南房総館山・なぎさの自然詩

フロガイダマシとコチドリ

南風の吹く館山湾は照りつける日差しが夏のようですが、海岸はとても心地よく潮風が少し冷たく感じます。
5月に入ってから急に気温が下がり寒い日があったかと思うと翌日は暑くなったりと、気温の乱高下が激しく、また朝晩の気温が例年よりも低いような気がしています。
先日(2024/05/05)コチドリの巣を見つけ卵を3個確認していたので、その巣が気になり様子を見に海岸へ出かけました。
ビーチコーミングして貝殻を探しながら、波打ち際をゆっくりと歩きます。


上げ潮に乗って様々な貝殻が打ち寄せられていました。
久しぶりのハナガイとお気に入りのフロガイダマシが5つ。
最近千葉県のレッドリストが気になっていて、それを見ていた時にタマガイ科のフロガイダマシがあり、カテゴリーC要保護生物に指定されていました。
個体数の減少から5年前の2019年に追加されたようです。
そういえば私がよく見るフロガイダマシは、摩耗して色が茶色くなっているものが多く、ずいぶん時間が経ってから打ち上げられたもののようです。
このタマガイ科の貝は砂地に棲み夜行性で肉食。タマガイ科の卵塊は砂茶碗と呼ばれ、初夏頃に海岸でも打ち上げられたものを見るようになります。
1cm程の小さなフロガイダマシが人知れず数を減らしている事に驚き、身近な生き物の生息数の変化になかなか気付き難い事が残念です。
それにしてもレッドリストに記載されている生き物に対して、特に保護等の対応をしていないように感じ、膨大な時間をかけて作成するレッドリストが活用されていないようで勿体ない気がします。


砂浜を歩いていると近くに寄ってきたコチドリ。
この海岸で5/5に巣を見つけたコチドリのメスだと思われます。
親鳥の卵を守るための捨て身の行動の1つで、卵に天敵が近づかないように、私の気を引くように砂浜の窪みに入りこちらを警戒しています。


巣の場所を見に行くと卵が4個ありました。
5/5のときには3個だったので、その日に産んだ卵ということが分かりました。
コチドリの卵は約3週間で孵化するので、順調に卵が育てば5/26頃にヒナが孵えるかもしれません。


海浜植物のハマボッスの花が咲いていました。
浜払子と書くそうで花の咲く様子が、払子というお坊さんが持つ法具に似ていることが由来だそうです。


穏やかな海。


沖にはオオミズナギドリの群れが飛んでいるのが見えました。
イワシの群れを追いかけているのかもしれません。
オオミズナギドリは伊豆諸島の御蔵島等で繁殖しているそうで、今の時期は子育ての真っ最中。
採餌の為に遠く房総半島まで移動して、島に戻りヒナに餌を与え、また移動しているのを繰り返しています。
親鳥の苦労は計り知れず、命がけで子育てしているように思えました。
オオミズナギドリやコチドリの子育てを間近に見ていて、生き物の生きる目的のほとんどは遺伝子の継続だと思え、これを人が原因で途絶えさせる事は本当に残念です。
自然環境の破壊等が原因で絶滅している生き物が増えている事は、近代社会に生きる私にも責任があり、これまで恩恵を受けた分自然に恩返しする為にも何が出来るの事はないか模索中です。

コメント一覧

nekoja_cowry
@suzuden06601800 こんばんは。
昨日はオーロラが見られたりして、この先の梅雨や台風も心配な感じです。
来月にはビーチコーミング出来るといいですね。
いつもお気遣いありがとうございます。
suzuden06601800
こんにちは~~~
GWも終わり通常日になりました
まだ朝晩の寒暖差が激しいようです
晩はエアコンの暖房入れてます
5月中旬になるのに・・・・・・
寒暖差が激しいので体調に気おつけてください

「ビーチコーミングして貝殻を探しながら、波打ち際をゆっくりと歩きます。」

私は海には行っていません
6月になったら行きたいです
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