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人生のターニングポイントが、紆余曲折を経て何故か
広島カープの二枚目内野手・タカハシヨシヒコのプレーに託されちゃった平凡な(?)市井の人々を巡る全10話。
執筆されたのは1983年から85年と、ヨシヒコが眩しく輝いていた時期(85年は盗塁王)。
わたくしも東京ドームでランニングホームランをきめた後くたびれきってベンチで酸素スプレー?を吸っていた姿など思い出します。かっこよかったなあー。
カープ関係の描写もオールドファン(?)ならにやっとしてしまうこと間違いなし。んもー、龍さんったら、よく見てますね。
*「・・・一番好きなのはチームの勝ちが決まってヨシヒコさんがピッチャースマウンドに駆け寄ってニコニコッて微笑んでピッチャーと握手するときらしいんだ、ピッチャーによってもヨシヒコさんの表情は微妙に違っていて山根投手の時が何となく一番嬉しそうできっとそれは二人が日本シリーズで一緒に活躍したからだろうとか、」(p63)
*東京生まれのくせにカープなんか入りやがって、おまけに松本よりも百倍ルックスがいい(それはどうかな?? p113)
*「あたし、カープの人は全部好きだけど、知ってる? モリワキって人なんか、きっとあんたより顔がいいんだから、でもね、ヨシヒコが好きなの、ドジなところがあるの、昔ね、あと一人で優勝って時ね、エナツさんが投げてたんだけど、ヨシヒコったら二つもエラーしたのよ、それもボールを蹴っとばすような派手なエラーをしたの、そういうとこが好きなのよ、」 (p156)
・・・
遠い海の向こうへ勇躍するスポーツ選手はずいぶん多くなりましたが、小説の主人公になった人がどれだけいるでしょうか?
プロ野球界の激変、当時の選手たちの存在感の大きさを思わずにはいられません。
現在はロッテでコーチを務めておられるヨシヒコさん、西岡を一人前に育てるなどがんばっておられます。
今後もますますのご活躍をお祈りしています!