ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

私にできることって・・?

2023-04-29 14:51:18 | 北の湘南・伊達
 ▼ 「私は大変興味を持ったのですが、
もしかしたら、何の役にも立たない情報かも知れません。
 少しだけ時間をください。」

 先日、全役員を対象にした自治会の会議があった。
自治会長として初めて挨拶に立った。
 途中から切り出した言葉が、冒頭の一文である。

 私が居住する地元自治会は、加入世帯が820世帯である。
市内では、大きな自治会の1つで、
出席を求めた役員の数は75人にもなった。
 今回はその内の約50人が出席した。
思い出すまま、話の内容を再現してみる。
 
 ▼ 4月9日は総会で、私が会長に選任された日です。
たまたまその日、朝日新聞と北海道新聞の2紙に、
自治会活動に関する同じ内容の記事が載っていました。
 今日は、その記事を切り取って持ってきました。
まず、その記事を紹介します。

 朝日新聞のそれは、なんと1面のトップ記事でした。
驚きました。
 大見出しは、「自治会活動 曲がり角」です。
そして、小見出しが2つ。
 「加入率低下、役員高齢化 解散も」
「防災・防犯に懸念」です。

 記事の書き出しはこうです。
『自治会(町内会)の活動が岐路に立たされている。
 加入率が下がり、役員のなり手がいなくて解散や
合併を選択するところも。
 地域コミュニティーを、誰がどう支えていけばいいのか。』

 東京都内の某自治会を取り上げた記事を読み進むと、
『役員の多くは70~80代。
役員になりたくないと退会する人もいて、
なり手がおらず、同じ人が続けるしかない」
と、ありました。  

 そして、こんな一文も。
『総務省の調査によると‥加入率は、
10年度の78,0%から20年度は71,7%に減った。
 自治会の課題として「役員・運営の担い手不足」(86,1%)、
「役員の高齢化」(82,81%)などが上位に上がっている』と。

 続いて、同じ日の北海道新聞の胆振版ですが、
『人口減・高齢化 地域の衰退が深刻化』の見出しと一緒に
『町会維持に影 消滅続出の懸念』の小見出しがありました。
 そこには、なんと91歳になる町会長さんが紹介されていました。
 
 その会長さんは、
「私や副会長の後継者が見つからず困り果てた」と言い、
4月の改選を前に後任は見つからず、
「会が無くなれば先輩方に申し訳ない」と、
続投を考えていると言うのです。

 さらに、この記事は、自治会の今後についてこう解説していました。
『定年延長や年金減額で60歳以降も働く人が増え、
役員のなり手不足はより深刻になる』と。

 さて、このような状況下について、
私たち自治会はどうなのでしょうか。
 まず加入率の現状ですが、76,76%です。
この5年間、加入世帯数が横ばいですから、
加入率に大きな変動はないと言えます。

 この比率がいいのかどうかですが、
同じ規模の近隣自治会を調べてみました。
 A自治会は65,38%、B自治会は58,65%でした。
私たちの自治会の加入率はきわめて高いのです。
 また、記事にありました全国平均71,7%も上回っています。
この水準を、今後も維持していけたらいいと、
若干ホッとしました。

 もう1つの役員の高齢化についてはどうかです。
今年度の役員改選にあたり、各ブロックの会長・副会長、
総務が、今日ご出席の皆さんに役員の依頼に伺いました。

 その折りに、頂いたお返事としてしばしばお聞きしたのは、
「もう歳だから、でももう少しがんばります」の声でした。
 時には「2年後には、誰か新しい人と代わってほしい」
の念押しもありました。

 役員高齢化の波は、私たち自治会にも間違いなく押し寄せているのです。
これは、人ごとではありません。
 新聞の2つの記事を読みながら、
そんなに遅くない時期に曲がり角がやってくる。
 いや、もしかしたら私たち自治会も、
もう曲がり角なのかも知れないと感じた次第です。
 
 しかし、地域の環境美化を始め、
気候変動や有珠山の噴火に対する防災、
昨今の高齢者を狙った詐欺や強盗への防犯など、
少しでも居心地のいい安全安心な街は、私たち誰もが望むことです。

 そんな街づくりの一端は、そこに暮らす私たちによる自治組織が担っています。
行政や警察だけに任せていては、実現しないことです。
 自治会は、暮らしに欠かせないものなのです。

 だから、加入率低下と役員高齢化と言う課題に、
今後どう応じていくのか。
 皆さんと一緒に色々と知恵を出し合い、
なんとかこの課題をクリアーしたいと思っています。

 長々とお喋りしてしまいました。
失礼致しました。

 ▼ 自治会の今後について、私の想いを話し終えた後、
どれだけ心に届いたか不安になった。
 でも「声にしない訳にはいかなかったことだったから」と、
自分を納得させた。

 さてさて、「今後私にできることって何?」。
引き受けた重責にやや心を重くしながら、
帰り支度を始めた。

 「もっと気楽にやっていいんじゃない」。
私の肩をポンと叩き、会場を後にした方がいた。
 思わず「ありがとう!」と、その背中を見た。

 
 

     ジューンベリー 開花宣言

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