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有川 浩

2012-05-20 | 
『空の中』『海の底』『塩の街』 いずれも角川文庫

普段は手に取らないSF+自衛隊ジャンルの本なんだけど、「有川浩」追っ掛けとしてデビュー3作品って事で。

まず『塩の街』
(角川文庫の順番ではいろいろな状況があって3番目の作ですが、デビュー作です)
いやはやなんというか・・・、東京に降って来た巨大な塩化ナトリウムの隕石。
この塩化ナトリウムを見た人が感染・・・し、塩化して塩の柱と化し死に至る・・・って話です。
元航空自衛隊二等空尉の「秋庭高範」と塩害で両親をなくした高校生「小笠原真奈」のラブストリーを中心に、最後は世界を救う秋葉の言葉がいい。
『世界を救うなんてご大層なお題目のため命を賭けられる・・・』
ここまで、後は本を買って読んでね。

『空の中』
200X年、謎の航空機事故が相次ぎメーカーの担当者と生き残った自衛隊のパイロットが見つけた秘密とは?
一方地上では、子供たちが見つけた不思議な生物。
コチラも不思議なSFの世界と、春名高巳・武田光稀、斉木瞬・天野佳江のラブストリーが絡む、薄味いい味な作品です。

『海の底』
巨大なザリガニ風甲殻類が、桜祭りで開放された米軍横須賀基地を襲い、次々に人を「食べている!」
停泊中の海上自衛隊潜水艦「きりしお」の自衛官は救出した子供たちと潜水艦に立てこもる事に。その潜水艦に立てこもった子供たちに問題が・・・
これもここまで、後は本を買って読んでね。

阪急電車

2012-05-13 | 
『阪急電車』 有川浩 (幻冬舎文庫)

今度は原作の話。
おおむね映画と同じストリーで違和感がない。
(いつも原作→映画の順だから書きにくいけど)

ただびっくりしたのが、映画では原作で一番最初の「征志とユキ」のストリーが完全に省略されている・・・。同時に最後の三節からも「征志とユキ」がすっぽり抜け落ちている。
原作者にしたら、渾身の力を込めた筈の最初のエピソード、主演級というべき(まぁこの作品は、だれが主人公ってわけでもなく連作風のつくりだけど)二人のエピソードを省略されて・・・どうなんだろう。
確かに、最初に出てきて最後にまた出てくるのが、間延びしてしまうせいかもしれないけれど、ね。

と思っていたら、映画公開版以外に「阪急電車-片道15分の奇跡-征志とユキの物語」というのがあるらしい。
映画公開に先駆けてLISMOドラマ!として配信されたスピンオフドラマ。原作『阪急電車』には存在しながらも、映画本編では描かれなかったもう一つの純愛ストーリー。だとさ。
機会があればみてみたい。(LISMOドラマ、スピンオフドラマ意味不明)

左京区七夕通東入ル

2012-05-13 | 
『左京区七夕通東入ル』瀧羽 麻子(小学館文庫)

文学部のわたしと、理学部数学科のたっくん。
彼が暮らす学生寮のどこかキテレツな理系男子の友人たち。
かけがえのない学生時代と仲間たち、ゆるやかに育まれる等身大の恋。

いい、ほんと。
一番好きなシーン。

「どうしよう、クリスマス」
とつぶやいた。
最初、わたしはひとりごとだと思って聞き流した。
「どっか行きたいとことかある?」
重ねて聞かれて、初めてそれが質問だとわかった。その瞬間にわたしがどんな顔をしていたかはあまり想像したくない。
自分にしっぽがついていなくてよかったと思う。

前後の話がわからずに唐突ですが・・・わかるかな雰囲気?


「流血や事件や死や病、不倫や異常な愛や事件や」を主題にせずに等身大の身近なテーマを扱って、ここまで読者の気持ちを掴めるって凄いと思う。
楽しみな作家、発見!!

プラチナタウン

2012-02-23 | 
『プラチナタウン』 楡周平 祥伝社文庫

このところ寅シフトモードで読書量がたおち。
それよりも、朝の通勤時間帯に居眠りの癖がついてしまって、なかなか抜け出せないいのが、一番かも。
それというのも、最寄り駅始発の電車に乗るようになって、確実に座れるんよ。
でもって寅シフトで少々夜更かししているんで、ついついウトウトと。
いったん覚えてしまうと、これが抜け出せないよね、悪い癖はなおさら。

平日の読書時間の半分(30分弱だけど)がなくなってしまい読書量がたおち。
まぁ別にいいんだけどさ。


話は『プラチナタウン』楡周平さんだった。
この作者の本は読んだことあるようなないような・・・ないんだわ。
「Cの福音」って既視感があるんだけど、本屋の平台で見ただけなんだろう。

そだ、話は『プラチナタウン』だった。
主人公が、大手総合商社のエリートサラリーマンで、役員一歩手前まできてなんともつまらない理由から、閑職か関連企業に転出が決定的になった。
そこに生まれ故郷の財政再建団体寸前の町長に請われて転身・・・、って話。
過疎化が進む、公共事業は底をうつ、借金まみれの町の財政。

『著者の新境地を示す新社会派小説』とアマゾンの紹介分ですが・・・そんな肩肘はらずに軽い読み物として、いいんじゃないですかね~。
実は現実も、理論的に正しくて経済的にもクリアできて、後は既得権益勢力の邪魔さえなければ、こんなふうにすんなり改革も達成できるんではないかと夢を見させてくれました。

橋下さんにも、あの手この手で邪魔をする甘い汁すすっている連中に邪魔されずに仕事させてあげたいよね、ホント。

生徒諸君

2011-11-26 | 
唐突ですが『襁褓』(当て字なんだろうけど・・・)

とあるサイト覗いてて、この記事のコメントに漫画の「生徒諸君 教師編」(庄司陽子)に出てきてどーのこーの、って。

なんか「生徒諸君」のフレーズが懐かしくなって、暫く会社帰り漫画喫茶に通った。
(持ち込み可の店で、缶チューハイとおつまみをコンビニで買って)

まぁ~、なんというか少女漫画の王道を行っているね~。
大阪府某所の漫画喫茶で50超のいい歳したおっさんが少女漫画を読んで、咳き込んでいるのかなんだか、目頭を押さえてたのはオイラです(恥)。
しかたないやん、「出物腫れ物、所嫌わず」だい。くしゃみやおならと同じレベルだわ。


「生徒諸君」は1977~85年、「週刊少女フレンド」に連載されました。
「生徒諸君 教師編」は2003~11年、ヤングレディース誌『BE・LOVE』で連載だそうな。
オイラの学生時代のクラス(ほぼ男子校ふう)では、「りぼん」Vs「別マ」で争っていて、「少女フレンド派」はいなかったわ。
オイラは「別マ派」で大谷博子さんの「由布子、由似」(萌え)や沖倉利津子の「セッチ」「聖子と吉三郎」ファンです。

ということで「生徒諸君」はおそらくその後の喫茶店で読んでしっているんだろう。
で、今回シリーズ全部よんだけど、当時は「生徒諸君」の総てを読んだ訳でなかった(結論しらなかったし)。更には教師編はまったく読む機会もなかった。みたいです。
(だから、どーって話でもないけど)

で、『襁褓』
「生徒諸君 教師編」じゃなくて、最初のシリーズの教生先生時代の話でした。
正解はぐぐってね。

赤灯えれじい

2011-10-24 | 
『赤灯えれじい』(せきとうえれじい)は、「きら たかし」による日本の漫画作品。『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて、2004年より2008年まで連載された。

舞台は大阪府東大阪市・守口市界隈。無学歴、臆病、貧乏、フリーターでヘタレの主人公のサトシ。赤灯(誘導棒)を振る交通警備員のバイト先の現場で、新人の女の子チーコと出会う。容姿は可愛いものの、ド金髪で気が強い上に喧嘩っ早いという、一目でヤンキー上がりと分かる自分とは正反対のチーコに最初は戸惑うも、日々接して行く内に彼女の心優しい魅力的な面に魅せられ、サトシは心奪われチーコを好きになる・・・(By Wiki)


久し振りのHitした漫画。

いい純愛ストーリーは。
時代時代で、いろいろな表現方法があるのだけど、結局、好きになった男女の物語。
パターン的には、好きなのに自分の感情を不器用に上手く表現できず、すったもんだが事件がある。でも、お互いが好きであるという気持ちが信念が、最終的にはハッピーエンドが定番・王道だ。

このヘタレのサトシ・・・、自分を投影してる。
気の強いチーコ。オイラの趣味を投影している。
シンクロしてしてしまいました。

追伸:
 このラストは反則だ~。

ダブルファンタジー 村山由佳

2011-10-03 | 
ちょっと過去ブログにも書いたけど

>村山由佳はここのブログでも結構取り上げているとおり、大Fanなんだど・・・
>素直に『天卵』『オイコー』シリーズは少女漫画を見るように好きだけど、『ダブル・ファンタジー』は、まだ覚悟が出来ずに読んでいない。

と書いたんだけど、文庫本化されて思い切って買った。恐らく失望するだろうとの確信のもとに。
で、読んでみて「ミュージック・ポートレイト」(これまた過去に記事があります)での発言がよく解った。

その時の発言を録画を頼りに再録します。

**********

ナレーター(以下 ナ)
「恋愛小説のカリスマ」「直木賞作家、村山由佳さん」
「10歳以上離れたお兄さん二人と・・・」

村山由佳(以下 村)
「ずーっと離れての末っ子だったから、遊ぶ時もけっこう一人遊びが多くて、空想癖が強くて・・・」

「私は物凄くいい子ちゃんだったんですよ。」
「母親が凄く厳しい躾けを、それですごく有り難かった部分もあるんだけど」
「でもいい子でいなくっちゃいけないっていう縛りがとても強くて」
「だけど、そうじゃない自分っている訳ですよね」
「いい子でいる事によって、何かから免れている」
「後ろ指を刺される事からも免れている、狡さ・・・」


「25歳の時、結婚。その後仕事を辞め田舎暮らしを始めた彼女は」
「やっと小説を書き始めますが、認められません」


「いざ投稿を始めたら結構、いいとこまでいくのに、どんどん落とされるという」
「8編には残るけど4編の最終選考に残らないというのが、2年ぐらい続いたかな~」


「自分が書けること、本当に書きたいことを書く。」
「そんな決心で望んだ小説『天使の卵』で新人賞を受賞します」
「この時、29歳。」
「ハッピーエンドではない、新感覚の恋愛小説として、女性たちの支持を得たこのデビュー作は」
「100万部を超えるベストセラーを記録。作家としてのパスポートを手にします」


「私、デビュー作が・・・いまだに、今に至るまで、『あのデビュー作が一番好き』っていう人が」
「多いくらい、それが幸せな事だったんだけど、私にとっては凄く漬物石みたいな、感じがする訳ですよ」

「私は・・・(映画、レオンの話が入って)、純愛小説作家っていう風に嵌められしまった枷を」、
「私自身が枷と思わずに、もっと広くとらえたらいろんなものをかけるんじゃないかしらって」


「村山由佳さんは、39才で直木賞受賞。『星々の舟』は恋愛小説を超えて、家族の葛藤とそこに秘められた禁断の恋を複数の視点で描き、作家として新たな領域に到達しました。」


「丁度デビューから10年目に貰った賞だったんですよ。」
「それまでの自分とは違うハードルを用意して、自分にとってはものすごく高いハードルだったんだけど」
「なんとか『超えられたぜ』という想いがあって」
「それだけに、その作品で賞を貰えたのが、ものすごくうれしかったんですね」


「直木賞もとり作家としての成熟が期待された矢先、村山さんは小説が書けなくます」
「原因は、当時の夫との意見の対立でした。」
「新しい挑戦をしたい村山さんと、恋愛小説を書き続けるべきだという彼の主張、食い違っていきます」


「私は、もっと人間のドロドロしたものとか、人が見たくないものとか」
「自分の臓物引きずり出して書くみたいなもの、作ってみたかったんだけれども」
「彼は彼で今までの読者を裏切るつもりかって」


「2009年45才で発表した『ダブルファンタジー』」
「これまでとまったく違う官能的な表現で全編が貫かれたこの小説は、三つの文学賞の同時受賞という快挙を成し遂げます」


「今までの全読者が離れていってもしょうがないかもしれないって」
「だけど私は今これを書かなくっちゃ、自分の今までの事、これからの事に」
「自分自身で落とし前つけられないよ」
「それだけにその作品で賞を貰えたってことが、ものすごく嬉しかったんですね」

**********
(長くなるので、続く)

星々の舟 村山由佳

2011-08-19 | 
直木賞の『星々の舟』が一番の駄作だと思う、と書いてちょい断定しすぎかと後ろめたい気がして、再度読み直しました。

再度、読み直して「あれ」こんな話だっけ・・・。
ひと言で「駄作」と言うのは、言い過ぎだったごめんなさい。

でも
近親相姦、不倫、性的虐待、いじめ、従軍慰安婦問題。
なんか読み進めるうちに、大学受験の『傾向と対策』風の、この問題提起をすれば喜ばれるだろうという臭さが鼻についてきた。

極めつけは「従軍慰安婦問題」
この問題は難しくて、オイラなんの主義主張は出来ません。
この小説のような状況があったかもしれないし、なかったのかもしれない。
おそらく個人で「こうだった」と真実は判定できないでしょう。

そのような微妙な問題を
「急に目の前にトラクが止まて、いいから黙て乗れと無理やり乗せられたです・・・」
「・・・たまされて連れられてこられた人、イパイいるヨ。・・・」
というある意味無邪気な表現をしてしまう村山由佳さんの無責任さというか優等生的な表現は問題がある。
というのは、この問題や靖国神社参拝、南京大虐殺などなど、恣意的な評価をする一定の勢力の尻馬に乗ったストーリーにしてしまった事にある。

更に「星々の舟」の本人の評価を、先述のミュージック・ポートレートの番組の中から拾うと
『丁度デビューから10年目に貰った賞なんですよ』
『本当にそれまでの自分とは違うハードルを用意して』
『自分にとってはものすごい高いハードルだったんだけど』
『なんとか越えられたぜ、って想いがあって』
『それだけに、その作品で賞を貰えた、というのが物凄く嬉しかったんですね』

自分に課した高いハードルが、従軍慰安婦問題に対してこんな答えなんや?
その評価は「直木賞」受賞という結果が嬉しかったんや・・・。
もちろん「直木賞」受賞というプロの作家の評価に対して、オイラみたいな素人がどうのこうの主義主張を言えるはずもありません。
でも、趣味趣向としては詰まらない作品である事を再確認しました。

反社会学講座

2011-06-05 | 
反社会学講座、続・反社会学講座(パオロ・マッツァリーノ ちくま文庫)

目からウロコ状態になる(と思う)面白いよ。

もともとインターネット上に公表されていた内容が出版され、文庫本化したもので、その元になった内容は今でも公開されている。
スタンダード 反社会学講座

文庫本化された時に加筆修正されていると言っても、ネット版でも充分。
リンクフリーであること、「引用とコピー」の差を微妙に意識して、。「まっつぁん」の言いたい事(とオイラが解釈した)を引用させて頂く。

私の意図するところを・・・「フリーター」「パラサイトシングル」「凶悪少年」などと、あるカテゴリーで人間を色分けして、そこから拾い上げた特徴を普遍的な真実であるかのように語ることは・・・誤っていて危険ですよ、といいたいのです。
 「この社会は病んでいる。その病理を暴き出し、社会を良くしよう」などと意気込んでいる人がもっとも困るのです。このような、狂気の優等生とでもいうべき人が、わけのわからない研究結果で他人を攻撃するのでしょう。


>そこから拾い上げた特徴を普遍的な真実であるかのように語ること
例えば『少年の凶悪犯罪は本当に増えているのか 』という問に、おそらくほとんどの人はマスコミの報道などで漠然とそうだと信じ込まされていると思う。
もっともらしく平成の少年凶悪犯罪のグラフで、元年から8年が1,500件程度が9年に2,500件の右肩上がりの数字を見せられると、確かに少年の凶悪犯罪は増えている、と思わされてもしかたがない。でも実は・・・(この後は文庫本買って読んでね。ネットでも読めるけど)

補足
Q. ふざけてるのか真面目なのか、はっきりしてください。(麻薬犬・4歳)
A. 真面目にふざけてます。


風刺の解らない『真面目』な人は、読まないほうがいいです。

『生きさせろ!!』

2011-01-21 | 
『生きさせろ!! 難民化する若者たち』 雨宮 処凛(うめみや かりん) ちくま文庫

読了。
色々と考えさせられた事もあったし、そりゃ被害妄想的な言掛かりだろ~という両面があった。

一番お薦めしたいのは具体的事例で、派遣社員の過労自殺に至った人、管理職の名のもと酷使される正社員、などなどを追っ掛けていること。これは『人ごと』でないね~、おいらがこの時代なら・・・。
更にその中で印象に残ったのが「ハローワーク」などの役人の無力さ、というよりそもそも失業者のための公的機関が、失業者の足引っ張ってどーするん(恕)。労基暑とか社保庁も同じだろ。
(おそらく人も予算も足りません、ってスタンスなんだろうね。まぁ窓口のおじさんたちに文句言っても仕方ないけど、この話は長くなるのでパス)

再認識しなくっちゃ、と思ったのが『自己責任』って言葉。

本当にちゃらんぽらんしてて、あるいは真面目にとんでもない個人の思想で、世間に迷惑を掛ける人に対して『自己責任』だから公的な援助しない選択は正しいと思う。
例えば外務省から渡航に注意喚起されている紛争地域に、個人の自由で行くのはいいよ、行けば~。
結果として拉致されたり人質になったとしても『自己責任』だって。オイラの税金(少ないけど)がそんなわがまま娘の解放に使われたくない。

しつこく再認識しなくっちゃ、と思ったのが『自己責任』って言葉。
ところがね、真面目に精一杯頑張ってなんとかしなくっちゃ、というフリータやニートがいる。
自分がまともな正社員になれないのも、数ヶ月ごとに契約更新させられ、突然に明日から来なくてもいいと言われても、事業者側の不当解雇を主張する訳でもなく、『自分の能力が足りない』と自らが内向きにこもっている人がいるとうこと。この内向きの『自己責任』の償いが、家庭内暴力やリストカットや、爆発して無差別殺人という事になってしまう。

わかったような解らないよな話でごめん。

早い話が単純に『自己責任』で片付けられる話と、『自己責任』という言葉のもとで、不当な扱いをされて、それでも自分が悪いと思い込んでいるフリータやニートがいるということ。


内田樹×雨宮処凛

2011-01-18 | 
『ひとりでは生きられないのも芸のうち』 内田 樹(うちだ たつる) 文春文庫
『生きさせろ!! 難民化する若者たち』 雨宮 処凛(うめみや かりん) ちくま文庫

今春卒業予定の大学生の就職内定率が、統計を取り始めた中で最悪になりそうだと、Y新聞夕刊にあった。

数年前に『ネットカフェ難民』などの言葉に象徴される、フリーター・ニート問題が連日TVでお騒がせしてたの、どうなったんだろう。大学生の就職がこれほど悪くなっているんだから、更にフリーター・ニート問題は上積み深刻化してるんだろけど、TVで出ずっぱりだった雨宮処凛さんも、あまり見かけないよね。

話は、内田さんと雨宮さんの本を、何故二つ並べたかと言うと、たまたま「内田さんの本を読んだ次に雨宮さんの本を読んでいる」ということなんですが。
内田さんは「下流思考」で、学級崩壊やフリータ・ニート問題の本質を目から鱗状態で解説してくれました。
同様の流れで、『ひとりでは生きられないのも芸のうち』というのは、「自己責任」「自立」を求められる世間の風潮にもっと「人に頼って生きていいやん」「自立じゃなくて孤立では」と論ずる。

雨宮さんの『生きさせろ』は冒頭に
 我々は反撃を開始する。
 「自己責任」の名のもとに人々を追いつめる言説に対して。
 我々は反撃を開始する。
 経済至上主義、市場原理主義のもと・・・ 
と高々に宣言する。
おお、ひと昔前の左翼のアジ文章のようやん。

(実はまだこの本は最後まで読んでいないんで、詳しくは後ほどってことなんですが。)
雨宮さんの「言いたいこと」が、内田さんの言う本質や原理から外れると、これは雨宮さんの「無理スジ」や「願望」や「言いがかり」だな~、という相乗効果でなかなか興味深い本の組み合わせだな、って思う。

続きます。


リアル書店 その5

2010-12-24 | 
ネット販売や更には電子書籍が、今から確実に伸びていく時代にあって、コスト問題だけをとると電子書籍にリアル本屋が勝てる筈がない。紙に印刷する必要もなければ、印刷された本をトラックで配送するコストも掛からず、本屋が抱える在庫問題もなく、絶対にコストで勝てる筈がない。

コストで勝てないならば、付加価値を上げるしかない。

小さな町中のじーちゃんばーちゃん書店は、もう無理なんかな~、悲しいけれど。
駅チカ本屋は待ち合わせや、時間待ちスペースで勝負するんかな~、でも本自体の売り上げにどこまで貢献できるんかな~。
MARUZEN&ジュンク堂書店は、なんで勝負するんだろうか?200万冊もの本を揃えているから・・・。
場所的には、ちょい不便。同じ周辺にあるジュンク堂アバンザ店はJR北新地駅、大阪駅、地下鉄西梅田駅、阪神梅田駅、阪急梅田駅、、などなど地下街で繋がっていて、傘をささずに行ける有利さに比べてさ。

オイラにとって絶対に(生きている間は)生き残って欲しいリアル書店。
単に欲しい本が売っている場所じゃなくて、本屋自体の存在が意味があって楽しい空間なんだから。
今年の4月にちょっと恥ずかしい妄想をこのブログで紹介したけど、彼女との出逢いが書店で再会も書店なんよ。
おいらにとっては書店って特別な場所だから、生き残ってよ、生き残れるよ。


大型書店 その4

2010-12-24 | 
さっそく行って来ました。『MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店』

まず、阪急梅田駅の一階にある紀伊國屋書店に寄ってみた。
久し振りに行ったけど改装してて、以前の店が入り口から入ると通路が折れ曲がっていてゴチャゴチャ感があったのが、広めの通路とお客の動線を意識したレイアウトで、「すっきりいい感じ」。
MARUZEN&ジュンク堂書店で、一番影響があると思われる店だけど、全然感じさせなかった。

MARUZEN&ジュンク堂書店の場所はLOFT梅田店のJR側に斜め向かい。
最大売り場を誇るとはいえ、B1~7Fまであるので、一階いっかいはさほど大きさを感じさせなかった。
ジュンク堂の特徴である、「立ち読み歓迎更には机椅子まで用意するんでゆっくり選んでね」の椅子机はあることはあるけど、限られた数だけ。階で場所もランダムっぽく、ちょっと椅子は利用しにくい印象だった。

丸善らしく洋書が6階の半分あって、ちょっとだけ知っている『愛を読むひと』(The Reader)や『ケインとアベル』(Kane and Abel)のペーパーバック版を手にとって、訳してみようか無謀な想像を。
数学書では『マンガで解る複素数・虚数』をみて『博士の愛した数式』で出てきたオイラーの公式をお勉強。でもさマンガで解り易く説明してあっても、まぁ立ち読みだし、にわかに理解できるはずもなし。
地下のコミック売り場は、きっとマニアは垂涎の品揃えをしているんじゃないだろうか?10数年前に連載を終えたようなマンガを置いてあった。準備が間に合わなかったのか8割はビニール袋に入っていなく、立ち読み可。さすがに椅子は用意されていなかったけど。

久し振りに、本屋のなかをウロウロ、エヘヘこんな本あるのね、などゆっくり楽しんできました。
品揃えの多さというのは、素人にとっては良く実感できなかった。書店のプロとか、希少本を探している人など違いが解る人は少ないと思う。

本屋には色々な楽しみ方や、利用方法(例えば待ち合わせ場所として、オイラ最適な場所だと思う)があると思う。そういう意味では、阪急梅田駅の一階にある紀伊國屋書店は、駅直結で待ち合わせや通勤途中の寄り道場所として、MARUZEN&ジュンク堂に勝っているし影響は少ない気がする。
ジュンク堂の戦略として、多少不便なターミナル駅から多少離れた1.5等地でも来てくれる目的意識の強い顧客をターゲットにしているらしいから、その戦略に沿った出店なんだろう。


大型書店 その3

2010-12-23 | 
就職した年の前後に、東京の『八重洲ブックセンター』が開店した。

この書店はビル丸ごと書店で、はっきりした記憶も薄いんだけど7~8階ほどあったんじゃないんかな?
数少ない東京出張の列車時間待には必ず寄った。
ただひたすら『こんな本もあるのね~』と本の多様性を眺めるだけで、酔っ払ったような気分に陥った。

その頃から地方都市でも、郊外の大型書店が出来始めウチの地方では『王様の本』って店が、コミックなどを中心にして、駐車場たっぷりでお客を集めていた。(その後つぶれてしまったらしい)


大型書店 その2

2010-12-22 | 
オイラにとって大型書店といえば『うつのみや』と『北国書林』だった。
(出身地ばればれ)

2大繁華街である『片町』と『香林坊』にあった。どちらも地下一階地上三階程度のビルだったと思うけど(?)、町にある小さな本屋さんに比べ、とんでもない別天地に思えた。
一日いても退屈しないとうのはオーバーにしても、3時間うろうろしたのは間違いない。
当時の『うつのみや』と『北国書林』は『うつのみや』が比較して新しい本屋で、『北国書林』は古くてもディープな品揃えをしていた印象がある。(30年以上前の印象なんで不正確だろう)

そだ
思い出した。
懺悔!!
北国書林で『万引きした』
最初で最後の、とんでもない嫌~な思い出。
スリルなんて全然いい経験にもならないよ、ほんと。二度としたくないよ。

話がそれました。