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一瞬の風になれ 2

2009-07-20 | 
おいら、実は体育会系です。
同好会などという軟弱なスポーツじゃなく、合宿初日で和式トイレでしゃがめなくなるほどの、筋肉痛を快感に思う事も経験しています。
(今はダッシュすると恐らく10mで、息途絶えているでしょう。)

だから、「一瞬の風になれ」の描写に何度も体感として共振しました。
佐藤さんは、キット運動音痴で野球もサッカーもルールも半分は理解できなくて、雰囲気だけを楽しんでいる熱烈ファン(?)だろうから・・・。
その佐藤さんの「一瞬の風になれ」の描写が、臨場感たっぷり。
この本のために3年間の取材したんだって。作家って凄いよね。想像力が創造力になり。

「一瞬の風になれ」の新二は、練習中に力を100%出し切って動けなくなるシーンがある。
中途半端なおいらは、結局そんな経験は出来なかった。そんな中途半端でだからこそ解る、新二の凄さ。その上を行く連の凄さ。その新二も連も、結局はインターハイがやっとのレベル。じゃ、その先は。とんでもない世界だよね。
そんな世界を運痴(おそらく)の佐藤さんが、見事に描きあげた作品です。


一瞬の風になれ 1

2009-07-19 | 
やっぱり一気に読んじゃいました。
もう少し楽しみは長く継続を・・・と言う気持ちと、直ぐにでも読みたいと気持ちが葛藤して、読みたいという欲望のほうがあっさり勝ちました。
そ、我慢でけん子ねんて。美味しいものは先に食べるタイプです。

春野台高校陸上部一年の「神谷新二」と幼なじみの天才スプリンターの「一ノ瀬連」の高校三年間の話。コーチのみっちゃん(三輪先生)、ちょいと気になる谷口若菜・・・などなど、沢山の主人公たち・・・じゃなく名脇役か。みんな活き活きしてる。
新二と連と+その年の組み合わせでの、4継(100m×4人のリレー=北京オリンピックで塚原、末続、高平慎士、朝原で銀の種目よ)を中心にした、陸上部活の話です。
詳しいストーリーは各自ぐぐって(不親切だけど)

テンポがある。次は・・・次は・・・、と留まらない。
気が付いたら、最後まで読んでしまった、って本だよな。
特に何がある、イベントがある、エピソードがある、訳じゃない。
連の怪我があったり、新二の兄の事故なり、もちろんストーリーの山谷はあるんよ。
でも想定内の、無理なストーリーがない。
ある意味、こんな淡々とした筋書きで、なんでこんなに引き込まれるのか、『不思議』なんよ。

ほんと読み手も100m10秒台で読み進める、そんな本です。


一瞬の風になれ 0

2009-07-16 | 
『一瞬の風になれ』佐藤多佳子(講談社文庫全3巻)

待ってたのよ~~、文庫になるの。
別に単行本を買えない訳じゃないし、買えばよかったんよ。
装丁も綺麗だったし。

なんでだろ、貧乏性なんだろうな~。
単行本3冊で4,515円→文庫本3冊で1,880円。
変な性格だわ、つくづく。
BookOffで105円×3冊=415円になるまで我慢するなら、それはそれで立派なんだろうけど、中途半端だよな~。

肝心の本の内容は、今晩読み始めたばっかりなので、数日後Upしますので乞うご期待(?)


いつもの朝に

2009-04-11 | 
『いつもの朝に』

今邑 彩(いまむら あや) 集英社文庫(上・下)

初めて読んだ作家だったのですが、いやぁ~・・・いい。
ミステリーやホラー系の作家らしいけど、この作品は違う。

成績優秀でスポーツ万能で背が高くて男前の兄。
対して、成績も悪い、ニキビだらけで顔も悪いし、いいとこ無しの弟。
父親は三年前に事故で亡くし、画家の母親と三人暮らし。
その弟が父親からの形見のぬいぐるみから、謎のメッセージを見つけることから、ドラマが始まる。
中学生の多感な時期の揺れ動く心と母親の愛情がさ・・・(涙)(涙)の物語です

ぜひとも、中学生に、また中学生の母親に読んで欲しい作品です。
(ってピンポイントで読んで欲しい母親に言っているんだけど)

おいら中3の夏休みに、とある本に読み耽った覚えがあるんよ。
テスト前になると『別の事』したくなるやん、で別の事がやたら集中したりして。
でもその本を読んだおかげで、国語の読解力があがったのか、長文の問題って苦にならないどころか、逆に楽しみになった覚えがある。
もちろん、もう35年も前の話しだし、近頃の高校受験の国語問題(よく夕刊に連載しているやつ)に挑戦するけど、ほぼ全滅だからあてにしないでね。


ちょい、嬉し恥ずかし恋愛小説

2009-04-10 | 
『いま、会いにゆきます』
『恋愛寫眞』

市川拓司(小学館文庫)

ジャンル的には「SFファンタジー」などとジャンルされるのかな~。
映画化やTVドラマ化してるので、知っている人も多いかと。
あらすじとかは検索すれば多数出てくるので省略。

この手の純愛小説は、恥ずかしながら嫌いではありません、というのはこのブログを見てもらえば解ると思う

少し残念なのは(もちろんオイラの趣味として)、『澪』や『静流』の死があるストーリーなんよ。
『死』がテーマというか前提というか、で成り立ったお話。
でさ、『死』とか『病』をラブストーリーに持ってくるのは、(オイラの趣味として)如何かなという、思いがある。悲しくなるの必然やん。

でも、面白かったよ。


(えっ、何よ!!!  ↓ スポンサーサイトってのが、この記事の中に表示されるわけ???)
(もちろん、無料で使わせて貰ってるから、文句は言えないけど、趣味ワル~、いつの間によ)

訳わからんけど、『アカマイ』設定OFFで回避されるとのこと。


修羅の終わり

2008-10-31 | 
『修羅の終わり』貫井徳郎(講談社文庫)

よく解らなかった。
今回は最後まで一気に読んだ。
『追憶のかけら』は作者のミスリードにまんまと引っ掛かったけど、今回は最後に真実が解るのだけれど・・・。

作者は最後の最後に『真実はコレじゃー』と言いたかったらしいけど・・・。
オイラは『はぁ・・・、そうですか』、作者の意図が理解出来なかった。
文庫の解説を読んで、少しだけ『そっかなんか、引っかけがあったのね』と多少理解が。
でも、整理が付かない。どうも作者のフェイントにも付いていけなかったみたいだ。
『追憶のかけら』はミスリードに完全に乗せられて、『修羅の終わり』はミスリードすら解らなかったらしい。

なんというか、『もやもや』作家だな~。
スンナリと騙される快感を与えてくれる訳でもなく、かといって解らん詰まらん面白くない止めたと投げ出すには惜しい読み応えを与えてくれる。

つーことで、もう一度読み直してみます。


追憶のかけら おまけ

2008-10-24 | 
基本的にはこの手の小説やTVドラマに関しては、決して謎解きをしない事にしてるんよ。
どうせ、作者に騙されるんだから。
頭で、理屈で考えても、作者を超えられない。

動機がどうのこうの言うのは、今自分の考えている常識の範囲内で考えていることなんだから、楽々と作者が上を乗り越えて行く。
作者だけではない。
考えてみれば、『誰でも良かった』で殺人が行われているの現実社会。
こんなところで火を付けたら、多数の人が巻き込まれるだろう、というところで火をつける。
車で人を轢いても、そんなもん直ぐに見つかるのが解っていても、数Km引きずって逃走するし。

そんな社会の中、小説の世界で動機がおかしい、って考えるほうがおかしいや。


追憶のかけら 結末編

2008-10-24 | 
『追憶のかけら』貫井徳郎(文春文庫)

>すんなり結末を読むのを躊躇したのは、読み直してみてやっぱり色々な疑問が。
疑問を書き出したけど・・・、どう解決するのか・・・。
どうせ解らないから、と結末を読んだ。

え~~ん(涙)。
口惜しいよ。
結局、作者のミスリードにしっかり乗せられて。
こんな動機がわからんもん、納まり付く筈がないと。
ところが(少々?はつくけど)、ぎりぎりセーフで、納まりましたね。

最後は少し泣かせるのも、いい。映像的でもあるな~。

楽しかった、いろいろ推理したけど、全然あさって。
口惜しい。けど面白かったよ。


追憶のかけら 疑問編

2008-10-22 | 
『追憶のかけら』貫井徳郎(文春文庫)

>読み終わってから感想を書くのが普通だろうけど。
>ページ数で85%を読み進めたところで、ひと言書きたくなった。

で、読み直しました。

すんなり結末を読むのを躊躇したのは、読み直してみてやっぱり色々な疑問が。
ネタばれになるのでココで。
 (余りにも作者のミスリードに乗せられた恥ずかしい、で公開終了)
読んでいない人には何のことかサッパリわからないだろうから、『独り言』だから。


追憶のかけら

2008-10-01 | 
『追憶のかけら』貫井徳郎(文春文庫)

読み終わってから感想を書くのが普通だろうけど。
ページ数で85%を読み進めたところで、ひと言書きたくなった。

事故で愛妻を喪い、失意の只中にあるうだつの上がらない大学講師の松嶋は、物故作家の未発表手記を入手する。絶望を乗り越え、名を上げるために、物故作家の自殺の真相を究明しようと調査を開始するが、彼の行く手には得体の知れない悪意が横たわっていた。
二転三転する物語の結末は?著者の傑作巨編。
(文庫裏表紙のあらすじ)


いわゆる推理小説のジャンルに入るんだろう、謎解きが中心の進め方だから。

>物故作家の自殺の真相の未発表手記
の内容が終戦当時の臨場感もあって読み進んだんだけど、でも自殺の動機がイマイチぴんとこなくて、もやもやして仕方がない。仕方が無いと思いながら読み進むと、
松嶋は物故作家の自殺の真相を究明しようと調査を開始するが
そっかそっか、真相を解明してくれるのね、と読み進める。ところが、
松嶋の行く手には得体の知れない悪意が横たわっていた。二転三転する物語の結末は?
そうなんよ、真相の解明の際に松嶋が巻き込まれる事件も・・・動機がわからん。
推理小説としては成り立っても、どう考えても動機が・・・本当にすっきり読み終えることが出来るかな~・・・。

普段推理小説は、謎解きは諦めて素直に騙されるのを楽しむんだけど、今回はちょっと異例。
このモヤモヤを解消してくれれば、『最高!!』と賞賛する Vs 解消できなければ『この本は読むだけ無駄!!』の両極端の感想になることは必死。
まぁ、ある意味この時点で、ブログネタになった事に感謝しなくっちゃね。


りはめより100倍恐ろしい 1

2008-08-08 | 
『12人の悩める中学生』の次は、デビュー作『りはめより100倍恐ろしい』
(今のところ文庫本ではこの2冊)

おじさんはね、「いじり」と「いじめ」の違いが解りませんでした。
その後、ネットでいろいろ調べたけど、尚更わからなくなった。

で、この作者が言うように「いじ「いじより100倍恐ろしいなら、どちらもしたらあかんで。

そもそも「いじり」って何よなんだけど、どうも「ダチョウ倶楽部の上島さんいじり」や「紳助のいじりはいじめにつながるなんてよく批判されていますが・・・」という感じらしい。
どちらも『芸じゃねぇ』とおいらの感想。

現実としては中学生や高校生が「いじられたくない」と真剣に悩んでいる現実がある。

でも世間では上島、紳介芸がウケているところをみると、「いじり」を歓迎しニーズがあるんかな~。
この手の話(マスコミがいじり、いじめを増長しているという批判)は、お互いの需要と供給の関係で世間が求めるものをマスコミが供給しているという構図で、一方的に供給するマスコミが悪いという批判は間違いだ。

でも、節操もないマスコミは周りから批判される事はないが、少しはマスコミ自身反省するべきだ。
大衆はこの程度の刺激があればいいんだろ~、なんて番組作り続けていたらそっぽ向かれるで。
地上波独占時代はとっくに過ぎているだからね。

*** 続く ***


12人の悩める中学生

2008-08-03 | 
う~ん、ほぼ息子と同年代の作家「木堂椎(こどうしい)」の本。

中学3年生の1年間の学校生活を、生徒12人の視点で綴った作品。

いわゆる青春のびのび小説ではなくて、いじめ・いじり(・・・)たっぷりの現実を描写している(のかなぁ・・・)
一定の主義主張はない。淡々と最近の中学生活ってこんなんよ・・・と書いてある(のかなぁ・・・)
おじさんは、特にいじめ系の専門用語(?)など、全然付いていけない。
『ハブる』って・・・何? 前後の文脈からいくと「村八分」かな・・?
その他多数、雰囲気はわかるけど、とっても不思議な文体、つーより今時の話し言葉だわ。

読み始めて、真っ先に姫野カオルコのツ・イ・ラ・クを思い出したんだけど、わざと露悪的に『小中学生だからといって純真じゃない!!』といった意図が解るツ・イ・ラ・クは、読みにくかったけど予想予測想像の範囲内だったんよ。
で、この本は表面的な事象は、例えば「席替え」「修学旅行の班分け」「合唱コンクールの指揮者」などなど、まぁ30数年前と一緒だわ、なんだけど・・・。

理解想像を超えたのが、クラス内での暗黙の『階層別(?)』みたいな身分制度(?)がある、というのがこの本のベースにある事である。ほんとなん?
だとすると、この年齢で人間関係に悩まなければ生きていけない、今の子供たちに同情するわ。
というかそんな社会に怒りを感じるけど、誰に当たればいんんよ・・・時代かな・・・。


この作家は『りはめより100倍恐ろしい』で野性時代青春文学大賞を高校生時代に受賞し、ケータイで作成したって事で話題になった作家です。
で、プロフィールは公表していないので判らないのですが、男性らしい。
でも、この作家は『女子』だよ。『男子』がこの年齢で、ここまで客観的な視点で文章に現せる能力は無いって。もっと幼いって男子は。


おいコー

2008-06-29 | 
『夢のあとさき』(おいしいコーヒーのいれ方Ⅹ) 村山由佳 集英社文庫

出ました、10巻目。いよいよ・・・(ネタばれにつきこれ以上は)です。
まぁ、キーワードは『月夜、蚊帳、蛍』ですかね~。

第一シーズンはこれでひと区切りだとさ。
Jブックス版(新書版)は既に第二シーズンが二冊刊行済みらしい。
まぁ、文庫になるまで、出来ればブックオフに並ぶまで我慢するわ。


雨恋

2008-06-24 | 
『雨恋』 松尾由美(新潮文庫)

このところ古代史関係の本が多かったので久し振りの恋愛小説。
恋愛小説の分類に入れるのは、ちょいとなんかもしれないけど。
SFとかミステリーが一般的な分類かも。

なんせ、『最初の印象はそう悪くもないものの、長くつきあうと飽きのくる』タイプの渉君(30歳)が、『うんと簡単に言ってしまえば』恋人にふられた状況で、叔母のアメリカ転勤に伴って空いたマンションを人に貸したり売ってしまうより、身内に管理費程度で貸したほうがいいとの判断で借りることになる。
付帯した条件は『猫二匹シロとトラ』の世話だけ・・・だった筈。

で、ミステリーだから出ました!!
何がって?
もちろん

後はネタばれ、なので遠慮。

 追伸:雨恋は『あまごい』って読んでね。


ナラタージュ

2008-04-18 | 
『ナラタージュ』 島本理生 (角川文庫)

やぁ~、いい。良質。
1983年生まれだって、ビックリ。

普通、本とか映画とかは題材にセンセーショナルなものを選択しがちやん。
これだけ普通の登場人物で、ありふれたテーマで、変に深刻になる訳でもなく。
淡々と登場人物を描写して、それでも感動を呼ぶ、ってどうよ。
凄いね、のひと言。
文庫本になっているのはこれ以前は3冊しかないみたいけど、追っ掛けます。

若い女流作家の本を意味もなく敬遠してたけど、昨年から読み始めた、山本文緒、江國香識、姫野カオルコ、佐藤多佳子、村山由佳、で島本理生。
肩肘張って主義主張を出すところがなくて、みんな質が高いよ。

男性どうした、萎縮しているんちゃう?
オリンピックも男子競技振るわないよね・・・。