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夜の光

2014-07-18 | 

『夜の光』 坂木 司 (新潮文庫)


天文部での活動を隠れ蓑に、夜を駆け抜ける高校生スパイ4人

天文部の「部長」から派生した「ブッチ」(男子)
「どう見たってギャルじゃん」から「ギィ」(女子)
「ぱっと見はお嬢さんっぽい」との意見から「ジョー」(女子)
「自称アーティストくさい」というギィの意見で芸術家の「ゲージ」(男子)

昼間はクラスもグループも別々だし
昼は他人、夜は仲間 これってかなりスペシャルな感じ
そんな4人の、ゆるい部活、ゆるい顧問、クールな関係
ただ、手に持ったコーヒーだけが熱く、濃い


まぁね~、スパイ活動っていったって、身近な事件を解決するだけだし・・・
各々が深刻な悩みの最前線でスパイとして戦っているとしても・・・
早い話がスパイごっこ・・・

でもね、『それは言わない約束』
おいら好きだね、登場人物みんな
嫌と言えずにズルズルと流される人間関係に陥りやすい事に比べ
孤独になることも全然厭わない、そんな4人の友情物語


良質の一冊、お薦めです。


卒業式

2014-07-13 | 

『卒業式』 姫野カオルコ (角川文庫)

 

どーかん、しんくろ!!

姫野カオルコさんと同年代
この小説でその時代が懐かしく滲み出してきた、そうそう、あったあるある
小説冒頭の『チルチルミチル』と佐伯さんの停学三日の事件がすんなり結び付かない時代の人には、入口で戸惑うかな

この小説は手紙や交換日記の内容のみで、小説でいう「地の文」(会話以外の作者の想いや解説)が、一行もない
あくまでも作者は登場人物の文章を提供する
読む読者はその文章を読んで想像する『どんな気持ち?』って

久しぶりに手紙書きたくなったぞ~、けど出す相手、受取る相手いないや


葉桜の季節に君を想うということ

2014-06-19 | 

 『葉桜の季節に君を想うということ 』 歌野 晶午 (文春文庫)

あなたにささげた言葉の中に、嘘はないけど何か気になる~♪(ふるっ)


このストーリーに嘘はない、ない・・ないけどさ・・・
だまされたオイラが読者が、既成概念というか常識的な思い込みを、綺麗に逆手にとった。
うまい、まいった。


*** ここからネタバレ注意 ***

まず、いきなりの出だしが『射精したあとは動きたくない・・・』で始まる。(おおお)
愛車がオースチン・ローバーのミニ・メイフェア
フィットネスクラブで一日おきに汗を流す
高校卒業後に「明智探偵事務所」で探偵を目指し、ヤクザの組員となって内偵をする
などなど「ハードボイルド」な主人公『成瀬将虎(まさとら)』
妹の綾乃と同居
綾乃は、髪は金髪ちりちりパーマ、サイドには赤のメッシュ、ワンピースの肩の部分はシースルー
別に、あるある不自然でもないよな、でもでも・・・

極めつけは、
キヨシこと芹澤清、今現在都立高校の生徒
主人公の成瀬将虎の7歳下の高校の後輩
・・・嘘ではない・・・(最後にわかる)


話しは将虎と自殺を救った麻宮さくらとの純愛ストーリーと
キヨシの憧れ南麻布に住む久高愛子さんの「おじいちゃん」が、轢き逃げ事故で亡くなった真相を解明する
この二つのストーリーが最後に交差する(うまい、だまされた、うそじゃないけど)


あとは、読んでみてね。

 


読書三昧

2013-11-07 | 

久しぶりの一泊二日の出張。
電車に乗ることトータル13時間、待ち合わせを含めると14時間超。

昔と違って座席にゆとりがあって、座っているのはたいして苦にならなかった。
嬉しかったのは、まとまった読書時間が取れたこと。
文庫本をほぼ3冊を読んで充実感が。

出稼ぎ生活のこの一年、通勤時間が短くなったのは嬉しいけれど、本を読む時間が減った。
更に、歳だね~文庫本の字が辛くなってここ数年。
ホントに読書時間が激減した。

二日間幸せ~感。
それもたいして選んだ本じゃなくて駅の売店で、何気なく買った本がすべてHitした。


『飲めば都』 北村 薫 (新潮文庫)

北村さんの本は何作か読んだと思うけど、この本はミステリーじゃなくて・・・
まぁジャンルはいいや、軽いユーモア小説風といえばいいか。
文芸誌の編集者で、その名も 小酒井都
「髪短く、鼻筋通り、すっきりとした顔立ちだ。そこで、自分という車のハンドルをきちんと握っている人物に、まぁ見える。」

面白かった。特に酒飲みには「えへへ、あるある」感でシンクロすること間違いないね。


『限界集落株式会社』 黒野 伸一 (小学館文庫)

この作者は初見。

マクドもない、スタバもない、セブンイレブンさえない。
都心から中央自動車道で二時間あまり、インターチェンジを降りて更に一時間超え。
会社に辞表を叩きつけ事業を興してやろうと決断した「多岐川優」が訪れたのは、他界した祖父の家でじーさんばーさんしかいない限界集落「止村(とどめむら)」だった。
一時的な訪問の積もりが村の人達の交流するうちに、集落の農業経営を担うことになる、って話。


話しは現実味どうのこうの超越して、いいな~これが実現できればTPPや過疎化、限界集落化、若者のニート問題、雇用のミスマッチ・・・全部解決するやん!!

抜き差しならない社会問題を主題にしながら、ユーモラスでハートフルで、ちょっぴり「優」と「美穂」、「正登」と「あかね」の関係も気になるし~的なロマンスもあり。

この本も一気読みで『読了』


『嫌な女』 桂 望実 (光文社文庫)

この話は後日だな、ちょっと今までに読んだことがないジャンルというかストリーというかテイストというか、感想が難しい。
出だしが、もたついた感で読み難かったのだけれども、そのうちぐいぐいと惹きこまれた。
実はあと少しのところで出張二日目が終わってしまったのだけれども、未明に目が覚めて読んで朝の通勤、昼休みで読み切った。

まぁ後ほど。


第二楽章 そのに

2013-07-19 | 
で、amazonでさっそく注文した。(リンダブックス)

セリフといい、ストーリーもTVと同じ。
「へ~、原作に忠実にTVドラマ化したんだ」と思い読み終わったんだけど、それが大間違い。
何を間違えたかというと、『本書は、TVドラマの脚本(第1~5話)をもとに、小説化したものです。』だとさ。

まぁどっちが先でもいいんだけど、本・ドラマの両方がしっかり読ませる観せるいい作品です。

キケン

2013-07-06 | 

サークル「機械制御研究部」
略称【機研(キケン)】
機研(キケン)=危険

何の話かというと有川浩の新刊文庫本(新潮文庫)

いゃ~、こう来たか。
文庫本の解説(藤田香織さん)のいうとおり

戦いは・・・なくはない。
愛も・・・なくはない。
図書館戦争のような正義は無い(きっぱり)
はっきりいって「どーでもいいこと」をでも一生懸命にできる

女子の気がない工学系の学生生活が・・・普通は「ネクラ」としか表現できない生活
そんな学生生活に活き活きと陽を当てた有川さんに拍手。

 


植物図鑑

2013-03-22 | 
『植物図鑑』 有川浩 幻冬舎文庫

上手い、有川浩さんらしいラブコメ。
自衛隊もあれば、今回は野草(雑草?)+恋愛。

「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。噛みません。躾のできた良い子です」
行き倒れ(死語)のイッキもイッキだけど、それを拾う、「さやか」も「さやか」
「いつき」と「さやか」の特濃ラブストリーです。
定番といえば定番、鉄板といえば鉄板の少女漫画風小説。

近頃の若い娘はさ、料理が出来る男子が理想のタイプのひとつなんかな。
オイコーのショーリ君とか、この小説のイッキ君とか。
息子にも料理出来るように勧めようか。
いやいやそれよりもおいら自身が単身赴任をきっかけに手早く料理が出来るように修行しようっと。若い恋がついてくるかも。
まず胃袋で落とす、というのは近頃は男女の差がなくなっているそうな。

久しぶりの読書 2

2013-03-01 | 
欲しかった本は『いつか陽のあたる場所で』『すれ違う背中を』乃南(のなみ)アサ(新潮社文庫)

結局、Amazonで購入しました。(初体験)
送料は無料だけど、ちょい手数料(?)が掛るけれどバス代を考えればトントン。
楽になったもんだ。

久しぶりの読書 1

2013-03-01 | 
昨年の10月から生活が変わったんだけど、まぁ慣れた。

そのうち変わったのが、『読書環境』
なんと、10月から一冊の本も読んでいない。あれだけ読んでいたのにね。

今までは電車の乗車時分が30分弱、今は10分弱、この時間の差は大きい。mixiのつぶやきが楽しい事もあった。生活のペースがなかなか、つかめなかったのもある。

それよりも、なにによりも、通勤経路上に『本屋』が無い。
電車とバスを乗り継いで市街地の老舗『うつのみや』に寄ったけれども、お目当ての本が無いのは、まぁいたしかた無いのかもしれないけれど、なんだろ・・・ぶらぶらと、面白い本は・・・と、散策気分にならない。結局は平台に並ぶ本が好みじゃ無いんだよね。
好きな本屋だと、あれやこれや迷いながら1時間でも何時間あっても足りない・・・って感覚が得られないんよね(悲)

どうなった、天下の書府「加賀藩」


ショートソング

2012-09-08 | 
「ショートソング」 枡野浩一 (集英社文庫)

ショーソング・・・? あっ、短歌の直訳ね。

最初の一句が
「それなりに心苦しい 君からの電話をとらず変える体位は」・・・なんなんだ~。

主人公は「克夫」くん。母親がカナダ人のハーフで美男子だけど、内気でいまだチェリーボーイ。
大学の研究室の舞子先輩とその彼メガネが似合う天才歌人である伊賀。
その舞子先輩と伊賀さんの影響で短歌に触れる。
今までなんの才能がないと思い込んで内気であった克夫くんは、短歌の才能に目覚め・・・。
克夫と伊賀の2つの視点で書かれる青春ストーリーです。
克夫くんの妹が若芽ちゃん・・・あはは、なんなんだ~。

絶対に自分では買わない本だね。貰ったんよ。
本好きを知ってて久し振りのデートの時、わざわざ持ってきてくれたんよ、カサブランカの君が。
でもねいいもんね、たまには。自分のジャンルに偏ってしまいがちになっているからさ。

最初は短歌があまり馴染みが無くて、でも読むに従ってだんだん面白くなってきた。
枡野浩一さんは歌人が本職というか出身というか、なんでも出来るんだね。
短歌に拒否感を持たずに読み進めてくださいね。

プリンセス・トヨトミ

2012-08-22 | 
『プリンセス・トヨトミ』 万城目学 文春文庫

いや~万城目ワールド!!
『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』で、なんだこの世界はと***
面白いんだけど、『なんなんだ~』、でも面白い。

『鴨川ホルモー』は
(そもそも「ホルモー」って何よ)
「ぐああいっぎうえぇ」(進め・攻撃の際の基本語)
「ふぎゅいっぱぐぁ」(止まれ)
「くぉんくぉんくぉんくぉん」(走れ走れ)
「バゴンチョリー」(取り囲め)
でっせ、意味わからんでしょう。
映画化されてて、映画は秀逸でした。
言葉で伝え難い雰囲気を上手く映像化してありました。

で、『プリンセス・トヨトミ』
「鴨川・・」「鹿男・・」が、とんでもなく現実から乖離しているの対し、随分と現実的設定。でも「ありえへん」けどね。
「ありえへんけど」現実に近い分、『ちょっと無理筋』と突っ込みが入る余地が出来たね。

で、この本を読んでいる最中に日本映画専門CHで映画版をやっていた。
「原作を読んでから映画」「映画を観てから原作」のパターンだったのに、
今回は「原作を読んでいる途中で映画」のパターンが・・・
結局、録画して「原作を読んでから映画」にしました。

原作は中途半端に現実に近づき過ぎて☆2つ。
映画は、やっぱり『中井貴一』嫌い、で☆無し。


まぁ、あんまり参考にもならない書評だわ、我ながら。

フリーター、家を買う

2012-08-07 | 
『フリーター、家を買う』 有川浩 (幻冬舎文庫)

文庫化されたのでさっそく購入、待ってたよん。

で、タイトルからオイラの先入観では

フリーターのくせに、インチキ不動産屋の「可愛い女性」営業の口車に乗って・・・
30年ローンの、とんでもない郊外で、シロアリが家の土台を占有してて・・・
こんな状況の中、フリーター主人公は『目醒める!!』
再就職を含め『ひとつずつ問題をクリアして』前向きに生きる

って物語を予想してた。
有川ファンなら「あるある」って思うね(きっと)

でも、見事に予想が違った。
『えっ、深刻』『重い』でも他人事じゃない(辛いけど向き合わなければ)
そんな物語です。お薦めです。

生きる悪知恵

2012-08-05 | 
「生きる悪知恵」 西原理恵子 (文春新書)

・正しくないけど役に立つ60にヒント・


うん正しくない。
正しくないけれど、役にたちそう。
苦労したサイバラらしい。

でも、本当にこんな人生相談をどこで仕入れてきたのかな~。

図書館戦争 いっき読み

2012-06-13 | 

有川浩さんの作品は「三匹のおっさん」「シアター」から始めて映画「阪急電車-片道15分の奇跡」その後原作の「阪急電車」を読んだ。

デビュー3作品「空の中」「海の底」「塩の街」で勢いがついて、とうとう「図書館戦争」に。
「図書館戦争」「図書館内乱」「図書館危機」「図書館革命」
ついで「別冊図書館戦争Ⅰ」「別冊図書館戦争Ⅱ」
更にTVアニメ版「図書館戦争1~5」をレンタルして、DVD焼き増し。

有川さんの作品は、『おまけ』(失礼かな)というか後日談風に色々広がっていくのが、楽しくて躍動感がある。
「海の底」を読んで「しまった一度読んだ気がする」と思ったけど微妙に違う。
「三匹のおっさん」がおいらにとって有川さん初見だと思ってたけど、数ヶ月前に「クジラの彼」を先に読んでいたのね。
「図書館内乱」から派生して「レインツリーの国」もいい。
難しいテーマである『難聴者』を、身近で素朴なアプローチで扱っているのが、出来そうで出来ない、とっても高品質な作品です。

更にコミック版(弓きいろ)も制覇中です。
面白いのは、原作に対してTVアニメ版が・コミック版が「どのシーンを採用して、どのシーンを端折ったか」というのが、興味深い。
比べると更に面白い。
『なるほど、そう来たか』『そこは端折ったら駄目ヤン』『へぇ~そこに視点を当てる』
などなど興味は尽きない。

えーっと、50過ぎのオッサンが楽しんでいるというのは、おそらく周りからは「おぞましい」雰囲気でしょうが、「好きになったらしょうがない」んです!!