goo blog サービス終了のお知らせ 

当方見聞記

旅と舞台・ライブ話を気ままに書いてます

たいこどんどん

2011年05月24日 | 日記
故井上ひさしさん作品を蜷川さんが演出した『たいこどんどん』行ってきました。

もちろん目当ては古田新太さんですが

お話は…『東海道中膝栗毛』、やじさんきたさんの変形バージョンとでも言えばいいかな?
日本橋の大店のイワシ問屋の若旦那と女郎屋遊びのお供のたいこもちが、ちょっとしたことから東北に漂流しちまったよって話。

品川でなじみの女郎を囲んで武士と揉め事を起こしてしまい、舟を使って逃走するも、シケに巻き込まれて予想外の漂流。
助けてもらった舟は、なんと釜石行き。
その先は、鉱山に売り飛ばされるわ、浪曲の師範と偽って金儲けするわ、山賊の揉め事に巻き込まれるわ、五体満足状態じゃなくなって乞食になるわ…遊び人時代の知恵を絞って青森~新潟と逃げ歩き、9年もかけてやっと江戸に帰っては見たものの…あれ?おかしい。店がない。
店も家族もすでになし。たどり着いたその先はただの更地。
茫然とするふたりに、さらなる追い討ち。幕府が滅亡???
『江戸』は消えて『東京』に変わった故郷が、時間の流れの残酷さを伝えます。

やじきたは単純に面白旅話ですが、この話は、面白旅話に加えて世情のむなしさがあります。
基本はメインにたいこもちがいるって言うのもあって、洒落をきかせまくった笑いまくりな舞台だったんですけどね。
なんつうか、井上さんならではの…現実味?
決してハッピーエンドではないんだけど、つじつま納得できる人間ぽさのスッキリエンドとでも言いましょうか。
井上さんの作品は、最後が特に考えさせられるリアル感があるんですよね

役としては古田さんはたいこもちです。
セリフの多さ・速さにはびっくりでしたが、なんつうか…合ってた。ハマりキャラだった(笑)
先日の激痩せから少し太った?
個人的には今くらいのが、かっこいいいだけじゃなく、貫録オーラもあって好きです
しかしこの役、若旦那に対して健気すぎて切ない…

若旦那は中村橋之助さん。
いや~こちらもまたハマり役
なんつうの?醸し出すオーラが、やっぱりぼんぼんなんですよ。あれは演技うんぬんじゃなくお育ち。
世間知らずの遊び人役なのに、いやらしく見えないの。
お金にとんちゃくない感じがあるんですよ。
しかも乞食とかのカッコしてても何故か小綺麗に見えるし。なんなんだろう、あれ…

ヒロイン?品川のなじみ女郎でもあり、旅先で若旦那をまどわせる女性たちでもあったのが、鈴木京香さん。
NODAMAP『カノン』以来の舞台
綺麗だったし可愛かったぁ
ま、開いていいのかわからない新境地開拓キャラのオンパレードでしたが…あの見た目でイケイケゴーゴーなオープンなお色気キャラでしたからねぇ。
ちょっと度胆抜かれました(笑)
頑張ったよ、京香さん

他にも大林さんとかも出ていたんですが…本当にでかかった(笑)
お笑い要素キャラでしたが、身長あるのに悪目立ちしちゃうようなこともなく、意外としっくり。
蜷川さんのキャストとは、小人体質だったり、激痩せだったり…と表現悪いかもですが、ちょっと独特な見た目な方よく起用されているんですよ。
そのせいかな?大林さんの身長が、蜷川組にハマっていた

3時間半越え(休憩有)の長芝居でしたが、お笑い度が高いからか、余計にそんなに長く感じなかったですね~
そして見事にスッキリ満足
井上さんの作品はやっぱり奥が深くて好きだなぁ。
前半、耳が慣れるまではセリフの早回しと洒落の応酬についていくのが精いっぱいなりましたが、まぁ10分もすれば慣れます(笑)
本当に面白かった

最新の画像もっと見る