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南房総館山・なぎさの自然詩

南房総館山の自然や海での出来事を紹介しています。

アオイガイとカワセミ

2024-02-15 19:37:27 | 海岸での出来事
1日中吹き続いた強風が止んだので海岸へ行きました。
一気に季節が変わった様な暖かさで、潮風が気持ち良いです。
潮の引いた広い砂浜をビーチコーミングしながら歩くとアオイガイが打ち上げられていました。

3つあったのですが1つは手で掴んだ時に割ってしまいました。
最近海岸を歩いても新しく打ち上げられた貝殻が少ないと感じていたのですが、時々海岸で会う地元のビーチコーマーさんも貝殻が何にも無いと仰っていました。


そんな海岸ですが、この日はブンブクとカゲロウガイを見つけました。


私以外誰もいない海岸ではカルガモの群れが砂浜でお昼寝中。


ハクセキレイが飛んできてすぐ側の磯で採餌していました。


そして磯に茶色い鳥が見えたので、チドリ類なのかと思ったらツグミです。
初めて磯を歩き採餌するところを見ましたが、どんな物を食べるのか気になりました。


数人の釣人がいた堤防ではトビとカワセミが何かを探しています。


よく見たら1羽かと思ったカワセミは2羽でした。
ピッピッと短く何度も鳴いていて、2羽で会話をしているみたいな感じです。
1羽が移動するともう1羽も同じ場所へ飛んでいき、水中を見ていました。
この2羽のカワセミは番なのかもしれません。
オスがメスに魚をプレゼントするところが見られるかもしれないと思って期待したのですが、2羽とも飛び去ってしまいました。
鳥達が冬の行動から繁殖期に向けた行動へ変化し、季節が変わった事を実感しました。
考えてみると、鳥達を含めた野生動物は毎年春から夏にかけて子育てしている訳で、その寿命が尽きるまでそれを繰り返しています。
言ってみたら子育てのプロなんだと、今更ながら思いました。
小さな鳥達の親が子を守るという利他的な行動には、とても真似できない凄さを感じます。
一方で人間は子供を虐待して死なせたり、子供が親を殺したりする事件を目にします。
人間の社会はとても複雑で、その中で生活しなくてはならず、そのストレスの多さで愛情という本能が薄れてしまい利己的になってしまうのかと思うと複雑な心境です。
野生動物の様に物を持たずにその身一つで、シンプルに生きれたらどんなに良いかと羨ましく思いました。

南房総の菜の花畑では収穫が終わり満開の菜の花が冬から春を知らせています。
植物や動物から春の兆しを感じて心も体も暖かな気分になりました。



布袋石と吊るし雲

2024-01-23 20:32:16 | 海岸での出来事

今朝は館山湾の空に赤く染まった吊るし雲が浮かんでいました。
こんな雲を見たのは初めてです。
この後からどんどん風が強くなり荒れ模様の天気。
昼過ぎに風が弱くなったので海岸へ行ってきました。


ちょっと気になっていたことがあって、風吹く中をビーチコーミング。
それは昨日海岸で出逢ったハナデンシャです。
綺麗な赤い斑点のあるウミウシの仲間で、生態があまり良く分かっていない生き物なのだそうです。
昨日海岸に打ち上げられていたのですが、大きさは20cm位で弱々しく動いていたので生きていると思い、海へ放しました。
そんな事があり、今日もハナデンシャが打ち上げられていないかと思ったからです。
同じ場所を探して歩きましたが見つからず、諦めて帰ることにしました。

太陽が眩しく、更に風もやや強い中でのビーチコーミングに私は慣れてなくて少し疲れます。
それでも何かを見つけようと目を凝らして砂浜を見ていると、イルカの耳骨がありました。


白い石灰の付いた化石化した布袋石のようでした。

最近の南房総はとにかく風の強い日が多く、南寄りの風と北寄りの風が交互に強く吹いているような感じで、ちょっと異常な天候です。
こんなに異常気象が続くと海岸で暮らすシロチドリの事が気になっています。
風が強い時には餌を探すことが出来ず、いつもの季節通りの行動が出来なくなってしまわないかと心配です。
春になれば繁殖期になるので、この強風がいつまでも続くようだと子育てにも影響がありそうです。
自然の中で暮らす生き物達は強風という自然現象一つで、その命を存続出来なくなる事態にもなりそうなので、今年はシロチドリ達の生態を観察して、その変化を見守りたいと思っています。


海岸奥の草地で休憩中のシロチドリ。
2023/12/30撮影。




ザトウクジラとオオセグロカモメ

2024-01-21 17:17:18 | 海岸での出来事

ザトウクジラが漂着していると聞き、南房総市和田浦海岸へ行ってきました。
駐車場から海を見ると、波打ち際にある大きな岩のように見えました。
近くで見るとほとんど表皮が剥がれて、体が白色になっています。


脇腹には大きな傷があり痛々しい姿で波に洗われていました。
ニュースで体長11mのザトウクジラだと知りましたが、大人のオスで13〜14m、メスで15〜16mとの事なので、このクジラはまだ子供のようです。
昨年12月にも南房総市岩井海岸で死んだザトウクジラが打ち上がっていたのですが、そのクジラは今回のものより小さい感じで、こちらも子供のようでした。
どうして子供のクジラが親から離れて死んでしまったのか不思議です。
死んでしまったクジラの調査をしている国立科学博物館のHPを見ると、ストランディングデーターベース内のストランディングマップstrandingmapには南房総市で2009年12月19日に9mのメスのザトウクジラが定置網で混獲されていました。
定置網は上面に蓋があるため、クジラやウミガメ等が間違って定置網内に入ってしまうと海面上に頭を出すことが出来なくなってしまいます。
一度迷い込むと出ることが出来ず、呼吸も出来ずに弱ってきて最終的には溺死です。
南房総市和田浦海岸と岩井海岸の沖にはどちらも定置網があります。
その2か所で子供のザトウクジラ2頭が死んで海岸へ打ち上げられた事実があり、何が原因でそうなったのか理由を知ることは出来ません。
でももしクジラやウミガメが迷い込まないような定置網の構造になれば、助かる命があるかもしれません。
このザトウクジラのように大人になれずに命を落とすことがなくなれば、とても嬉しいことです。


同じ海岸では弱っているような感じで座り込んでいたオオセグロカモメがいました。
近づいても逃げる素振りを見せず、じっとして動きたくないみたいで病気なのか、もしかしたら鳥インフルエンザなのかと思いました。


同じく漁港にいたユリカモメの群れに混じっていた1羽のセグロカモメ。
カモメ類は普段ならこんな風に仲間のカモメと一緒に休憩しています。
砂浜で1羽でいたオオセグロカモメと死んでしまったザトウクジラを見て、生きている時は仲間と一緒にいるけれど、死ぬ時は皆ひとりだと感じました。




大潮ビーチコーミング

2023-12-28 19:40:08 | 海岸での出来事


今日は大潮なので、どんなビーチコーミングが出来るかと楽しみでした。
結果はアオイガイとイルカの耳骨です。

海岸の満潮時のラインを辿って歩いていると、アオイガイが漂着しているのを見つけました。
こんな感じで砂浜にポツンとありました。
貝殻を探しながら足元を見て歩き、鳥達にも会いたいので、時々沖や磯を見ながらの欲張りなビーチコーミングです。


そして出会ったイソシギは磯で餌を探して歩いていました。


更にイソヒヨドリにも出会えました。
両足でジャンプしながら砂浜から岩場へ素早く移動していました。
曇りで風が冷たかった為か、2羽とも少しふわっとして可愛いです。


沖を見るとユリカモメとカワウが魚の群れを追いかけていました。
カワウは水中に潜って魚を捕まえようとしていましたが、ユリカモメは海上へ降りカワウを驚かせて、魚を吐き出させようとしていたのかもしれません。
時折カワウが飛び立って場所を移動しようとしていたので、ユリカモメのことが鬱陶しいと感じていたようです。


他にもアオイガイが有るかもしれないと思い、注意深く見ていたら全部で3個ありました。
だいたい同じ位の大きさで2〜3cmでした。


アオイガイを拾ってから、波打ち際近くを歩いているとイルカの耳骨が打ち上げられていました。
色の状態から見て化石化した布袋石だと思われます。
大潮のような潮の力が強い時に打ち上げられやすいのかもしれませんが、いろんな条件が重なった結果の偶然の出会いをとても不思議に思いました。


帰り際に出会ったアオサギは堤防の影で羽繕い中でした。
午前中は人影もほとんど無く、堤防の上の釣り人だけだったので鳥達の数の方が圧倒的に多い海岸でした。
いつものお馴染みさん達に会えて、皆の元気な姿にとても嬉しくなりました。
多分こちらの一方的な想いなのですが、いつか鳥達と親しい友達になりたいと思いながら海岸を歩いています。