会津の鋸鍛冶屋です。目立てを習得して頂きたく、Youtubeに目立て関係の動画をアップしています。お目通し下さい! 

目立てを身に付けたい方に仕事場にて実習支援しています。勿論、無料。
メールからの日程調整を致しましょう。

私の師匠、深沢一二氏を想う。

2019年10月18日 12時41分17秒 | 日記

 

えっ 深沢勝次!

横の席から驚きの声と表情で私に視線を向けたのは、会津地酒目的のテーブルに座している、今日が初対面の S君。
伝左衛門さんの お師匠さんは三条のどなた?」 の問に答えた時。


驚きの度合いは、私の方が大きかったと思う。


26歳の若者の知識に、鋸鍛冶屋に関する点が有ったとしても、私の師匠銘が有るとは、

全く予期していなかっただけに、大きな驚きだった。

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師匠の本名は、深沢一二(カツジ)氏。
私が最も尊敬する人格者です。

[深沢巻き]の頭的存在で三条鋸鍛冶屋活動を牽引していた印象があります。

[深沢巻き]とは、1,758年が初代の 深沢伊之助の系列鋸鍛冶屋をいいます。

 

昭和38年4月1日に住込みの弟子として修行が始まった私です。
当初は厳しく怖い師匠としか捉えられませんでしたが「短期間で1人前にする!」。

この師匠の気持ちが、元にあるが故のきつい言葉、強い指摘だった事で、高卒直後の私は

怖い師匠さんだ!」としか思えませんでしたが、徐々に理解出来るようになりました。

4年半程度の修行で親元に戻り、父親とは分けて両刃鋸の製作に入れたのは師匠に特異なものが有ったからです。

当時の深沢巻きでは考えられないような弟子への指導を戴くことが出来たからに他なりません。

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ある資料に、F工場の工程が記されている。

明らかに、深沢でしょうね。

 タップで拡大。

内容は勝次師匠そのものです。

これらの工程で弟子が「させて貰える」のは、鋸の仕上がりに影響を与えない工程であるのは、誰もが知るところです。

然し、勝次師匠の意識は深沢巻き親方衆が驚くものでした。

三条市島田地域には、七代伊之助家を始め、寅次郎、達次、清吉、そして勝次の鋸鍛冶屋が隣接しており、

職人さん達との交流が親しく出来た中で、「そんげ仕事してんのかね!」等と言われて、

私が「させて貰っている」仕事は、弟子が手を出す工程では無い事を知りました。


[この仕事は、後の仕事をやり易くする為]

例えば、厚みを一気に仕上がり状態には出来ません。削りと直しを交互にしなければなりません。

熱処理後の一回目の狂い直しを疎かにして鋸身を削ると、二回目の狂い直しに苦心します。

三回目、仕上げ・・進むほどに困難になります。 弟子に対して言葉で指導しても、到底 理解はできません。

勝次師匠の指導方法は画期的といえます。

元来ありえない「先の工程を実践させること」で理解させようとした事です。

そんな弟子生活の中で、周囲の職人さんからの「そんげ仕事してんのかね!」でした。

こんな事も

<中屋庄兵衛が会津の中屋重左エ門に師事し、1842年に脇の町(現・長岡市)にて創業しました>

深澤巻きの親方衆が、脇野町の鋸工場視察に出向く際に「おめぇさんも、行くかね?」と、お誘い頂きました。

あり得ない事と分かったのは、同乗の伊之助氏から「行くんかね?」を耳にした時。

勝次師匠は最年長者でもありましたので異論はなく、弟子の分際での同行となりました。

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革新的な考えの持ち主である事は、このブログを目にしている方々が理解できたと思います。

この師匠なくしては、己は無い! と自覚しつつの 半世紀越であります。

合掌

 


大西暢夫氏からの贈り物。

2019年07月02日 14時03分38秒 | 日記
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「月刊・ガバナンス」が送付されてきた。
大西暢夫氏からの贈り物。

 



メールでの礼状送りが、あり得ない伝左衛門は便箋を広げた。
今日中に投函したい。

取材当日の雨降りの中での、四人の動きを思い出しながらペンを運んだ。
両手を揃えて、ポストに。

帰宅してPCを立ち上げると「ブログにコメント」と。
なんということでしょう!
このブログを 大西氏が読んで下さってのコメントだった。

大西暢夫さんの眼に付くことの、意識は皆無だった。 
メール送受信も多いであろうから、最小限に抑えていたくらいだから、
貴重な お時間を割いて、拙ブログを読まれるとは思っていなかった。

晩酌時の娘からの第一声は、「この頭のインパクトは凄いね!」。
「ここから演出が始まっているからだよ、次のページでは俺が役者になってるよ」は私。

上から目線の中屋伝左衛門がセリフを発している。

映画監督ならではの演出が、トップページから始まっていた。

老鍛冶屋の腰痛を おもんばかって昼休みを長くして下さった事などを
想い出しながら、再読した。

仕事場にある山中でマド鋸を挽いている男性ふたり。
一人は撮影者、もう一人が大西氏と関りがあった人だった!
その事を書籍と共に、撮影者に知って貰うことにしてラベル印字を済ませた。

いろんな体験が、いろんな知識になる。
先の進行先が分からないのが、大きな魅力と感じました。
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素人が本職に手直し要請するとは!

2019年06月17日 12時41分49秒 | 日記

既投稿記事、映画監督・フリーカメラマンの 大西暢夫氏の取材を受けた。

仕事場を離れる際に「PDFを送るので見てください」。

「プリントした原稿を送り、訂・修正を依頼する事が多いのですが、

今回はPDFを使えるので助かります。」と おっしゃって帰路につかれた。

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過日、メールに添付されて届いた。

伝左衛門が上から目線で発している文言!

全体から推測して、明らかに”役作り”されている。

人間性を勘違いされる恐れがあるが、他の箇所で本質が表現されているならば

「””を引き受けてもいいだろう。」と恐れ多くも幾つかの要望を提言した。

 

その日のうちに、大きく手直しされたPDFが届いた。(恐縮)

私の気持ちを完全に理解して下さったからこそ!の内容になっていた。

「いい人で良かった!」・「日本語の魅力は大きい!」

そんな想いを得られたのは、数日前でした。 今 「やっとPCに向かえた」。


京都の ”目立て屋” さんから写真が

2019年05月26日 15時51分16秒 | 日記

鋸を初めて購入して頂いてから、十年ぐらいかな?の

Kさんから「尺3寸窓鋸が欲しい!」とメールが届いたのは去年。

鋸が好きで、仕事のための立派な小屋を持っている。

2~3年前に、尺3寸窓鋸を購入いただいた方が、京都にお住まいなので、

「目立てを要することになったら、近くの目立てが出来る人を」と紹介していた。

お互いが連絡を取り合い、目立て依頼となり、Kさんが施した。

目立てを済ませた 尺3寸窓鋸の試し切りをした Kさん、ビックリして会津にメール。

「大きな窓鋸は絶対に役に立つから、持ちたい!」

そうか!

気付くのが遅れたが、高い樹の上での作業が多い彼が手に入れたのは短いサイズ鋸ばかり。

、、、そして 3月。 地酒を目当てに会津入りのついでに、尺6寸・尺3寸を手にして帰宅。

 目立てをし、柄も取り付けての添付写真。

話を変えて、{彼の仕事部屋で友人と鋸談義}の写真。

 手に持っているのは、居酒屋で一緒に呑んだ会津地酒。

全国新酒鑑評会の金賞受賞の酒蔵で私も好みの酒。

我が家には、常に数種類の地酒を欠かさない。

新聞紙面に移り込ませて Kさんに添付した。

 今日も暑いから、冷酒になりそうです。

_____ おまけ _____

二年前に来宅し、お世話になった御礼にと群馬の若い鍛冶屋さんが

山形方面への途中に立ち寄ってくれた。

懐かしく談話のあとで「小さいけど」と言って{亀山の中山砥石}を差し出した。

「自分は先が無いから、貴方が持つべき、若い人に繋ぐべし!」と言ったが

初めからの決め事だったようなので、有難く頂戴しました。

幸せ感は、予期せぬタイミングで訪れます。 合掌

 


写真家・大西暢夫氏が取材に。

2019年05月22日 15時01分38秒 | 日記

お堅い本「ガバナンス」の気休め的ページ掲載になる取材を受けた。

廃屋同様の仕事場に写真撮影が目的の人を呼び込みたくない。しかし、

自分の鍛冶屋人生が残り少ない今、「良く見られたい!」は無くても良い。

承諾した翌日に「TVカメラも同行」と。 これを あと出しジャンケン という。

まな板の鯉 来い!

承諾後に調べると、映画監督からのスタートでフリーカメラマン。

大西暢夫氏。 著書を探して注文したが、配達が当日には間に合わなかった。

 「ここで土になる」

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穏やかな人柄に、一安心した伝左衛門でした。

アサリ出し後に、上目も付けた刃先を、どのように捉えられるかな? と

悪戯心でけしかけてみた。(ゴメンナサイ)

先の「会津手語り」の赤沼氏同様に、焦点距離が 点 になってしまう。

あとで赤沼写真家のショットを見てもらった。

「やっぱり こうするしかないなぁ」は、刃先を一文字のように捉える事でした。

 

中部地区のテレビ局のカメラマン氏と助手さん一人。

賑やかな 仕事小屋でしたよ。

TVカメラマンさん曰く「昨夜は馬刺しでした。旨かった!」と。

助手さんに、私のスマホで写真と動画を撮って頂きました。

動画は捉えどころが理解出来てる人だと実感しました。(助手さんは写っていません)

大西氏の「情緒ある看板」の前で、記念撮影でした。

平凡な日々に、悪天候と勇気を与えて下さって、お別れとなりました。

#大西暢夫 さん ごんめんなんしょ。

 

 


まさか!の大鋸

2019年05月17日 14時10分32秒 | 日記

過日、Youtubeに 目立てには関わらない動画をアップしてところ、

決まって、励みになるコメントをSMSで伝えて下さる方がいる。

今回は、「古道具屋に行った際に参考になる」の文言がありました。

即!思い出されたのが、二.三日前のこと。

「栃木県の骨董市で手に入れた大鋸を見てほしい」と

目立て支援で、数回の来宅がある人で南会津町の住人M氏。

見せてくれたのが!

歴史を感じた、武骨な大鋸。

直ぐに刃先を見ると、当然のように刃が付いていない。

目の隙間の錆などを取り除こうとしたが!? 詰まっているモノが動かない。

裏面を見て、驚きと合点‼ そして 悦び。

下の写真を見れば理解できます。

早い話。 これは未完成品に他なりません。

上は、銘を切る表側。 下は裏側。

鏨を使って、目の形に抜こう!としているが、厚い玉鋼を貫き損ねている。

親方の指示で、お弟子さんが大槌を振るった事でしょうね。

表面の凹凸、一つ一つに職人さん達の息遣いが感じられます。

 近江の鍛冶屋さん。

鋸身の整えが出来ていませんので、峯側を見ると、

 グニャグニャ曲がったままです。

未完成品が世に出る事は皆無と思って居ただけに

「これは貴重な資料!」

手を加えることなく保管するようにと、お願いした次第です。

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この人 Mさんが骨董市に出かける際に持参するのが、{会津の手語り}。

骨董品を見極める資料として活用している、との事。

此のことを翌日に来宅した{会津の手語り}の著者・赤沼氏

知らせた時、氏の表情は 驚愕!そのものでした。

まさかの使い道!と笑顔での懇談になりました。

 

古道具屋に出掛ける際は、一冊の荷物を持つのも、一興かも知れませんね。

 

 

 


古い鋸達を活かしたい!

2019年05月14日 15時14分51秒 | 日記

「使わなくなった(使えなくなった)鋸を

貰ってください。」

送料をご自身負担で送付して頂いた、多数の鋸。

お応えしないでは、いられない。

とは言え、道具として使ってくださる人の手に渡らねばならない。

この仕事場にお出で下さった方に、試し切り後のお買い上げが一番良い。

他は、ホームページ掲載とネットオークションしかないだろう。

、、、、、、、、、、 で過日のブログに。

 を 擦り込み目立てで に。

折れた目を無くしたら、アゴが無くなった!

マチを狭く削って、形になった。

オークション出品を、提供者氏にURLと共に報せた。

鋸は立派な刃物だねぇ」とご夫婦の会話になったとの事。

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そして数日後、落札された!

清算終了後、提供者氏に「振り込みたい」旨をお伝えすると、

「活用者が存在しているだけで、義父は満足している」と

受け取り辞退となった。

このままでは私の気が済まないが、数日間経過でも良案が浮かばない。

結果! 他の鋸を進める中で模索することにした。

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それぞれの鋸を如何に活かすか?

選択している動画を編集中。{目立てには無関係だがアップしよう}

 


「鋸を貰ってください」と。

2019年05月12日 09時24分33秒 | 日記

過日のブログにちょこっと、写真を載せていました。

あの鋸には事情がありました。

 

上の二枚がメールに添付されていた。

義父が不要になった鋸の貰い手を模索していた

ネットで見つけた相談して伝左衛門ではどうか?」に

義父は「会津は いいなぁ」で、メールとなった。

突然の事で戸惑いつつ、再活用が出来そうな個体が在りそうなので

「オークション出品で落札されたら、相応の支払いをしたい」旨のメールを送ると、

それは不要! 鋸を送ります」。

 

翌日届いた荷を開けた写真

上記写真に納まりきらない分もあった。 さぁ どうするか?

送り主送料負担なれば、その分だけでも速やかに支払いたい思いが、先ずは出た。

落札される可能性が高い大鋸を選んで、仕事開始。 ところが、、、

刃先が折れていた!

写真の、最も低い所が無くなるまで「ヒッコキ」。

その結果、元部の浅い目は半分以下の浅さになり、マチ・アゴ部はわずか!

マチを削って細くして、妥協できる。

画像クリックで拡大表示。

左はヒッコキの前 =ひっこいたらアゴが無くなりそう!
右は折れた目を無くし、マチ幅を狭くした。

狂い取り(曲り除去)・目立てを済ませて

 試し切り

__________________________

そして 出品した。

そのURLを提供して下さった方に お知らせすると

出来栄えに感心され、喜んで下さった。

サァ では次回に。

#鋸 #のこぎり #オークション #大鋸

 


撞木柄ガガリ鋸の錆落とし

2019年05月07日 12時18分48秒 | 日記

 

[令和] 初めてのアップロード




オークションから落札した、撞木柄ガガリ鋸に錆が厚く出ていたので、

支障なく機能するようにと、錆除去をしました。


上の状態では錆が鋸身を厚くしています。

通りが悪いでしょうね。

なので、サンドペーパーで除去します。

初めは#80ほどで、仕上げで#120で充分でしょう。

#1000とか#4000等と細かくすれば、ピッカピカにも成ります。

そこまでは不必要でしょうね。

 

錆が概ね無くなった後で使うのが、艶出し材です。

鋸の仕上げ前では「黒棒」を使い、最後は「青棒」処理をします。

職人からの要望でメーカーが作り、名称も分かりやすい 黒  だったのでしょう。

現在は液体状の製品が有るようです。

サンドペーパーに石鹸状の個体をこすり付けている動画はアップしてあります。


下の写真は何でしょ?

刃先を削って(ヒッコキ)光らせて写しました。

左側に湾曲しています。

左側の面だけをペーパー掛けをした為に膨らんだのです。

両刃鋸の片側にある錆を落とすのに、ペーパー掛けをした際は

錆が無かったとしても、反対側も掛けてください。

刃面の曲がり具合を見ながら,,,,,,。

このガガリ鋸の動画をアップしました。
https://youtu.be/CTyVE4TTS9k


京都から 8時間かけて!

2019年03月23日 15時20分42秒 | 日記

 

京都からの最短距離ルートは日本海側走行。

短時間の休憩をで多くしたトラブル無し走行が、見込みより早い到着になった。

 「鶴ヶ城を観たいので、同行して貰えるか?」とLINE連絡。

勿論「OK」で、見ものが{ 雪吊り} しか無いのを覚悟でハンドルを握った。

 

まだまだ固い桜の蕾だが、太く黒い樹木がの群れが、一面の花盛りを

想像させてくれた。

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明るさが残っているのに、居酒屋へ。は

勿体無いので、仕事場へ。

 

ガラス戸の前に歩を運んだ途端、

「又、来れた。嬉しい!」「懐かしい!」

 明るい内にと、進める。

 

今回は、狂い取りを、復習+少し奥へ。

写真の大きな鋸の曲がりが直せない!

挑戦。

 

 

頃合いをみて、予約しておいた居酒屋へ。

ヽ(*´∀`)ノ

 何種類もの会津地酒!

どれほど?

「覚えていません!」美味かったのは

「間違いない!」  です。