近未来。定型詩は作るものではなく、ウェブ上の膨大なテキストから「狩ってくる」ものになった。良い猟師は優秀なbotを使い、各々に秘密の狩場を持っている。当初流通していたのは偶然見出された定型韻律だったが、猟師らが古代の定型詩そのものを狩り出すようになるまでそう時間は掛からなかった。
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近未来の定型詩には発見場所のURLが記される。本来作者性のあった前時代の作品を、わざと作者名を削って市場に出す「盗掘品」が後を絶たない。人知れず「詠み人知らず」になった恣意的な定型詩と、偶然性から見出された定型詩とを判別するのは、かつて「歌人」と呼ばれていた鑑定士らの仕事である。
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