万葉歌碑(巻第11-2763)
『紅之浅葉乃野良个苅草乃 束之間毛吾忘渚菜』
(くれないの あさはののらに かるかやの つかのあいだも わをわすらすな)
「紅の浅葉の野らに刈る草の 束の間も吾を忘らすな」
〔意味〕
浅羽野に生える草は、すぐに刈り取られてしまうけど そういう つかの間にも 私を忘れないでください。
場所:坂戸市浅羽野、土屋神社の北、土屋公園内にある。<o:p></o:p>
建立日:平成3年3月<o:p></o:p>
揮毫:林 坂戸市長<o:p></o:p>
地名から武蔵国入間郡「浅羽」=坂戸市とされているが、他にも近江の浅羽と静岡県浅羽町、長野県本郷村などの候補地がある。
この歌碑は埼玉県坂戸市浅羽で、東武東上線坂戸駅と一本松駅の中間にある、土屋神社の裏手に建っている。
「土屋神社」は古墳の上にある。
古墳は7世紀後半の円墳で、古墳の真上に神社本殿があり、樹齢千年以上といわれる神木スギ(高さ28m幹まわり8.5m、根回り11.3m)が枯れかかって立っていた。<o:p></o:p>
他に浅葉野を歌った歌には
「浅葉野に立ち神(かむ)さぶる管(すが)の根の ねもころ誰(たれ)ゆえ吾が恋ひなくに」がある。(巻12-2863)<o:p></o:p>
(浅羽野に立って、神々しく もの古びている管の根のように あなた以外に恋心を抱いたりはしません)<o:p></o:p>
今日は春の彼岸で、墓参りへ行くついでにチョット遠回りをしたのです。
いにしえ人は、心をものに喩えて表現するんですからその感性は素晴らしいものです。
刈られていく草のはかなさに自分のもの悲しさを重ね、あのようでなくずっと忘れないでいてほしいという女性の悲鳴にも聞こえてくるようです。結句の「忘らすな」という言葉の強さも印象的です。
善さんはいろんな句を勉強されてますね。
見習いたいものです。
東路にある歌は相聞歌が多いようで、私のような粗野な部類の人間には、合わないのですが?
お恥ずかしい!