goo blog サービス終了のお知らせ 

当方見聞記

旅と舞台・ライブ話を気ままに書いてます

下谷万手町物語

2012年01月30日 | 日記
『下谷万手町物語』行ってきました。

りえちゃんの育児休暇?明け、復帰作です

唐十郎作品なだけあって、難解な部分もありましたが、最終的には頭の中も解決できて面白かったです
3幕あったんだけど(蜷川さんだからねぇ)、2幕は途中から追い付いていけなくなりましたから
あれ?あれ?あれ?みたいな
3幕で自分なりに解決できて良かった…

話は、戦後。上野の近くの下谷万手町という男娼の町で起きたある事件から。
警視総監なんておエライさんが単身でこの町に現れて、男娼たちに暴行を食らい、総監の帽子を奪われる。
これは権力の象徴。警察が奪い返そうとするのはもちろんなんだけど、この存在によって立場向上を狙える側としては簡単に返すわけにもいかない。…な~んてことをやっている間に、この界隈のオカマさんのトップメンバーの一人であるお春のイロの洋一(藤原竜也)が帽子を盗んで逃亡する。
洋一を追いかける為かり出されたのが、下谷万年町に住む六本指の少年文ちゃん(西島隆弘)。
二人が出会ったとき、瓢箪池から謎の女キティ瓢田(宮沢りえ)が現れる。好きな男“洋ちゃん”を追いかけて身投げをした、キティ。
恋人と同じ名の洋一を演じることに同意して男装の麗人となったキティは、3人で“サフラン座”を立ち上げる。
ヒロポンの影響?現実と瓢箪池の中の世界と、時空を超えた2つの世界で巻き起こる騒ぎ。
最後は…決してハッピーエンドではないんだけれど精神的な幸せとでも言いましょうか。人間の欲望の果てにある本人にかわからない幸せをもがき取ろうとしていく…そんな話です。

今の文ちゃんが過去の自分に乗っ取られていくってのがベースにあるんですが、西島くんの演技のピュアな感じは良かったですね~
洋ちゃんとお瓢さんに振り回されている感じがなんとも可愛かった
文ちゃんはお瓢さんに惚れちゃってるのと同じ重さで洋ちゃんに憧れを抱いている。どっちも選べないくらい好きなんですよ。
そんなわけで、後半シーンに洋ちゃんの血を垂れ流すお瓢の太ももにしがみついて口づけるってのがあるんですが、ピュアさがあるからこそならではの切なさと色っぽさがあってめっさ良かったなぁ~

竜也くんは言わずもがなですな。
昔、妻夫木くんとやったTVドラマ『サブ』を思い出しましたね~役が似てた気がする
今回席がちょっと遠かったんですが、竜也くんって、遠目でも顔の表情わかりやすいのにはびっくり。あれもオーラ?

そしてりえちゃん
やっぱりりえちゃんの芝居は素晴らしい
あの存在感はすごいよ
妊娠・出産をして少し太ったのかな?…といっても全然細いんですけど以前より華奢なイメージが減った気しました。今回は男装の麗人でもあったんで、華奢すぎるより、これくらいのがカッコもついて良かったと思う。
そして2幕のセリフの多さと言ったら…あれ、台本何ページあるんだよ
野田さんの舞台でもさんざんりえちゃんのセリフの多さは驚嘆したけど、今回のも凄まじかった
一番個人的に好きだったシーンは西島くんのでも書いた、西島君がりえちゃんのふとももに口づけているとこ。
あの前後シーンの2人、本当に良かったなぁ

蜷川演出ってのに、プラス、設定時代の問題もあってか、剛がやった寺山修二の『血は立ったまま眠っている』とだいぶかぶる感じもありました。
蜷川さんって廃退的な演出のが得意だと思う、うん。
なんとも濃いい舞台で楽しかったです


あ、ちなみに。
もしこれから行かれる方。
1列目は水しぶきが尋常じゃないんでお気をつけて
遠目で見てて、ありゃ集中して見れんわな思った
もし当たっちゃってるなら…頑張って観覧してください

最新の画像もっと見る