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南房総館山・なぎさの自然詩

南房総館山の自然や海での出来事を紹介しています。

アオイガイ多数漂着

2024-02-29 21:23:25 | 海岸での出来事


2/27と2/28の2日間吹き続いた強風が止んだので海岸の様子を見に行きました。
この時の風は27日が最大瞬間風速22.6m、28日が13mで、今までに経験した事の無い強風はまるで台風のようでした。
台風なら数時間で通過しますが、今回のは丸2日で天変地異が起きたのかと思うくらいの出来事でした。
そんな不安な2日間を過ごした後だったので微風が本当に心地よく感じて、穏やかな天候がありがたく思えました。
海が見えると最初に目に入ってきたのは富士山です。
強風の後で空気が澄んでいて、冠雪がはっきりと良く見えました。


潮の引いた砂浜を歩くと強風の前とすっかり海岸の様子が変わっていました。
激しい波と増水した川が砂を洗い流してしまって、岩肌が現れています。
こんな風に海岸の変化は著しくて驚きますが、この場所はしばらくしたら再び砂が戻って来るのです。
人間のスパンで海岸を見ると砂が無くなってどうなるのか心配になって手を加えたくなりそうに思えます。
しかし海岸は常に変化し続けていて、このままにして置いても、風が吹き波が寄せるとまた砂が運ばれて来るのです。
自然の回復力とは凄いとしか言いようがありません。
風の猛威を感じた日々で、大自然の前では自分がとてもちっぽけな存在に思えました。


ポツンと打ち上げられていた2cm位の小魚。
グーグルレンズで調べたらサヨリの幼魚のようでした。
普段目にする成魚のサヨリに比べると胴の長さが寸足らずに感じました。


そして海藻の打ち上げられている場所を歩いていたら、アオイガイも混じって打ち上げられていました。
最初に1つアオイガイを見つけたので、じっくりその場所で探していると、近くで数羽のカラスが嘴で海藻を探っていました。
するとその中の1羽がそこからヒョイッと小魚を咥えて飛び去って行きました。
海藻の打ち上げられている場所には漂着物が多い事を経験的に知っているようでした。


潮の引いた磯を歩くと小さくて可愛いハスノハカシパンもありました。
大きさは1円玉位です。


遠くの磯に見えた小さなオレンジ色の物体?


ズームしてみたらカワセミでした。
こんなに小さなカワセミがあの強風の中で、どんな場所でどんな風に過ごしていたのかとても気になります。
2日間まったく餌を摂る事も出来ずにいたかもしれません。
風が静かになったので、こうやって海岸へ魚を探しにやって来たようでした。
小さなカワセミが一生懸命に生きる姿を見ると、陰ながら応援したくなります。
海岸を歩き、波の音を聞いたり、鳥達との出逢いがあって、ビーチコーミングに集中する事が出来ることがとても幸せな時間だと思いました。








海のウサギとヒガイ

2024-02-21 20:42:20 | 

強い南西風が吹く館山湾は鏡ヶ浦とは程遠く、沖に白波が立ち、打ち寄せる波も高く、波しぶきが風に吹かれて霧のように見えました。
2月に入り、春特有の強い南西風に加えて今年は北風の強い日が多く異常な天候です。
風が強い日に見える風浪は細かくて小さな白波が立ちます。その小さな白波を兎が跳ねると表現しますが、昨日の海にはたくさんの白兎が飛び跳ねていました。
それを見ていたら以前海岸でウサギの糞を見たことを思い出しました。
 

ブログ内検索してみたら2021年7月に見ていました。
野ウサギだと思うのですが、夜行性なのでその姿を見たことはありません。
このウサギの糞のあった場所は満潮時の波の打ち上げラインより少し上の方だったので、植生のない砂浜まで野ウサギが移動してきた事になります。
ここに糞をするために来たとも思えず、何をしていたのか未だに分からず、ずっと気になっています。


貝の仲間にもウサギと名の付くウミウサギガイ科があります。
ビーチコーミングしていてもなかなか出逢うことの少ない貝殻です。
今までに拾ったウミウサギはこれで全部です。
右下のザクロガイはザクロガイ科でした。
そして一番大きな白い貝殻はヒガイで、小さいのはシュスヅツミ、ピンク色のとその下のはテンロクケボリです。
ヒガイについて調べてみたら、ヒとは杼という機織機でよこ糸を通す為の道具で、それに似ているからだそうです。
そういえば家に杼があったのを思い出しました。


ニュージーランドに旅行した時、町外れの小さな雑貨屋で温度計にリメイクしていたものをお土産に購入したものです。
並べて見ると大きさは全く違いますが、なんとなく形は似ている感じです。
機織りの道具がその名前の由来になり、その道具が家に存在したこの偶然がとても面白い出来事でした。


兎が跳ねる海の上では向かい風を受けながら飛んでいたセグロカモメ?かオオセグロカモメ?の若鳥がいました。


砂丘の上ではハマエンドウの新芽が顔を覗かせています。
4月頃から紫色の花が咲き始め、その群落の花がいっせいに咲くと紫色の絨毯のようでとても美しい光景です。
海浜植物の中でも鮮やかな花を咲かせるので大好きな花の一つです。
潮風を遮るものもない吹きっ晒しの海岸という厳しい環境の中で、今年も無事に芽を出したハマエンドウが愛おしくて、今年も綺麗な花を見られるのがとても待ち遠しく思いました。









黄色いキンチャクガイ

2024-02-19 21:35:55 | 

朝は晴れ間の見えていた館山湾ですが、天気が崩れる予報だったので雨が降る前に海岸へ行こうと思って出かけました。
到着すると黒い砂浜に白い貝殻の打ち上げラインが見えたので、何かと出会えそうな予感がしました。
ゆっくりとじっくり下を向いて砂浜を歩き、いくつか貝殻を拾った中で一番嬉しかったのがこの黄色いキンチャクガイです。
ピンク色やオレンジ色のはよく見かけるのですが、黄色は滅多に見たことが無い色です。


キンチャクガイの他には半分に割れていたタコブネ、ピンク色のベニフデガイ、小さくて可愛いバイガイ、白いフクロガイ、フロガイ、タマガイの仲間を拾いました。

シー玉のようなシーグラス。


15cm位の大きなサンゴの骨格も打ち上げられていました。


これは岩の上に残されていたものです。
昨日ビーチコーミングされた方が置いていったものだと思います。
こういったものは何日も何日もこのまま放置された状態が続き、それを見ていると悲しく切ない気持ちになるのです。
だから拾った漂着物を海岸で選別して、要らないものをこうして並べて帰る事に疑問を感じていたのです。
私はもし要らなくなった漂着物があれば、海へ戻します。
例えばシーグラスを海へ返せば、更に磨かれた角の取れた丸いシーグラスとなって打ち上げられるかもしれません。
一度手に取った貝殻も新しい場所に打ち上げられて、別の人に拾われるかもしれないと思うのです。

曇天の館山湾は海の色も灰色。
春特有の強い南西風が吹いていましたが、海面は以外にも穏やかです。
ビーチコーミング中には運良く雨に降られずに済みました。







アオイガイとカワセミ

2024-02-15 19:37:27 | 海岸での出来事
1日中吹き続いた強風が止んだので海岸へ行きました。
一気に季節が変わった様な暖かさで、潮風が気持ち良いです。
潮の引いた広い砂浜をビーチコーミングしながら歩くとアオイガイが打ち上げられていました。

3つあったのですが1つは手で掴んだ時に割ってしまいました。
最近海岸を歩いても新しく打ち上げられた貝殻が少ないと感じていたのですが、時々海岸で会う地元のビーチコーマーさんも貝殻が何にも無いと仰っていました。


そんな海岸ですが、この日はブンブクとカゲロウガイを見つけました。


私以外誰もいない海岸ではカルガモの群れが砂浜でお昼寝中。


ハクセキレイが飛んできてすぐ側の磯で採餌していました。


そして磯に茶色い鳥が見えたので、チドリ類なのかと思ったらツグミです。
初めて磯を歩き採餌するところを見ましたが、どんな物を食べるのか気になりました。


数人の釣人がいた堤防ではトビとカワセミが何かを探しています。


よく見たら1羽かと思ったカワセミは2羽でした。
ピッピッと短く何度も鳴いていて、2羽で会話をしているみたいな感じです。
1羽が移動するともう1羽も同じ場所へ飛んでいき、水中を見ていました。
この2羽のカワセミは番なのかもしれません。
オスがメスに魚をプレゼントするところが見られるかもしれないと思って期待したのですが、2羽とも飛び去ってしまいました。
鳥達が冬の行動から繁殖期に向けた行動へ変化し、季節が変わった事を実感しました。
考えてみると、鳥達を含めた野生動物は毎年春から夏にかけて子育てしている訳で、その寿命が尽きるまでそれを繰り返しています。
言ってみたら子育てのプロなんだと、今更ながら思いました。
小さな鳥達の親が子を守るという利他的な行動には、とても真似できない凄さを感じます。
一方で人間は子供を虐待して死なせたり、子供が親を殺したりする事件を目にします。
人間の社会はとても複雑で、その中で生活しなくてはならず、そのストレスの多さで愛情という本能が薄れてしまい利己的になってしまうのかと思うと複雑な心境です。
野生動物の様に物を持たずにその身一つで、シンプルに生きれたらどんなに良いかと羨ましく思いました。

南房総の菜の花畑では収穫が終わり満開の菜の花が冬から春を知らせています。
植物や動物から春の兆しを感じて心も体も暖かな気分になりました。



海辺のカワセミ

2024-02-04 18:53:04 | 

海岸をビーチコーミングしながらゆっくりと歩き、時々周りを見渡すと鳥達との出逢いがあります。
その中で特にカワセミがいると心がときめいて嬉しくなります。
1/29に海岸を歩いていた時に突然現れた、このカワセミは堤防の上から魚を探しているようでした。
カワセミの雌雄の見分け方は嘴で分かり、メスは下の嘴が赤色、オスは上下が黒色なのだそうです。
このメスのカワセミは海岸でよく会う顔馴染みで、港や磯、小川など1km位の範囲で採餌しているようです。
秋から春にかけて海岸でよく見かけるのですが、繁殖期にはぱったり姿を見せなくなります。


この日は堤防から岩の上に移動して、上げ潮で動く魚を狙っているようでした。
顔馴染みの鳥は他にもいて、アオサギ、コサギ、イソヒヨドリなどの面々です。


堤防の使い方はそれぞれ、アオサギは風よけ、カワセミは魚探しです。

仲良しなアオサギとコサギ。


縄張り意識の強いイソヒヨドリのメスはカワセミがいると追い払っています。


別の日にはカワセミが綺麗な背中を見せて岩場に止まっていることもありました。


この日は何度も堤防から海へ飛び込みキビナゴらしき魚を捕まえました。


とある日は小川で魚を探している時もありました。
このカワセミがいつもいる小川で気になっている事があります。
それは南房総市、館山市では家庭用排水が直接川へ流れ出ることなのです。
ビーチコーミングをしている時に小川の近くを渡って歩くと、洗剤の匂いがしたり、川の水から湯気が立ち昇っていたりしているので、この水を利用する野生動物達が気の毒でなりません。
この川へはスズメ、カワラヒワ、ハクセキレイなどの小鳥もたくさん集まって水浴びしたり、水を飲んだりしています。
アオサギ、コサギもこの川で魚を探しているし、イソシギ、ムクドリ、カルガモも水を求めてやって来ます。
春になれば繁殖のためにコチドリがやって来て、この川の水を利用します。
そんな野生動物達にとっての命の水が汚染されているのが可哀想で、自分に出来る事は何かを考えてみました。
そして今自分が実践していることは、重曹のみで洗濯すること、石鹸をできるだけ使わずに風呂に入る、シャンプーの替わりに重曹、リンスの替わりにクエン酸などです。
あとは食器を洗う前に古紙で油を拭き取ってから、洗剤を使わずに洗っています。
大好きな鳥達と、いつもビーチコーミングしている海の為に出来る事はまだまだあると思うのですが、出来ることを続けていきたいと思います。