『 自然は全機する 〜玉の海草〜 』

 MJ を創り上げた 陰の天才作曲家 〜 ロッド・テンパートン

__ 🪦RIP  ロッド・テンパートン(英國生れ、2016年歿)

このお名前を見ただけで気分が上がる⤴️

「ブラック・コンテンポラリー」そのものを創り上げた、抜群のメロディセンス〜

時代に刻印された職人作曲家。

日本🇯🇵でいえば、アイドル育成職人、名人芸を遺憾なく発揮なされた筒美京平のような御仁である。

 

ご自身は、ディスコ時代に流行ったグループ『ヒートウェイブ』のキーボードだったのだが……

ヒット曲「ブギー・ナイツ」を聴いたクインシー・ジョーンズが一目惚れして、何度もしつこくラブコールを送りつづけて、ものにした秘蔵っ子作曲家なのである。

クインシーは、欲しい人材(才幹)はすべてクインシー軍団に引き入れた。唯一の例外が、ルーサー・ヴァンドロスで、後年までも引き抜かなかったことを後悔したらしい。

 

そのクインシー軍団のなかでも、あくまでも裏方に徹しながらも、その抜きん出た作曲の偉才で燦然と輝いてやまないのが、ロッド・テンパートンである。

 

 

音楽ジャーナリスト・林剛氏によれば、クインシー・ジョーンズの自叙伝のなかで、ロッドはこう評されている。

 

〈真に最高のパートナー〉

〈戦場で誰もがそばにいてほしいと願う強者のような存在〉

〈常に完璧に準備し、戯言はいっさい口にしない〉

クラシックの作曲家の資質をもち、旋律や対位法に優れた才能を発揮するソングライターの最高峰〉

 

 

…… 複数のメロディーを独立して鳴らしながら美しい旋律をキープしてめくるめくようなグルーヴを生むロッドのアレンジ技法は、アーバンで洗練された 〈キラーQ軍団〉 のバッキングによってさらに真価を発揮していく。その究極がマイケルの “Rock With You” だったのではないだろうか。 by林剛

【この曲は、アルバムバージョンの3:41秒版でないと、美しい間奏を聴くことが出来ないのだ】

 

 

華やかなスター相手に万人受けする曲を作りながらも私利私欲とは無縁だったロッドは、徹底して音楽職人であり続けた。また、優れた作曲家であると同時に優れた作詞家でもあったロッドは、あらゆる状況に対応したリリックを書けることでも知られ、例えばクインシーの “Slow Jams” のようなブラック・ピープル向けの濃厚なスロウ・ジャムでも単独でペンをとっている。

言ってみれば 〈白人離れした〉 クリエイターでもあったのだ。 by林剛

【しかし、画面のクインシー御大に葉巻の似合うったらないね♪】

 

 

 

まー、音楽🎵というものは聴いてもらった方がはやい。

一聴すれば、これはロッドの楽曲だと即座にわかる。

ムーディで格調高い、オーケストラのような壮大な物語性が展開される、最高度に洗練されたなかに黒人のもつグルーヴ感も併せもっている、意表をつくアレンジが異世界に誘なってくれる、間奏や転調が華々しく、さいごまで極上の薫りにつつまれて終わるパーフェクトな仕上がり……

 

多感な時期に、あなたの「ブラックコンテンポラリー」に溺れて育った私は、仕合わせでした。

[ ※ ブラック・コンテンポラリー=結局のところ、白人が共感できるブラック・ミュージックのことだった ]

当時、カセットプレイヤーで鬼リピートするのは大変でしたよ、何十回と疲れるまで止めないのですから。

その頃、心身ともに奪われる楽曲が多かった80年代です。

後年にソングライト・クレジットを改めて見ると、これもロッド・テンパートンの作曲か、これも、これもかと呆れたものです。

 

これは、ロッドならではの作品で、他の追随をゆるさない佳曲をYouTubeにリンクしました。

どうぞ存分に、ロッド・テンパートンのサウンドに浸ってみてください。

 

 

 

●Songwriting creditswikiより、一曲加筆)

 

Heatwave :

"Boogie Nights," "Always and Forever," and "Ain't No Half Steppin'," from Too Hot to Handle, 1976; "The Groove Line" and "The Star of a Story" (covered by George Benson on Give Me the Night, 1980), from Central Heating, 1977;

"Razzle Dazzle" and "Eyeballin'," from Hot Property, 1979; "Gangsters of the Groove" and "Jitterbuggin'," from Candles, 1980;

"Lettin' It Loose," from Current, 1982; and more

 

 

Michael Jackson :

"Rock with You", "Off the Wall," and "Burn This Disco Out," from Off the Wall, 1979;

"Baby Be Mine," "Thriller," and "The Lady in My Life," from Thriller, 1982;

"Someone in the Dark," from the E.T. the Extra-Terrestrial audiobook/soundtrack album, 1982; and "Hot Street," an outtake from Thriller

 

 

☆Rufus :

"Masterjam" and "Live in Me," from Masterjam, 1979

 

 

The Brothers Johnson :

"Stomp!," "Light Up the Night," "You Make Me Wanna Wiggle," "Treasure," "All About the Heaven," "Closer to the One That You Love," and "Celebrations," from Light Up the Night, 1980

 

 

 

George Benson :

"Love x Love," "Turn Out the Lamplight,"  "Give Me the Night", and  “Off Broadway” from Give Me the Night, 1980; "Family Reunion," from Songs and Stories, 2009

🔗Love X Love(邦題:「愛の幾何学」、う〜む渋い♪)

🔗Give Me the Night

🔗Off Broadway

(この佳曲は、神の傑作 masterーpiece だとおもう。洗練された大人のグルーヴ)

 

 

 

Patti Austin :

"Do You Love Me?," "Love Me to Death," "The Genie," and "Baby, Come to Me" (with James Ingram), from Every Home Should Have One, 1981

 

 

Bob James :

"Sign of the Times," "The Steamin' Feelin'," and "Hypnotique," from Sign of the Times, 1981

 

 

☆Herbie Hancock:

"Lite Me Up!," "The Bomb," "Gettin' to the Good Part," "The Fun Tracks," "Motor Mouth," and "Give It All Your Heart," from Lite Me Up, 1982

☆Donna Summer:

"Love Is in Control (Finger on the Trigger)," "Livin' in America," and "Love Is Just a Breath Away," from Donna Summer, 1982

 

 

The Manhattan Transfer :

"The Spice of Life" and "Mystery" (covered by Anita Baker on Rapture), from Bodies and Souls, 1983

🔗Mystery

(この圧倒的な情緒、ゴスペル・シンガーだったアニタ・ベイカーが歌うとまるで「讃美歌」である)

 

 

☆Mica Paris:

"You Put a Move on My Heart," "Love Keeps Coming Back," "We Were Made for Love," and "Two in a Million," from Whisper a Prayer, 1993

Siedah Garrett:

"Grooverre of Midnight" (originally a demo for Michael Jackson's Bad), "Baby's Got It Bad" (a rewrite of "Got the Hots," an outtake from Thriller credited to Michael Jackson and Quincy Jones on the Japanese edition of the album's 25th-anniversary reissue), and "Nobody Does Me," from Kiss of Life, 1988

 

 

Quincy Jones :

"The Dude," "Razzamatazz," "Somethin' Special," and "Turn On the Action," from The Dude, 1981;

"The Secret Garden (Sweet Seduction Suite)" and "Back on the Block," from Back on the Block, 1989;

"Slow Jams," from Q's Jook Joint, 1995, which also features covers of "Rock with You," "Stomp!," and "You Put a Move on My Heart"

🔗Stomp!

(このグルーヴには脱帽した、まるで意気消沈してる時でも身体が揺さぶられる。ブラザーズ・ジョンソンの「ストンプ」と比べても、まるで別物の感すらある。クインシーのプロデュースはここでも冴えている)

【まったく、悪い顔相している。大御所クインシー・ジョーンズは、かつて魔性の美人女優ナスターシャ・キンスキーの伴侶だったことがあるんだよ、モテるんだねえ♪

ジブリ音楽の巨匠、久石譲の名前の由来が、尊敬するクインシー(くいし=久石)・ジョーンズ(=譲)をもじったものだと聞く。クインシーは、もともとジャズ・トランペッターだったはず。やっぱり目立つのが好きなのかしら】

 

 

☆James Ingram: "One More Rhythm"

☆James Ingram and Michael McDonald: "Yah Mo B There"

☆Michael McDonald: "Sweet Freedom"

☆Klymaxx: "Man Size Love"

☆Jeffrey Osborne: "We Belong to Love" (also produced by Temperton)

☆Aretha Franklin: "Livin' in the Streets"

☆Javaroo: "Change It Up"

☆Second Image: "Lights Out"

☆Stephanie Mills: "Time of Your Life," "Hold On to Midnight"

 

 

Karen Carpenter :  「カーペンターズ」の妹御

"Lovelines," "If We Try", from Lovelines, 1989, and Karen Carpenter, 1996

 

 

☆Wayne Hernandez:

"Dancin' on the Edge," "Let Me Call You Angel," "Fazed Out"

☆Tori White: "Make It Home"

☆Lââm:

"Fais de Moi Ce Que Tu Veux", "Love's in the House Tonight"

☆Mýa: "Man in My Life" (cover of Michael Jackson's "The Lady in My Life")

LL Cool J featuring Boyz II Men: "Hey Lover" (listed as cowriter due to sample of Michael Jackson's "The Lady in My Life")

☆Angie Stone: "Lovers' Ghetto" (listed as cowriter due to interpolation of "The Lady in My Life")

☆C+C Music Factory: "Share That Beat of Love" (listed as cowriter due to interpolation of "Rock with You")

☆Mariah Carey: "I'm That Chick" (listed as cowriter due to sample of Jackson's "Off the Wall")

☆Various Artists: "We Are the Future"

 

 

_ . _ . _ . _ . _ . _   

 

__ 思えば、ロッド・テンパートンが他界なされた2016年は、大変ショッキングな年であった。

わたしの精神を型作った恩人といえるミュージシャンが次々と亡くなった。

 

モーリス・ホワイトは、ブラック・ミュージックの扉🚪を開けてくれたひと、プリンスは高校生の頃から聴いている。(渋谷陽一の『サウンド・ストリート』が初聴だったかな)

 

ブラック・コンテンポラリーの醸し出す「アフリカン・ビート」に、当時心身ともに陶酔したのだ。

音楽関係者から、天才と称賛されたロッドの職人技も、アフリカン・ビートとクラシック・オーケストレーションが融合された稀有な稟質をかねそなえていた。

黒人以上に、黒人の魂がわかる白人‥‥   ロッド・テンパートンの蔭働きは、音楽の歴史を動かしたのである。

メロディーにはとことんうるさい私だが…… やっぱり最高峰に位するのはロッドの楽曲かしらね。

ハイセンスなのに、人間性・徳性も高いのよね。(抜けたヒートウェイブには、後々まで楽曲提供している)

     _________玉の海草

 

 

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