小指ほどの鉛筆

日記が主になってきた小説ブログサイト。ケロロ二次創作が多数あります。今は創作とars寄り。

流星群

2007年09月16日 18時47分53秒 | ☆小説倉庫(↓達)
「星、でありますか?」
月が綺麗に見える夜。
珍しく口が軽い夏美がケロロに話したのは、星の話だった。
「そうよ。アンタも見たでしょ?今日のニュース。」
「そういえば・・・星が沢山降ってくるとか・・・。」
「流星群よ。」
「流星群?」
ケロン星には無いのだろうか?
首をかしげるケロロに、夏美もどう説明していいのか分からなかった。
「うーん、流れ星は知ってるのよね。」
「常識であります!」
「流れ星が沢山降るって言えばいいのかしら・・・う~ん、冬樹に聞くと止まらないし・・・クルルにでも聞いてみれば?」
知っていても説明できないというのはよくある話。
ケロロが興味を持つのも、そういうあいまいな事柄なのだ。
「そうでありますな~。」
「じゃ、私はお風呂入ってくるから。」
「了解であります。」
夏美が去って行き、リビングにはケロロ一人。
クルルに聞くのが一番早いと言っていたが、もしクルルがこのことを知ったらどうするだろうか?
「・・・ヤバイかもしんねー。」
トラブル大好きなクルルが何も仕掛けないはずが無い。
クルルに聞くのは止めにした。
「でも監視カメラとかあったりして・・・」
きょろきょろと回りを見渡す。
仮にあったとして、見えるように仕掛けてあるはずが無い。
「あー、なんでもないんであります。そう、なんでもないんでありますよ~。」
とりあえずクルルに聞くことは何も無かったのだと言い張ってみる。
もちろん仮にカメラが仕掛けてあったとして、そんな言い分を信じるはずがない。
「・・・」
だんだん自分のやっていることがバカらしくなってきたらしく、ケロロもいそいそと自室に戻っていった。

彼は見ていた。
そして聞いていた。

「ほぉ・・・流星群ねぇ。」
いろんな意味を含めた嫌な笑いを浮かべる。
「隊長ってバカ正直だよな~~。」
クルルは早速流星群についての資料を集め始めた。
「さて、今回はどうするかねぇ~。」
ニヤニヤと笑いながらキーを打つ姿は、正気の人だとは思えないほど。
しかしその笑いと手は、画面に映し出された資料画像によって止まった。
暗闇の中の無数の星。
シャワーのように降り注ぐ流れ星。
画面が大きい所為もあったのだろう。
その迫力と美しさにクルルは言葉を失った。
「流星群・・・。」
かろうじてその一言だけを呟く。
これをその場で見ることが出来たらどんなに美しいだろう。
あの人が見たら・・・
喜んでくれるだろうか?
クルルの手が再び動いた。
流星群がやってくる日時をできるだけ正確に調べ、さまざまなデータを基に確実な時間を求める。
クルルにはそれが可能だった。
ただの興味本位。
トラブルを起こして楽しむためのちょうどよい機会。
それだけのはずが・・・
ケロロと夏美が話している極普通の光景。
それを見ていただけだったのに、
それは
とても貴重な時間を楽しむための好いきっかけになってしまった。


「ボケガエル~~~!!」
日向夏美が探すのは今日の掃除当番の捕虜、ケロロ。
「何所行ったのよ~~!出てきなさーい!」
会議室も探してみるが見つからない。
隊長ルーム。
「ボケガエル!」
居ない。
「本当にもう・・・!!」
ドアも閉めずに次の心当たりへと向かう。
しかし夏美は気がつかなかった。

・・・『作りかけの』ガンプラが放置されていたことに。

ここまで探しても見つからないと、どうしても探し出して絞めてやりたくなる。
だからこそ、あの場所に行くしかない。
できるなら行きたくなかったが・・・
「ボケガエル?」
ラボ。
「夏美殿~~~!!!」
居た。
そして飛びついてくる身長約170cm。
それをパンチで迎えてやる。
「う・・・この痛みも嬉しいであります・・・。」
「はい?・・・どうしちゃったのよボケガエル、気色悪い。」
「あれ。」
涙目で後ろをそっと指差すケロロ。
その先を見ると、
クルルが居た。
腕を組み、立っている。
黒いオーラは元からだったか、それとも・・・
「おい、隊長。」
腕を解き歩み寄ってくる。
「なぁ、んで結局、」
そしてあろうことか、ケロロの胸ぐらを掴んだ。
「断ってくれるんだろうな?」
「ちょ、まってよ!それは・・・」
「断ってくれるよな?た・い・ちょ・う?」
「は、はい・・・。」
「よし。」
手をパッと放し、普段通りの顔に戻る。
夏美には何があったのか分からない。
「ちょ、ちょっと、どうしたのよクルル!!」
「あ?おぅ、日向夏美じゃねぇか。」
「おぅじゃ無いわよ!!」
「俺はただ流星群を見たい~って言っただけだぜ?」
「!!!」
ケロロが驚愕の表情を見せた。
「何でそれを・・・」
「俺が日向家のリビングにカメラを仕掛けてないとでも?」
「あぁぁぁぁ~~~!!」
やっぱりそうだったかと、ケロロは後悔と自責の念に押しつぶされた。
「ちょっと、流星群と今のとはどう関係があるのよ。」
「んぁ?大有りだぜ。」
「?」
「ちょうどその予定日にドロロへの任務が来たんだよ。アサシンとして一番くだらねぇ護衛の任務がな。」
「はい?なんで流星群が来るってはっきり分かるわけ?」
夏美の当たり前の疑問に、クルルはにやりと笑った。
「俺様に不可能は無い。」
「へぇ、便利ね。それで?ドロロが任務だと流星群が見れないの?」
「ドロロがいねぇのになんで星なんぞ見る必要があんだよ。」
「・・・は?」
「まぁいい。忘れろ。」
なんだか腑に落ちないが、これ以上追求するよりももっと大事なことを言わなければいけなかったため、夏美はしょうがなく納得することにした。
「はいはい。それで?リビングに監視カメラ仕掛けたんだって?」
「あぁ、そうだな。」
あっさりと認めるクルルに、夏美は怒りを露にした。
「ちょっと!プライバシーとか考えないの!?」
「俺たち侵略者~。」
そんな言い訳に耳を貸すほど夏美はおとなしくない。
「あんたたちは捕虜でしょ。」
「下克上ってやつ?」
ああ言えばこう言う。
クルルに口げんかで勝つのは至難の技だろう。
「へぇ、でも私のほうが位が上だってわかってるんじゃない。」
クルルを見上げるように言ってやるが、
クルルのほうが一枚上手だった。
「もちろん。」
珍しく腰を折り、至近距離まで顔を近づける。
「俺たちは捕虜だからなぁ、女・王・様v」
「!・・・!!」
クルルの整った顔立ちと嫌みに負け、夏美は逃げるようにラボから走り去っていった。
「楽勝~ww」
「な、夏美殿~~~!!」
クルルと二人にされてはたまらないと、ケロロもラボから飛び出してゆく。
その様子を見て、クルルは再び嫌な笑いを浮かべた。
「ちょろいゼ。」

後はその日が来るのを待つだけ。



「うわーー!こんなに人がいるなんて思わなかったよ!やっぱり人類は未知の事柄に興味を抱・・・」
「すごーい!綺麗な星~。」
日向兄弟が声を上げて感激する。
冬樹は沢山の人が集まっていることに興味を抱き、夏美はこの星空を睦実と見られたら素敵だろうと頬を染めていた。
「夏美殿!場所取り完了したであります!!」
「ご苦労様。・・・ところでクルル。」
「んあ?」
無邪気な顔から一変、疑い深い顔でクルルを見上げる。
「本当に見えるの?」
「言っただろ?俺様に不可能は無い。」
自信に満ちた顔。
自分のプライドに賭けて、ウソはつかない。
しかしその表情は夏美に見せたものではなかった。
「何があっても、だ。」
視線の先には皆に微笑むドロロの姿があった。
「そう、なら信じるわ。」
ドロロの笑顔を崩すようなことをクルルはしない。
なぜだか、そう確信できた。
「そりゃ驚きだな。疑い深いアンタが・・・」
「心外ね。」
「ククッ、それより、さっきから弟が呼んでるぜ?」
「え!ちょっと、もっと早く言いなさいよ!」
駆けていく夏美の後姿を見送り、クルルはドロロに視線を戻した。
ケロロたちは夏美についてゆく。
ドロロは、一人たたずみ自分を見ているクルルに気づいて首をかしげた。
「どうしたの?クルル君。」
駆け足でやってくる様子からして心配しているのだろう。
けれどもクルルは別にどうって事無い。
ただ、ニヤリと笑っていた。
「皆のところには行かないの?」
「あそこに行っちゃぁ意味が無いんでね。」
そう言うとドロロの手を掴み、皆がいる方向とは逆へ進んでゆく。
「え?ちょ、クルル君、何所行くの!?」
クルルは立ち止まらない。
ただ確かな目的地へと、しっかり足を運んでいた。

やがて、ほとんど人もいない静かな場所へと出た。
そこでやっとクルルも立ち止まる。
「はぁ、はぁ・・・クルル君、どうしたの?」
「クックック、ここ、一番見やすいんだぜぇ?」
空を見上げたまま、クルルが応えた。
「え?」
「アンタに見せたかった。嫌だったら隊長たちのとこ、戻っていい。」
そう言いつつ、いつの間にか繋いでいた手をクルルはしっかりと握ったままだった。
「ううん・・・ありがとう。」
クルルとは反対に下を向いて、ドロロは赤い顔を隠した。
周りの人達は皆、上を見て流星群が来るのを待っているのだろう。
「3、」
突然、クルルが数を数えた。
「2、1、」
それが流星群が降るまでのカウントダウンだと気づきドロロが上をむいた瞬間、星のシャワーは降り注いだ。
映像より、画像よりもずっと儚くて美しいそれは、二人の上を惜しみも無く流れてゆく。
「綺麗、だね。」
「ん。」
「正確な時間まで調べたの?」
「俺様に不可能は無い。ペコポン人には無理だろうがな。」
本当は徹夜してがんばったのだが、ドロロには秘密だ。
二人は上を向いたまま。
と、クルルが目線をずらした。
「せっかくのシュチエーションだからなぁ?」
上を向いているドロロの唇を奪う。
「っ・・・!」
腰に手を回し、元々近くにあった体を密着させれば、ドロロはもう逃げられない。
長く、深く・・・
指通りの良い髪を梳き、首を押さえつけるようにして固定する。
ドロロも、もう抵抗はしなかった。
「(こんな穏やかな日々が続くように・・・)」

成り行きに任せる二人の上を、

決して目立ちはしない流れ星が一筋だけ、

静かに通り過ぎて行った。


_____________________

おわった・・・。
泣き・・・たい・・・。

あぁあぁ!!!!!
やっとだよ!!!!

久しぶりにほのぼの甘甘にしてみました。
これも友達の案。
ありがとねww

そして応援ありがとうです。
これからもがんばります!!

ドククについて。

2007年09月16日 10時45分35秒 | ☆イラスト
ドククはぜったいに女の子だと思ってた・・・
だってツインテールっぽかったから。

というわけで初期設定。

女の子だと思っていた頃のドクク。



今回のアニケロを見てから書き直したもの。



基本的変わってない。
個人的にお気に入りだったから、あんまり設定変えたくなかったし。
胸を無くして服変えただけ。
兄貴は描けなかった。
妄想力が足りなかった・・・。