には茶色い植物もありました。
これはヤセウツボといって地中海原産の外来種だそうです。ネットで調べたらマメ科、キク科やシロツメクサなどに寄生する植物とあり、葉緑素を持たないため、他の植物から栄養を奪って成長するそうです。
この砂丘にはキク科のハマニガナやマメ科のハマエンドウの群生があるので、ヤセウツボの栄養をまかなうには十分な環境なのだと思います。
地中から芽を覗かせているものや花の咲いていないものなど、かなりの数のヤセウツボを見かけました。


このハマエンドウもヤセウツボに栄養を与えているのかもしれません。
ハマエンドウの花についつい見とれて、しばらくの間眺めていました。



貝殻を探そうと砂丘から降りようとしたところウミスズメが。
何でこんなにとこに?というような波打ち際から遠く離れた場所にありました。
先日の台風1号の後に打ち上げられていたと思われます。


そしてこれはウミガメの骨です。
海岸のあちこちに打ち上げられていたものを集めました。
死んで海岸へ打ち上げられたウミガメは、NPOの方が解剖した後に埋設するのですが、先日の大雨で川が増水したために砂が流れてしまい骨が流出してしまったようです。


そしてビーチコーミングでは久しぶりのハツユキダカラ。
タマガイ科の仲間が好きなのですが、今日出会えたのはタマネコガイとフロガイダマシ。手前の白い巻貝がタマネコガイで、その左隣の茶色い模様のある巻貝2個がフロガイダマシです。
ビーチコーミングでは1cmに満たない小さな貝殻を探すため結構集中しているので、あっという間に時間が過ぎていて驚くこともしょっちゅうあります。
更に春の海岸は海浜植物の花を眺めたり、コチドリの観察をしたりと見どころいっぱいなので、たっぷり時間をかけて海岸散策するのが私の理想の過ごし方です。



鋸南町元名海岸

2022-04-21 20:55:02 | 植物

鋸南町にある元名海岸は鋸山の麓にある海岸です。
その沖には浮島が見えます。私は鋸南町というと浮島が思い浮かび、ランドマーク的なイメージを持っています。
右側の一番大きな島が浮島で、その隣に少し重なっているのは大ボッケ、小ボッケです。一番左の平らな岩のように見えるのはテトラポッドが並べられています。


ここ元名海岸はたくさんの海浜植物が見られるのですが、一番最初に目にとまったのがハマダイコンの花畑です。
淡い紫色に縁取られた花は可憐な感じがします。


そしてこのテリハノイバラは、空に向かって立ち上がっています。海岸では地面を這うように生えているのが普通なのですが、こちらは垂直になっているので、本当にテリハノイバラなのか気になります。



近くで見ると茎の赤色と葉の緑色が綺麗。まだ蕾は無く花の咲くのはまだまだ先の様子でした。
白い小さな花は5月の中頃には咲き始めるので、またその頃に見に来ようと思います。


コウボウムギの雌花。



コウボウムギの雄花。


ハマヒルガオとコウボウシバ。



コウボウシバの雌花が咲いていました。



多種類の海浜植物の見られる元名海岸の目の前には宿があります。「ゆうみ」というらしいのですが、海浜植物にも優しい対応をしてくれると嬉しいです。
この宿の近くにはレストランがオープン予定で看板が出来ていたのですが、メニューにアジフライバーガーがありました。
以前別のレストランでもアジフライバーガーを食べたことがあり、ある食堂でもアジフライ定食が人気のメニューだそうなので、南房総近辺ではアジフライがブームなのかと思ったりしました。
アジフライに話がそれてしまいましたが、元名海岸にはこの他にネコノシタ、ハマニガナ、ハマボウフウ、ハマゴウなどの花もこれから咲き始めるので、とても華やかで鮮やかな景色が見られます。
海浜植物とって貴重なこの海岸がいつまでも変わらずに、毎年その花を咲かせるのを眺めていられたら、とても幸せなことだと思います。

春の海浜植物の花々

2022-04-19 21:05:03 | 植物

先日海岸を歩いたときに花を咲かせていた海浜植物の内で私がなにより心待ちにしていたハマエンドウの花。
2cmほどの紫色の花が好きです。


波打ち際から遠く離れたところにハマエンドウの花畑。こんな感じで群生しています。



こちらはハマヒルガオ。
咲き始めたばかりの花があちこちに点々と見られました。


コウボウシバ。
細長い葉の近くにあるのが雌花で、長く伸びた茎の先には雄花があります。



1cmくらいの花を咲かせていたハマニガナ。この花の黄色は砂浜では一際目を引きます。


緑色のコウボウムギは雌花の穂です。

春の海岸での楽しみの一つは海浜植物の花が咲き始めてきて、それを眺めながら歩くことです。
海岸では潮風や日光などを遮るものの無い特殊な自然環境ですが、ほとんどの植物は背が低く、砂浜を這うような姿をしているものもあり、厳しい環境に適応しているようです。
先日の台風1号が通過した後に海岸へ行くと、ハマエンドウの花々が萎れている様子を見ました。恐らく長時間吹き続いた潮風のため、塩害で萎れてしまったようです。
潮風を長時間受ければ、その植物を枯らしてしまう程の影響があるのかもしれません。海から受ける塩害にも適応しているのが海浜植物の特性なのでしょう。
ハマエンドウは他の海浜植物に比べて葉の厚みもあまりなく、海から比較的遠い場所に生えるので、塩害には弱いタイプの海浜植物なのかもしれません。そのハマエンドウの様子を見て、4月に台風が日本に接近するというのは、とても珍しい出来事だったのだと実感しています。