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南房総館山・なぎさの自然詩

南房総館山の自然や海での出来事を紹介しています。

グンバイヒルガオ

2021-09-21 20:17:52 | 植物

 今日訪れた海岸の砂丘にグンバイヒルガオの花が咲いていました。グンバイヒルガオは熱帯から亜熱帯に見られる植物だそうで、九州以南~沖縄県の海岸で自生する海浜植物です。
 南房総で見られるグンバイヒルガオは、はるか南から海流に乗って海岸へ流れ着いた種が運良く発芽したもののようです。
 九州以南以外の地域では寒さで枯死してしまうため越冬することはほとんど無いそうです。
 紫色とピンク色が混ざったような色合いの花は南国のイメージにぴったりですが、9月に花が咲いていたところを見ると通常よりも花期が遅れているのかもしれません。やはり暖かな南房総でもグンバイヒルガオにとっては厳しい環境なのですね。


 グンバイヒルガオの葉は先の方に切れ込みが入っていて、その形が相撲の行司のもつ軍配に似ていることからその名前がついたそうです。


 最近シーグラスタワーを作るのにはまっています。今日の海岸では角の取れたまん丸シーグラスが拾えたので早速作ってみました。


 海岸で見る空は本当に広いです。波の音を聞きながら砂浜を歩くごとに心がどんどん軽くなっていて、海を後にする頃には明日もまた頑張ろうという気持ちになります。





ハマゴウの消えた海岸

2021-07-09 09:10:16 | 植物

初夏に小さな紫色の花を咲かせるハマゴウ。この植物は蕾が出来る少し前くらいから辺りに特有の香りを放つようになります。いつも歩いている海岸にはハマゴウの群落があり、その側を歩くと香りに包まれるような感じです。
今年もそのハマゴウの群落で花が咲き始めていましたが、先日の海岸清掃で刈り取られていました。




この海岸では毎年5月か6月に地域住民で海岸清掃をするのですが、その時に海岸砂丘の植物も草刈りするのです。
去年は海岸清掃が中止となり、ハマゴウの群落も一面に花を咲かせていました。
今年も砂丘にある群落が満開になるのを今か今かと楽しみにしていましたが、残念ながら満開のハマゴウを見られなくなり、ハマゴウの消えた寂しい海岸の風景が残されました。




刈り取られる直前のハマゴウの蕾。

ハマゴウも含め海浜植物は海岸でしか生きられないので、自宅の庭の草を扱うのとはわけが違います。とても貴重で珍しい種類の海浜植物も中には存在するのです。そういうことを含めて海浜植物に負荷のかからない海岸清掃の方法がないものかと思っています。個人の力ではなかなか難しく、かといって何か私に出来ることはないかと悩んでいます。
幸いハマゴウは全て刈り取られておらず、少し残されていたのでそのハマゴウが少しずつ数を増やしていくかもしれないと期待しています。
そして来年にはハマゴウ群落が元に戻り、花を咲かせてくれるように願っています。












南房総の海浜植物・花編その4

2021-06-24 20:43:57 | 植物
今日は大潮の干潮時に海岸を歩ましたが貝殻はほとんど拾えず、その代わりにたくさんの海浜植物の花が咲いてました。



オレンジ色の花が海岸で一際目を引くスカシユリ。
花びら同士が離れていて透かして見えるからその名がついたようです。


ネコノシタは2cm程の黄色く小さな花を咲かせます。





ハマゴウの花。
ハマゴウは葉や実から特有の香りがして一面にその匂いが漂っていました。
その実を乾燥させたものは漢方薬の蔓荊子(マンケイシ)として頭痛に用いるそうです。



ハマユウの花。
ハマユウの群落では甘い香りが立ちこめています。



ネコノシタの花の蜜を吸っていたベニシジミ。

海浜植物の種類が豊富でたくさんの花が咲く館山湾は、ビーチコーミングだけでなく植物を見ながらの海岸散歩も楽しいものです。

南房総の海浜植物 花編その3

2021-06-11 15:35:02 | 植物


ハマユウ。
ハマユウの花が咲き始めると、夏の気配を感じます。



テリハノイバラ。
5月下旬から6月にかけて開花します。



キミガヨラン。
こちらは海浜植物ではありませんが、房総半島では自生のキミガヨランが海岸で見られます。




ガクアジサイ。
南房総で自生のガクアジサイを見られるのはごく限られた場所だけなので、とても希少な紫陽花です。




スナビキソウ。
海から一番近い場所に育つ海浜植物です。




ハマナデシコ。
梅雨入り前くらいに花を咲かせますが、花の時期がとても短いのでビビッドなその色とは違い、とても儚いイメージの海浜植物です。

春から夏にかけて咲く海浜植物の6種類でした。




ハマボウフウの白い花が赤い実になるまで

2021-05-21 18:04:19 | 植物


海浜植物のハマボウフウは砂地を這うように緑色の葉が広がっていて、春になると小さな白い花を密に咲かせます。
花が咲き終わると赤い実となり、種が出来ます。
白い花が赤い実になるまでの観察をしました。




花芽



花が咲き始めました。


ほぼ満開に花が咲いています。


花が咲き終わり、刺のようなものが出来はじめています。


刺の周りの色が変わり始めています。


実が赤くなり始めました。



赤い部分が広がってきました。



実の形が変わり始めて種が出来はじめています。
初めてこの赤い実を見たときのインパクトが強くて今もよく覚えています。



更に濃い赤色になりました。



かなり変わった形の植物ですが、緑色の葉は刺身のツマとして使われるそうです。
庭で育てているハマボウフウの若葉をお浸しにして食べてみましたが、茹でると茎が鮮やかな紫色になり、セリに似た風味でとても美味しかったです。

2025年6月14日追記
2025年6月12日に南房総のいつもの海岸へ行くと、大きなシャベルを持っている3人の方がいました。
何をするのかと話し伺うと、東京都の成蹊小学校職員の方が小学生の生物観察の為にハマボウフウの根を掘るとの事でした。
2025年6月14日に同じ海岸へ行くと砂丘に見えたのは無残にも掘り返された後が残されていました。


海浜植物で覆われていた砂丘は大きな穴が掘られ、そこにあった貴重な植物は無くなり目を覆いたくなるほど酷い風景です。
たくさんの人が砂丘を歩いた為、海浜植物は何度も何度も踏み締められ弱々しく見えます。


ケカモノハシは根っこごと掘り返されて、そのまま放置されています。


ハマグルマは掘り返された砂丘の穴の隅で力無く顔を出しています。


ハマボウフウの実は砂に埋もれて、苦しそうに見えました。
教育や研究と言った人の活動の為に、海岸を形成する砂丘を破壊し、植物の命を奪い、育成地の減少を招く行為が世の中では受け入れられています。
長い年月をかけて作られた自然の中で、特に条件の厳しい海岸で根付いた海浜植物を、生物観察のたった一日のために壊してしまうのは、自然の回復力も追いつかないのではないかと懸念しています。
砂丘一面に広がる緑色の絨毯はあちこち穴が開き、植物達が苦しそうに見えて悲しい気持ちになりました。

ハマボウフウは千葉県レッドリストのカテゴリーDの一般保護生物に指定されています。
以下、千葉県ホームページより引用
個体数が少ない,生息・生育環境が限られている,生息・生育地の多くで環境改変の可能性がある,などの状況にある生物.放置すれば個体数の減少は避けられず,自然環境の構成要素としての役割が著しく衰退する可能性があり,将来カテゴリーCに移行することが予測されるもの.このカテゴリーに該当する種の個体数を減少させる影響は可能な限り生じないよう注意する.
引用終わり

保護されるべき植物を自分達だけであれば環境に負荷をかけないと言う考えで、それぞれの小学校が別々の海岸で、このような生物観察をしていたらハマボウフウを始め、多くの海浜植物が失われてしまう可能性があります。
何よりもたくさんの海浜植物に覆われた砂丘にスコップを突き刺す行為、植物達を傷付ける事を子供達がどう感じるのか気掛かりです。